あらすじ
「お前には味方もいる。それを忘れるな」。
堂場瞬一史上売上NO.1シリーズ、衝撃の最終巻。
岩隈に続き、警視庁公安部の山口が殺された。再び了に殺人の嫌疑がかかり、謎の符号「ABC」の実態を掴むも捜査は行き詰まる。一人で闘い続けた男の危機に、かつての仲間たちが立ち上がる。警察小説の金字塔、ここに完結。
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鳴沢了シリーズ、雪虫から始まってこの久遠まで、一気に、と言って良い勢いで読み切りました。
実はたまたま「帰郷」だけ、先に読んでしまっていたのですが、読み終わってから、「これはいかん!ちゃんと全部順番に読まなければ!」と激しく思いました。前後のつながりはもちろん大切だし、読めば読むほどにこのお話の前のエピソードに引きずられる感じが強くあったので…まあ、シリーズものを読むならそれは当たり前ですよね。
堂場瞬一さんの作品は、どのシリーズも前後のつながりがとても大切だなぁ、と感じています。まあ、シリーズものはそういうものだとは思うのですが、ことさらこの前後のつながりが大切なんじゃないかと強く感じました。あたかもこの10作品全体がひとつながりになっているかのようで、どのエピソードも独立していながら独立していない。外伝である「7つの証言」はひとまず置いておくとしても、何年もの間書き下ろしで連作していかれたこのシリーズが、こんなにもしっかりと繋がり一つになっていたことに、改めて感動しました。
最初はこんな暑苦しい奴、かなわんなぁ、という感じがしていたのですが、最後まで読み切った時、とても幸せな気持ちでいっぱいになりました。これで鳴沢了シリーズ、おしまいだなんて残念すぎる!ぜひいつか、堂場瞬一作品の数々の登場人物と揃い踏みをする壮大な長編を読みたいものです。
きっといつかまた、鳴沢了シリーズ一気読み、すると思います。そうしたくなる、とても印象深いシリーズでした!
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『刑事・鳴沢了』最終巻
殺されたライター・岩隈と公安部・山口。
岩隈が残した『ABC』のメッセージ…
鳴沢のレガシーからUSBメモリが…
少しずつつながり始める…
アメリカとチャイニーズ・マフィアが絡む大きな犯罪の匂いが…
十日会は…
かつての相棒・小野寺冴が拉致される…
まさか、…が、黒幕だったのか…
『ひとりではない』…
かつての相棒たちが…
冴が、今が、海が、そして藤田が。
銃弾を受け、意識が遠のく鳴沢…
そして優美との関係にも終止符が。
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鳴沢了シリーズ、長編としては最後の一冊。上巻で出た伏線回収と思いきや、まさかの展開、後半40ページは圧巻。最後の終わり方も、鳴沢の人間としての成長があり充実感がある。
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自らの殺人嫌疑を晴らさんと突き進む了。
第4巻『孤狼』の事件ばかりか、第7巻『血烙』で対峙したチャイニーズマフィアまでが日本に来て、了を狙っているとは。
最終巻らしく、これまでのシリーズで了に関わったメンバーが次々と登場(オールスターの様)。
了のストッパー役を自負する藤田心。
新潟県警の“希望の星“大西海。
実家の寺の住職を継いだ今敬一郎。
そして、『破弾』でバディを組んだ小野寺冴。
会えば喧嘩ばかりするという今と冴の掛け合いも面白い。
さらに、『神の領域』の主人公で横浜地検の検事城戸南も登場。
彼と事務官の大沢との会話に、「お二人とも、漫才はその辺でいいですか?」と、了が割り込む場面にも思わずニヤリ。
まだまだ楽しみたい鳴沢了シリーズ。このシリーズの余韻を味わうために、シリーズを読む2年ほど前に読んでいた『七つの証言 刑事鳴沢了外伝』を再読しよう。
シリーズを読み終わった後では、一層味わい深いだろう。
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鳴沢のピンチに、続々と駆けつける仲間たち。
海くんは、初登場時がなかったくらいに逞しくなったなと思う。一番、成長したのも海くん。流石、鳴沢の一番弟子。
冴とは色々と考え方の違いも、あったかもしれませんが、背中を預けるほどの相棒であることは変わりない。
今は初登場時から全く変わらないけど、変わらず頼もしいパートナー。そして再登場の場面も今らしいです。
現在の相棒の藤田も鳴沢の良き理解者ですね。美鈴との関係も上手くいくとよいなと感じました。
高城検事も飄々としているけど、悪いやつを許せないというのもカッコいいです。
そして何よりも美優と本当の意味で家族になれて良かったです。
最後、鳴沢も大ケガして療養中でしたが、再度、どこかで出会えることを期待しています。その時には、多少は丸くなっているでしょうか。
Posted by ブクログ
新装版で再読
シリーズの完結作として過去作の相棒たちが
集結
過去作で遺恨を残した事件が種火になり
スケールの大きな事件に巻き込まれていく。
主人公が謹慎させられて個人で捜査に乗り出す
そのスタイルは鳴沢らしいけれど
私は警察内部のシーンが好きなので少々物足りず感があった
ラストは鳴沢がどう変わって行くのか
刑事でいなければ生きていけない鳴沢が
家族とどう向き合うのか読者に想像させる
終わり方