あらすじ
心から一歩も外に出ないものごとなんて、この世界には存在しない──君たち二人の運命が、ただの成り行きによってここで邂逅したわけではない。君たちは入るべくしてこの世界に足を踏み入れたのだ。この1Q84年に。……雷鳴とどろく夜、青豆はさきがけのリーダーから「秘密」を明かされる。天吾と父親の宿命的な再会、そして猫の町。二人が迷いこんだ世界の謎はまだ消えない。
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Posted by ブクログ
(青豆)
「さきがけ」のリーダーと会う
リーダーはリトルピープルに何かを奪われた
(天吾)
父親(父親ではない)と会う
母は何かと交わって天吾を産んだ
牛河と会う
2人の力が合わさり何か解き放ってはいけないものを解き放ってしまった
猫の街に行き、リトルピープルの扉を開けてしまった
天吾と青豆が記憶の中で結びつく
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少しずつ物語の全容が明らかになってきている。青豆は感情を排して仕事に徹する思っていた。青豆の心情の変化が気になる。全体の感想は最後に。
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「しかし正確に言えば、それはただの偶然でない。君たち二人の運命が、ただ成り行きによってここで邂逅したわけではない。君たちは入るべくしてこの世界に足を踏み入れたのだ。そして入ってきたからには、好むと好まざるとにかかわらず、君たちはここでそれぞれの役割を与えられることになる」「この世界に足を踏み入れた?」「そう、この1Q84年に」
はあ、面白い。面白い。1Q84年に、月が2つの世界に踏み込んだ。
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「さきがけ」のリーダーをこの世から消すミッションに向け、準備を整える青豆。父に会い、今まで聞くことのできなかった出生に関する秘密を問う天吾。
その過程で互いを心の底で思いつつも、後半にそれぞれがその存在をさらに強く意識しあうようになる展開に、中盤の山に差し掛かりつつある感じを受けた。
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『1Q84』という不思議な世界、『リトル・ピープル』の声を聴くリーダーの不思議な力、登場してくる人物が全て危なかしく、何かを抱えている。青豆と天吾の中で唯一大切な存在だったあゆみと恭子が、次々と姿を消してしまうことが、これからの残酷な展開を想像させて、読み進めるのがこわいながらも、どのように物語が完結するのかを見なければ終われないという気持ちにさせる。
Posted by ブクログ
・予想。リーダーはリトル・ピープルに促され豹変した深田保で、最初に犯された10歳の少女はふかえり?
・あゆみは「いかにも開けっぴろげな見かけの部分は演技的なもので、根本は柔らかく傷付きやすい感受性を持っている」タイプらしいが、青豆の「私はもっとあの子を受け入れてあげるべきだった。あの子の気持ちを受け止め、しっかりと抱きしめてやるべきだった。それこそがあの子の求めているものだった。」「無条件に受け入れられ、抱きしめてもらうこと。とにかく安心させてもらうこと。」という後悔は本当に的を射ていて、私もあゆみと似たような性格だからこそ本当にそれが必要なのだと共感できた。
私もそれが喉から手が出るほど欲しい。欲しくてたまらない。
・天吾にとっての安田恭子(年上のガールフレンド)=青豆にとってのあゆみかな。
青豆と天吾、お願いだから早く出会って。あなた達はお互いに想いあっている。そのことに早く気づいて、という気持ちでいっぱいになった。
そしてさきがけのリーダーと青豆、療養所の天吾の父と天吾が2人きりで対話するシーンはどの場面よりも強烈で強い存在感を残していた。
とくにさきがけの秘密を語るシーンはあまりにカルトとしての解像度が高すぎて鳥肌が立つほどだった。
とにかく続きが気になる。
Posted by ブクログ
(全巻同じレビューを入れています)
・・・
なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。
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一番感じたのは天吾。
天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。
たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこともできました。
でも今回の天吾は家族構成、身体的特徴(柔道耳!)、大柄でスポーツも数学的センスも(実際は音楽センスも)あり、とにかく器用であることなど、非常に細かい設定であったと思います。よくも悪くも、自分を投影するキャラではなく、外から眺めるべき主人公でありました。
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もう1人の主人公青豆はややラフな作りこみで、彼女の家族の話は余り描かれず、むしろ柳屋敷の女主人やタマルなど、遊び友達の中野あゆみなど、周囲の際立ったキャラとともに物語を彩り深いものにしていたと思います。
もう1人、やはり出色のキャラは牛河でしょう。本作で一番印象深いトリックスター(という程ではない!?)だったかと。実は司法試験合格者とか医者の家の子だとか。こういうのは初めて読んだときに記憶に残りませんでした。
でも彼のこと、他の作品でどっかで読んだ気がしたけどどこで見たんだろうと、気になって仕方なく、googleで検索したら『ねじまき鳥クロニクル』 (1994)で出ていました。そうそう、「僕」の元を離れた奥様の兄の綿谷ノボルの秘書としてでした。
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その他、ふかえりの育ての親の戎野先生、編集者の小松など、かなりエッジのたったキャラが自然な形でそのポジションを占めていたと思います。
あと、17歳で文学賞を受賞したふかえり、あれは綿矢りささんが高校生で芥川賞を受賞したことの影響じゃないかとか、さきがけ・あけぼのってのもオウムの影響じゃないかとか、諸々想像させるところがありましたね。
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もう一つ。終わり近くまで殆ど考えませんでしたが、タイトルについて。
本タイトル、もちろんかのディストピア小説の『1984』を承けたものでありますが、本作は「9」「Q」になっており、一種のパラレルワールドへ迷い込んだという設定です。実際にはパラレルではないとの説明がありましたが。
で、天吾と青豆は会えそうで会えないすれ違いを、結構延々と、最後の最後まで繰り返すのですが、最終巻の第三巻に至ってまだ会えないところで、私気づきました。
そう、この物語は年末までに終わらねばならない。なぜならば、タイトルがそうだから。85年を跨がないように、タイトルが84年となっている。
実は第一巻は4-6月、第二巻`は7-9月、第三巻は10-12月とサブタイトルが振られています。そしてキチンをけりをつけるべく、収束していったことに感心した次第です。
上手く表現できませんが、何というか、タイトルの制約を内容に反映させた?ような作りが面白いと思いました。
・・・
ということで村上作品でした。いやー長かった。10日間弱、読むのにかかりました。
ところで、私の初めて読んだ村上作品は『ノルウェイの森』(1987)でした。そして帯には『究極の純愛』とか何とか書いてあったと記憶します。
そこから20年を経て上梓された本作、これもまた『究極の純愛』と呼んでも良い作品であったと思います。
堪能致しました。
Posted by ブクログ
天吾と青豆の物語が一気に動き始める。
1Q84の1・2では各章ごとに別々のモノとして描かれていた天吾と青豆が、宗教団体「さきがけ」を軸に、徐々に重なり合っていく。
老婦人から「さきがけ」のリーダーの暗殺依頼を受け、青豆を取り巻く環境・人々が被害に合いながらも、暗殺手前まで漕ぎつけた青豆。しかし、暗殺手前で「さきがけ」のリーダーからの驚きの提案が。
一方、「空気さなぎ」の執筆に関わった天吾も、周囲の環境・人々が被害に合い、彼自身もリトル・ピープルに命を狙われる形に。失踪していたふかえりと久々に再開し、2人で協力して立ち向かう事になる。(4話へ続く)
Posted by ブクログ
急に青豆と天吾が繋がってびっくり
少しずつ不穏な空気が流れ始め疑心暗鬼になり全てのことはウシの仕業だと思い込む天吾、起きたことの原因は自分にしかないのにウシの仕業だと思うあたり一種の逃避に思えた
青豆はあんなにリーダーに対して殺意があったのにリーダーといざ対面してあまりにもあっさり戦意喪失していて違和感を感じた
Posted by ブクログ
いよいよ宗教団体の核と関わりだし、彼らの強くて長い腕の影響で、物語がディストピア的な色を帯びはじめた。宗教団体のリーダーは、地獄の黙示録を思い出した。ガタイがよく、哲学や思想に造詣があり、全能感がある。痛みから逃れるために死を求めていることも酷似している。ただスピリチュアルに寄りすぎていて、今後論理的な整合性を持つことがあるのか疑問に思った。現実と幻想の融合は相変わらず魅力的だなと。「自分自身が森の怪物だった」というのがなんとなくの鍵になりそう。リーダーの言った善と悪の概念に興味を持った。概念の細分化と拡張によって、善と悪や順と逆といった相対するものが無効化すると。この物語もふかえり、天吾、青豆という概念がもはや一緒のものなのではないかと直感的に思い始めた。とにかくスピリチュアルなままで終わってほしくないと個人的には思う。リーダー、リトルピープル、リサーチャーなどがどういうものなのか。
正直登場人物に天才しか出てこないため、いちいち憧れや劣等感を感じてしまう。村上春樹が世界的に評価される意味がわかった。本をたくさん読んでいき、落ち着いた人間になりたいと思った。もう少し幻想的でナンセンスな作品にも興味を持ち始めた。猫の話が可愛らしかった。
「新学年の新しい教科書を開く時の感情」、「砂漠のような感性の核」など例えが気持ちいい。