あらすじ
かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されていた人型警備ユニットの“弊機”。紆余曲折のすえプリザベーション連合に落ち着いた弊機は、ステーション内で何者かの他殺体に遭遇する。連合の指導者メンサー博士をつけねらう悪徳企業グレイクリス社とかかわりがあるのだろうか? 弊機は警備局員インダーたちとともに、ミステリー・メディアを視聴して培った知識を活かして捜査をはじめるが……。ヒューゴー賞4冠&ネビュラ賞2冠&ローカス賞3冠&日本翻訳大賞受賞の大人気シリーズ、待望の第3弾! シリーズ短編2編を併録。/【目次】逃亡テレメトリー/義務/ホーム――それは居住施設、有効範囲、生態的地位、あるいは陣地/解説=勝山海百合
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Posted by ブクログ
弊機のご帰還というだけで星5確定。
弊機視点で物語を見てるから、人間が警備ユニットだとわかった途端に襲ってくるところとか怒りが湧くが向こうからしたら相当な恐怖なのか。
それにしても弊機が周囲の信頼を得るためには一人ひとりが窮地に陥ったところを救わなければ無理なんじゃという感じ。無茶言うな。
ジョリーベイビーに苛つくところも良かった。
プリザベーションの善性が羨ましい。
ご飯と医療が保証されてて通り魔という言葉がわからないなんて楽園だな〜。
この本を読んだ上で改めてネットワークエフェクトの序盤を読み返すと見方が少し変わりそう。
SFの知識がないので想像できない所も正直あって、ラノベばりにイラストが挿入されてると嬉しいという気持ちはあります。
今後3冊と言わず30冊くらい刊行されてほしい。
Posted by ブクログ
相変わらず可愛かった、弊機。そして面白かった!
タイトルの「テレメトリー」の意味が良くわからず、解説を読んでもあんまりピンと来ず。バリンの暗喩と思うと、ミステリ的タイトルでしっくりくるかも。
警備ユニットが能力を活かして殺人事件の捜査をするっていうのもミステリファン的に楽しかったけど、謎解き要素はそこまででもなく。警備ユニットをその過去故に警戒して忌まわしく思っていた人間が、物語を通じて少しずつ警備ユニットを理解し、最後に打ち解けて終わるっていうこの物語の流れが好きだな。お約束的かもしれないけど。弊機に対して保護者のような視点になってしまうから、ああよかったね、本人(本機?)はそこまでうれしそうでもないのがまたおかしい。今回の締めの台詞ではこれまでよりもっと人間と打ち解けてて、それも保護者的にほっこり…。
物語の前日譚的な二編もとても良かった。
このシリーズ全体の前日譚『義務』は、物語以前のマーダーボットの働きぶりが見えて楽しいし、メンサーとの物語は、『逃亡テレメタリー』のというより『ネットワーク・エフェクト』の前日譚といった感じが強くて、アメナとの物語の前にこんなことがあったのねと思うとより一層弊機を愛おしく思える。
まだ続編が出るみたい。楽しみだな〜。
Posted by ブクログ
はい、今回も可愛いマーダーボットくんの活躍記。
時系列的には、『ネットワーク・エフェクト』の前ということです。オチはなるほど、悩ましいなあと思ってしまいました。短編集という形で、二つ目のある過去の人とのかかわりの一場面も、メンサー視点の三つ目も好きでした。
「こちらもでくの坊はやめます」
「警備ユニットは僕の頭の上を跳び越えて走っていったんだよ!」
「必要なら抱きついてもかまいませんよ」
さらに三冊は出るそうなので、本当に楽しみ笑!
アニメ化、しないんですか?シリーズものに向いていると思うのですが。。