あらすじ
フィギュアスケート全日本ノービス大会で結果を残せなかったいのりと司。4回転サルコウ含む高難度のジャンプ、さらにステップシークエンスで最高得点を獲得しても表彰台に届かなかったいのりはジュニアクラスに昇格するが、懸命な滑走と成長速度が評価され強化選手に選ばれる! いのりと司は今度こそ必勝を誓い、ジュニアクラスでも更なる成長を誓う!!
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「できなかった自分にしか拾えない気持ちがある」
「できなかった自分だけが見つけられる才能がある」
夢に破れた重い経験を持つ者が放つ言葉に心打たれました。
子供の頃の夢はサッカー選手でした。文集でもそう書いていましたが、実際はそんなのなれるわけなんてないと小学生ながら分かっていましたし、自分の力量と才能の限界、現実の差にも気づいていました。
譲れないものを持たず、壁を見つけては避ける手段を考え、物事に抗うことをせずに生きてきました。自然と我慢する癖がついていた気がします。
この作品は、そんな自分とは正反対に誰よりも強い執念を持った少女・いのりが、夢に破れた青年・司とフィギュアスケートで世界を目指す物語です。秘めた才能と固い意志を武器にみるみる上達するいのりの成長っぷりには、この後の展開に胸躍る気持ちと、自分を正されるような感覚になり、悔しさが込み上げてきます。自分にもここまでの執念があったらと…。同時に司の心情に共感する部分も多くあります。
後悔と挫折を経験した自分だからこそ、コーチとして導ける世界がある。
2人の主人公が駆ける世界への道に目が離せません。
感情タグBEST3
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コーチ側の苦悩が伝わる
10巻では、いのりちゃんが体も心も大分成長して(遂に中学生!)成長痛に悩まされたり、
体の変化・さらに思春期という心の変化で司先生に反抗期っぽい所も見え隠れします。
コーチ同士が話していた「成長期は飛べなくなる」という呪い、他のアスリートでも
関係しそうですね…
特にフィギュアは、女子は成長すると体の変化でジャンプが飛べなくなり、男子は逆に
力が付くのでジャンプが得意になるというのも納得できます。
ヒカルちゃんの腰のサポーターも成長によるものなのか、嫌なフラグが立っているのが
気になりますね…
そして理凰くん優勝おめでとう!な巻でした。
匿名
ノービス大会終わってから、いのりちゃんたちのテンションがどうなるのか、そしてどんな展開になるのか若干心配してましたが、合宿編もすごく面白かったです!
いのりちゃんと司先生の指導時のすれ違いに一瞬不穏なものを感じつつも、司先生のジャンプ練習で払拭されて良かった!そして司先生カッコ良かった!
最後はりおう君、金メダルおめでとう!!喜びの実感湧かなかったのに、司先生が号泣しながら喜んでくれる姿で嬉しそうになるの可愛すぎるー!!
それにジェラるいのりちゃんも楽しすぎるー!
大好きな組み合わせです^^*
匿名
司先生が「鷹の目」を持っていることを自覚。この力をいのりに捧げようと誓う。
光は司が夜鷹純と似てると言う理凰に対し『明浦路先生は私と同じ種類。夜鷹純と本当に似ているのは結束いのりの方だ』と確信。「私まだ待てる」と笑顔を見せる真意とは··?
Posted by ブクログ
score37~40、Short Program5
本筋はけっこうシリアスなはずが、ところどころ笑える要素が入っててつい笑う。特にすずちゃんのお顔マッサージと本編に入らなかったアレコレの一コマ。
いのりはジュニアクラスに昇格後、強化選手に選ばれ合宿に参加。いのりサイドのストーリーではライバル光ちゃんとのからみがハラハラする。そして、いのりのこととなると平静でいられなくなりつつある光ちゃんも気になる。
司先生の、指導者が集まる飲み会の話が興味深い。今回じっくり読みたくなったのはここ。
「成長期の女子選手は跳べなくなる」といういわば都市伝説と言うか言い伝えと言うかそんな話があるそうですが、それに関する「実はこうなんじゃないか」な話がかなりリアル。確かに女子は生理が始まったり体型を気にし始めたりという時期に来るから、そこで伸び悩む子が出てくることもあるんだろうなぁ。
で、無理な食事制限したりホルモンバランスが乱れて骨が弱くなったうえ、回復する間もなく練習を繰り返して疲労骨折…。
こんな話の後、終盤読んでてぞっとした。腰のサポーター??ひょっとして腰悪いのか光。
匿名
おもしろい
連載時の時から加筆も多いので買い得でした
ジュニア編ではいるのさんといるかさんの交流だったり司先生と他先生たちの交流もあり良かったです
Posted by ブクログ
修行回。今回はラスボス級のライバル達が周囲にいるので、今までとは一味違うピリつきがあって面白かった。
■いのりと光
強化合宿前で光と再開したいのりは、全日本ノービスでの敗北を思い出して悔し泣き。「もう光ちゃんと前のように笑えない。もう戻れない」。滅多に会えない友達と笑い会えないなんて悲しい。
一方の光は、悔し泣きしているいのりを見てむしろ喜ぶ。自分に対して敵意を剥き出しにしてくるいのりを「夜鷹純と本当に似ているのは結束いのりの方だ」と評価する。
歪んだ関係だなぁと思うが、本当に負けたくないライバルとの関係って、多かれ少なかれこういう感情を含んでるよな。それが前面に出てしまういのりは本当に根っからのアスリートだ。
■その他
・岡崎いるかが絶妙にキモくなり出しておもろい。「沁みいる…(ジュワァ…)」じゃないねん。
・いのりの急成長の秘訣は、友達よりも大人と過ごす時間が長かったがゆえに大人の顔色を見て話を聞いていることにあった。良いことばかりでは強い選手になれない、世界の残酷を感じる。
・司先生が「鷹の目」の才能を自覚。これを指導にどう活かしていくのか楽しみ。