【感想・ネタバレ】烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ2のレビュー

あらすじ

※2020年8月8日より、カバーが変更となりました。内容については変更ございませんので、ご注意くださいませ。

八咫烏の世界を描くファンタジー絵巻、第2弾!

八咫烏が支配する世界山内では次の統治者金烏となる日嗣の御子の座をめぐり、東西南北の四家の大貴族と后候補の姫たちをも巻き込んだ権力争いが繰り広げられていた。賢い兄宮を差し置いて世継ぎの座に就いたうつけの若宮に、強引に朝廷に引っ張り込まれたぼんくら少年雪哉は陰謀、暗殺者のうごめく朝廷を果たして生き延びられるのか……?

解説・大矢博子

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公・雪哉は、頑固だが信念が強く一途な少年。彼が若宮を選ばなかったのは彼なりの主への想いが主の志向とは一致しないと判断したからだと思う。だからこそ残念であるし、賢明でもあると感じる。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったー!!
前作と対になった作品で、桜花宮に来ない若宮なにしてたんだよ、に応えてもらった。

大変だな若宮、と思って、姫様達への誠意もわかった。
だけどやっぱり殴りたいよね若宮を。特に雪哉にはその資格がある。無理かもしれないがぶん殴ってやれ。
若宮の考えの裏を敵に読まれたかと思ったらまたそこも若宮の掌で…的なインフレが多くて、最後までドキドキした。

この話は忠誠とは何か、大切に思うものはなにか、がテーマとして語られていて、其々が其々の心に従っていて、とても気持ち良い。すれ違おうが、殺されかけようが、皆が皆筋が通っている。理解できるかは別として。
そんなところがとても良かった。

最後の雪哉の若宮への想いが熱い。
知らないところで死ねだなんて、親愛以外の何物でもないじゃない!!!

次作も楽しみ!!

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作の方が驚きは大きかったけど、個人的には今作の方が話にのめり込めて好きだった。
若宮が后候補に対して取っていた行動の意味とか、裏で何が起こっていたのかが分かってすっきりした。
若宮が全然桜花宮に来ないことにもやもやしていたけど、后候補に対する誠実な気持ちが知れたところは凄く嬉しかったし、若宮が好きになりました。
気になるところで終わっていたので、若宮と雪哉の関係性がどうなっていくのかなど続きが楽しみです!

0
2025年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ



読んでいる前半のうちに
1巻目の『烏に単は似合わない』と並行した時間の物語りだと分かります。

ほとんど出てこなかった若宮様について、
その時若宮様がどのようにしていたかの視点です。

1巻目の最後のあたり、“食わせもの”だという印象を残した若宮ですが、
その人物の深掘りがされていて、
“金烏としてこの世界の頂点に立つ人物”
“有無を言わさず金烏=主として据えられる、その金烏たる人物というのはどんな特色をしているのか”
この世界の理(ことわり)と、
その中で若宮ができる裁量で進む物語であったかなぁと思います。

『真の金烏』『本物の金烏』という、
動かせない世の理と真実があり、
それだけで運命を変えられない(変えてはいけない)という部分と、
その運命の中でも変えられる(選択肢が与えられる)という部分での、
話の展開が、ファンタジーとしての面白さを広げます。

ちょいちょい若宮について思うのが、
『信長かよ!』ということ。

1巻読んで、2巻目の序盤読んで、
若宮が“うつけ”と評価されている現状は、実は間違った評価であると、
1巻を読んだ読者は知っているわけです。

なぜ“うつけ”を演じているのか、
2巻目の裏で進行している、1巻目の物語との関連性を想像しながら読んでいって、途中で明かされるわけなのですが、
“うつけ”の一面とそうじゃない一面がある若宮にしかり、
前作『烏に単は似合わない』にしても『烏は主を選ばない』にしても、
人(ここでは八咫烏ですが)というものは“一面ではその人を語れない多角的な面があるものである”ということも大きな要素になっているように思います。

↓セリフ含むのでネタバレめ

p.342
誰のセリフかを書くと面白さ半減するので言いませんが、2つの鉤括弧。

「お前が言っているのは、ただの我がままにすぎんぞ。自分をこう見て欲しい、こう扱って欲しいと、希望通りにしてもらえなかったからと言って、他人に八つ当たりして良い道理にはなるまい」

続けて、

「〜〜 お前がどんなにそれを否定し、嫌がったところで、その骨肉に北家の血が流れているのは、紛れもない事実なのだ」

宗家があり、貴族にあたる四家があり
血統が重要視される世界において、
“その一族である”ということは、アイデンティティになり得るものであり、また他者からはレッテルや先入観で見られるものである。

それに対してのセリフになりますが、
非常にグッとくるセリフです。

発言した人物が誰かも、グッとくる要素にはなってるんですが、
この物語での主人公・雪哉にとって、1番とらわれている部分に対する開放の言葉のように思いました。

雪哉にとってだけではない。
人は見た目で判断をされがちな生き物である。
(この場合の見た目というのは、ルックスだけではなく、清潔感や発言やTPOを考えているかということを含めて)
得をするのも損をするのも、見た目に大きく左右されることがある。
しかしながら先にも述べたように、人は多角的な生き物なのである。

一面だけでは語れないのに、
一面だけで評価されてしまうこともある。

それはどうにも仕方のないことではあるのだけど、

(受け止める側としては)
だったらその評価される一面をどうしていくべきなのか
そこである程度評価されること込みで受け止めなければならない

(評価する側としては)
その一面は相手の一部ではあるけれど、他の点も多種多様であると理解しなければならない

ということだろう。
そして、お互いがお互いに見えてる部分は一面なのだと念頭において接することが必要になってくる。

結局若宮という人となりについて
1巻から深く知ることになりましたが、全てを知ることにはなりませんでした。

一面を知った1巻から、半分くらいの人となりを知った2巻。
次の3巻にて、“真の金烏”であることは何かを深く知ることになりそうです。


後からの『解説』にて書かれた大矢博子さんの感想、めちゃめちゃ共感!
正直なところ、前作面白かったけど、真に面白いと感じたのは2巻目読んだ後

2巻まで読むことで、これはシリーズを読み続けるべきだ!と思いました。

もともと夫が文庫を4冊買ってきていて、
発見して読み始めたので、それだけで完結すると思っていた私。
現在シリーズめっちゃあるじゃん!!
なぜ、続きを買っていない⁈


引き続き『解説』にて、

『小野不由美の「十二国記」を読んだとき。上橋菜穂子「獣の奏者」を読んだとき。菅野雪虫の「ソニン」を読んだとき。どのときも、慌てて他の巻を買いに走ったのを覚えている。〜ーこんな名作に乗り遅れてたなんて!』

と書かれていますが、
「ソニン」買いに行きますね
でも、八咫烏シリーズ刊行のものを全部読んだ後にね!




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2025年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すっごく面白かったです。
シリーズ1作目は主人公に肩入れして読んでいたので残念感が先に立ってしまったのですが、本作は本当に面白かったです。

北家垂氷郷のぼんくら次男、雪哉は中央で若宮の側仕えとして1年働くことになり、うつけと噂される若宮を排除しようとする陰謀に巻きこまれていきます。
誰が味方で敵なのか、それぞれの駆け引きにページを捲る手が止まりません。

自分が利用されたことに傷付く雪哉が、若宮の味方になるかわりに出した条件「日嗣の御子の座を降りること」。条件をのまれなかったので雪哉は垂氷に帰ったようですが、そんな雪哉の信念をとても好ましく感じました。

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「烏に単は似合わない」と同じ時系列の若宮サイドの話。
主人公は若宮の近習の雪哉。
アニメ版の主人公ですね。

桜花宮でお姫様たちが競っている間、裏ではこんなに大変なことがあったとは!
雪哉の真っ直ぐな性格がとても良いです。

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作では「日嗣の御子」こと皇太子になかなか会えない姫君達が主役となっていたが、今作はその皇太子がなぜ姫君達に会いに行かなかったかが語られる、いわば表裏の関係にある物語。かの有名な(?)雪哉も登場、というか雪哉を中心に語られる。周りは敵だらけで、常に身の危険が付き纏う中、数少ない、けれどとても心強い味方と共に治世の足固をしていく。皇太子を排除したい者達は、単純に侮っている者、能力を認めているからこそ脅威と捉えている者。だけど結局は己自身のための思惑へ行き着く。やっぱり面白い。続編が気になってしょうがない。

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2024年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は!用心しいしい読み進めていたので無防備にすっ転ばされることはなかったものの…意外な事実も出てきて目を見張ったり。
「烏に単は似合わない」の裏側で起きていた物語なので、あちらを先に読むのをお勧め。
はー…しかし、はぁー……。
続きも文庫化楽しみ!

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2025年05月28日

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