あらすじ
プリザベーション補助隊の事件をきっかけに保険会社の業務を離れた“弊機”は、強化人間を装いながら自らの大量殺人事件の真相を求め、企業リムを旅する。なぜかトラブルに巻きこまれどおしの弊機は、出会う人間たちの行動に苛立ちながらも、しだいに芽生えてくるさまざまな感情に戸惑う。そんな中で、人類の宇宙進出以前に存在した異星文明の遺物をひそかに発掘・独占しようとしている悪徳企業グレイクリス社の策動が浮かび上がる。弊機はメンサー博士のため、惑星ミルーのテラフォーム施設に潜入を試みるが、そこにはまたしても未知の危険が!/解説=渡邊利道
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Posted by ブクログ
行く先々でトラブルに巻き込まれて、全く人間はもう!ってため息つきつつ守る弊機が愛おしい。終盤で博士に吐露してしまう心の内も、居なくなろうと思って留まっていたり、思春期の若者のようで、とても愛らしい。
Posted by ブクログ
自分が起こしたとされている過去の大量殺人事件の真相を知るため、強化人間のふりをしながら旅を続けていく弊機。その過程で上巻の顧客、メンサー博士の助けになりそうな証拠を掴むため目的地を訪れる調査隊の警備役として潜り込む。ここで出会った人型ボットのミキが人間と対等な関係を築いているのにイライラするの、それ嫉妬だよねと相変わらずいじけ気味の弊機可愛い。メンサー博士達に再会する時の後ろ向きさが特に。でも危機に対しては優秀に対応する姿は格好良い。相変わらず場面設定の説明がないので想像つけにくいけどそういえばこれ弊機のダイアリーだしそんなもんだで読み進める。道中の経験からちょっとずつ人間に対して心を開いていく姿にはつい怖くないよー、と声かけたくなった。弊機嫌がりそうだけど。しかし皆言うけどこの一人称「弊機」の訳は秀逸だ。
Posted by ブクログ
シリーズ第3話、4話収録。第1話の事件に関係する調査のため弊機は惑星ミルー星へ行き、証拠集めをする。その証拠を手渡しするためメンサー博士のところへ向かうが、ニュースで博士の所在が確認できないことを知る。第1話の仲間たちと合流し博士の奪還に向かう。
主人公である弊機、相変わらず人間との関係はあまり得意ではなく、人間に触れられることを嫌っているものの「まあ、どうしても必要なら弊機のことを抱き締めてもらっても構いません」って(笑)。超優秀な警備ユニットであるが、精神年齢は男子中学生並みか。人間と深く関わる場面を避けるようなところがあったのが、4話ラストは従来と少し違う流れになりました。入れ物はSFだけど、この物語で描かれているものは人と人との関わりですね。
Posted by ブクログ
「まったく人間何してんだよ」やれやれという、「弊機」の心の声と実際に繰り広げられている事態のギャップがなんとも可笑しい。
対人恐怖症のアンドロイドっていままでよんだことないので楽しかった!続編もさっそく購入ポチりました!
Posted by ブクログ
さて第三話。第一話で敵対していたグレイクリス社の陰謀の証拠を掴むために、弊機が惑星ミルーへ向かうところから始まる。
警備ユニットであることを隠しながら、色んなシステムをハッキングし、周囲を監視するとともに自分の痕跡は消しながら行動する姿は、そこらのスパイも顔負け。
密航した貨物船で一緒に来た調査隊の一行を助けざるを得ないシチュエーションになるが、人間たちの行動に苛立ち、彼らに同行する人型ペットボットに対しても心を乱しながら、次第に芽生えてくる何とも言えない感情に戸惑う弊機が面白い。
誰もいないはずのテラフォーム施設に潜んでいた戦闘ボット・戦闘ドローンとの闘いや胡散臭い警備員コンサルタントを出し抜きながらの脱出劇が続き、一難去ってまた一難に最後まで気が抜けず(それぞれの思惑が交錯して何だかややこしかったが、グレイクリス社が悪いことをしていることは分かった)。
あんな風に動くと思わなかったペットボットの最後の行動が泣ける。
第二話と第三話で掴んだデータをメンサー博士に手渡すため、弊機が再び貨物船に乗ったステーションに戻ったところから始まる第四話。
しかし博士は所在不明になっており、どうやらグレイクリス社の本社があるハブステーションに連れ去られたらしいことを突き止める。
ステーションやホテルの警備資源をグレイクリス社が全て買収済みの完全アウェーの中、博士を救出にきたメンバーとともに“最悪一歩手前の作戦”で博士を奪還した後は、パイプ式列車、ポッド、自動キャリアなどを乗り継いでの逃走劇。
戦闘警備ユニットに殺されそうになったり、ようやく追手を逃れたシャトルが砲艦に回収されてからも艦のシステムに侵入されての危機一髪に、最後まで息がつけず。
その再会の中で、あれだけ人間と目を合わせて話をするのが苦手なだった弊機が博士をまっすぐ見つめ、『まあ、どうしても必要なら、抱き締めてもらってもかまいません』と言ったり、敵を欺くためとはいえ手を握ったりで、微笑ましく。
終章、また、どこかへ行くのかと心配したよ。自分がなにをやりたいのか、考えるあいだの居場所ができて良かったね。その内、続編も読みます。
Posted by ブクログ
解説を読んで驚愕。弊機って「彼女」なのか?!
っていうか性別なんかいらないじゃん。警備ユニットなんだからさー。
何はともあれ、次の作品が読みたい。