あらすじ
行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る、美人刑事・楯岡絵麻。その手腕から“エンマ様”と呼ばれる。離婚した元夫に刺されたという被害者女性の証言により、被疑者の取調べに当たった絵麻。しかし、ふたりの娘が三年前に殺されていた事実を知った絵麻は、筆談でしか応じようとしない不可解な行動をする被疑者から、ある可能性を感じ、後輩の西野とともに調査に乗り出すと……。
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Posted by ブクログ
今回も面白かった。先生の事件に蹴りが一応ついたことになってどんな事件が?と思ったが、刑法39条関係がメインテーマ。
まずは後妻業っぽい被疑者の話。しかし楯岡が担当するのは妻ではなく、実行犯かと目されている妻の弟。何に嘘をついている?
次は離婚した妻を刺した元夫の事件。元夫がかつて巻き込まれたと思われていた娘の殺人まで自供する。筒井による完落ちかと思いきや夫婦には目的があって…
3つめは佐村河内さんを彷彿とさせる事件。詐病は可能か?という話から詐病を騙っているのは誰?という話。
4つめはずっとバックグラウンドで進んでいた話が表に出てくる。この閉鎖病棟にはなにがある?
最後、また犯人死んで終わりか?と覚悟していたので生きててほっとした。自分が事件に巻き込まれて相手が39条で罪に問えなかったら?それが詐病だったら?疑わしきは被告人の利益に、意志なき行為は罪に問えない、納得できるだろうか。
Posted by ブクログ
楯岡絵麻シリーズ第3弾。
3つの短編を経て向かうは詐病で入った犯人に支配された精神医療研究センター。その犯人八坂と対決するストーリー。
子供を殺された夫婦の復讐計画から始まり。職員にとって生き地獄となってしまった医療センターの実情。
地獄から解放されるために影で練られた計画。
それぞれが生きるために味方も利用し行動する様は、極限まで追い込まれた人間心理を見ているかのようでした。
現実には信じられない。フィクションである事を切に願う。
そんな後味の悪さを残した作品でした。
Posted by ブクログ
「目は口よりもモノをいう」
一戸建て住宅の火災現場から住人一人の遺体が発見される。しかし火災発生前には殺されていたことがわかり,放火殺人としての捜査が始まる。生命保険がかけられていたため,受取人である妻に疑いがかかるが。
「狂おしいほどEYEしてる」
路上で刃物を持った男に女性が刺される事件が発生。犯人は女性の別れた夫であることがわかるが,男は取り調べで意味不明の言動を繰り返すばかり。この男の刑事責任を問えるのか。
「ペテン師のポリフォニー」
世間で注目されているクラシック作曲家を取材していた記者が殺された。重要参考人として作曲家本人が取り調べを受けるが,彼には鉄壁のアリバイが。
「火のないところに煙を立てろ」
39条絡みで指定医療機関で医療観察を受けている殺人犯を絵麻は詐病と断定し独自に捜査を始めた。果たして本当に詐病なのか,それを証明することはできるのか。詐病であることが判明した場合は一事不再理の原則はどうなるのだろう。しかし操作が進展するに従って信じがたい事実が明らかになる。
Posted by ブクログ
行動心理学的な視点から犯人、特に嘘をついているかどうかを見極めるノウハウ的なものや、逆に読み取れるからのミスリードもあったりと、ベタなだけの展開ではなく面白かった。
ただ小説なので人の行動を文章に落とし込まないといけないので、人の動きを読者が読みとりにくかった。
また、心理学を使い、人の行動を誘導するところは、面白いと思いつつリアリティに欠ける部分はあった。
Posted by ブクログ
シリーズ三作目。
今回も面白かった。
一つ一つの章が繋がってて読みやすかった。
医療施設が牛耳られている事実も驚きであった。
楯岡が人質に取られたさいに言ったセリフを西野が読みといた解きはさすがパートナーやなあ思った。
Posted by ブクログ
楯岡・西野ペアに筒井・綿貫ペアもあわさり、連携プレーで事件解決に導くのが面白く、読み応えがあった。
犯人の意思で行動していると錯覚させながら自分が望む選択をするように思考を制御する楯岡絵麻の術は流石の一言。