あらすじ
ばいばい、恋した一度きりの夏。
「ばいばいみんな、また二学期にな」
それぞれの思いが花火のように夜空を染めた夏。
少女たちは、再び手を伸ばす。
心の奥に沈む、大切な月を掬えるようにと。
熱く駆けぬけた季節を終わらせ、もう一度歩き出せるようにと。
終わりはきっと、なにかの始まりだから。
短夜を彩る珠玉の「長篇」集。
――だから、ばいばい、人生で一度きりの夏。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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Posted by ブクログ
色々あった夏に終わりを複数のヒロインの視点から語る長編集^^
四つのエピソードが入っている。
一作目は色々あった夏の原因だった夕湖と多分彼女を一番意識している悠月とのお出かけ話。
夕湖は告白失恋を経て明らかに次にステージに進んでいて、それを感じた悠月にはそれこそ色んな想うところがあるわけで、いやあ、青春だなあ。
そして切ないなあ。
みんな優しすぎるよなあ。
ある意味なずなのあっけらかんとした言動が救いになってるんだよね。
二作目は明日姉の憧れの職業体験エピソード。
これも憧れているからこその、明日姉の悔しさが胸に響いてきた。
そして登場した大人たちがみんな優しくて本当の意味で大人で、明日姉にはいい経験ができてよかったねと言ってあげたい。
三作目は優空ちゃん。
勇気を出してデートに誘ったのに、結局いつもの買い出しの方が安心するんだよなあ。
それでも、その場所に彼女の居場所があるよといわれることは嬉しいだろうなあ。
それにしても優空のお父さんに対する朔は男前すぎるだろう!
そして四作目は元気娘の陽。
だけどそんな彼女が恋とバスケの間でモヤモヤした気持ちを抱えているとは、やっぱり女の子だね!
でも、バスケ勝負で朔のことをけなされてからの彼女は、それこそ少年マンガの主人公のように熱く熱く戦っていた。
うん、やっぱり、陽はそうじゃなくっちゃ。
みんな青春のまっただ中にいる!
眩しくて尊くて苦しくて切なくて、でも、やっぱりいいよなあ。
どのお話も甲乙つけがたい。いい話だった。