あらすじ
私を見つけてくれて、ありがとう。
すべては変わってしまった。
唐突に、劇的に。どうしようもないほど残酷に。
けれど、ひとりで塞ぎ込む時間を、彼女は与えてくれなかった。
「あの日のあなたがそうしてくれたように。今度は私が誰よりも朔くんの隣にいるの」
――1年前。まだ優空が内田さんで、俺が千歳くんで。
お互いの“心”に触れ合ったあの日。俺たちの関係がはじまったあの夜を思い出す。
優空は言う。
「大丈夫、だいじょうぶ」
月の見えない夜に無くした何かを、また手繰りよせられるというように。
……俺たちの夏は。まだ、終わらない。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
夕湖の告白から加速してしまったチーム千歳のすれ違い。誰かのトクベツになんてなりたくないと思っていた女の子と、フツウに傍に要られたらそれでいいと思っていた女の子の、ずっと胸にしまっていた醜い心が曝け出される展開に惹き込まれました。
夕湖を想い続ける海人の真っ直ぐさやかっこよさも、熱血になりきれない自分に苛立ちを覚える和希も、相互理解をしてこいとかつて言われた言葉を投げ返す健太も、皆かっこよかったです。
そして、これから愛され方は知っていても、愛し方を知らない千歳がどう女子たちに向き合っていくのか? それに注目をしていきたいと思います。爽やかかと思えば泥だらけで、冷たいのかと思えば熱くて、かっこいいのかと思えばかっこ悪い、そんな青春を楽しませてくれてありがとうございました!
Posted by ブクログ
5巻の続きが気になり過ぎて一気読み。まさかあの告白にこんなにたくさんの伏線が隠れていたとは。途中ミステリーかな?って思うぐらい最後は本当にワクワクした!最高でした!
Posted by ブクログ
乗り越えた。
あの衝撃的な出来事を全員で乗り越えた。
朔、優空、夕湖が中心ではあるけれど、チーム千歳の面々も感情をあらわにして思いをぶつけ合う。最後はちゃんと話し合うことの重要性が説かれていて、健太の1巻からの成長も飛び出し、大団円へと結びつく。
恋愛においてこんなにも思考して、言語化して、そしてそれを3者が理解するなんていう奇跡を目の当たりにして呆然とした。
本当に乗り越えてきたとは…。
二度と来ない17歳の夏を越え、皆の二学期が楽しみだ。
Posted by ブクログ
優空がメインの巻。母親がいなくなったことにより心に蓋をしていたけど、朔によって破られる。あまり比べるものではないかもしれないけれど、朔に救われた度合いの大きさは優空が一番なのかな。
夕湖を元気づける海人もかっこいい。自分の好きな人が好きな人の話をされるっていうのはかなり辛いはずなのに。
みんなそれぞれの思いを抱えていて、青春だなぁ。こんな学生時代を送ってみたかった 笑
Posted by ブクログ
青春だよなあ。青春だ。
前巻、夕湖の告白と朔の返答で決定的な亀裂が生じたあとのラストでの優空の登場が、なんだか最後にやってくるヒーローみたいだなあと思ったんだけど、いやあ、間違ってなかった。
この巻でのヒーローはまさしく彼女だ。
それはいつもなら朔の役回りなのだけど、さすがにへたれた朔にはそんなことは出来ず、朔と夕湖を救うことが出来たのは普段控え目に笑っているうっちーだけだったのだ。
彼女だけがみんなの前で告白した夕湖の本心も、それを断った朔の真実も最初から分かっていたんだ。
クライマックスの三人の告白場面が圧巻。
二人の隠していた本心を、それを分かっていた彼女だからこそ告白させることが出来た。
それも彼女が話すのではなく、ちゃんと本人に話させるとか、そのやり方が朔に似てるよなあ。
回想の中で岩波先生が優空と朔が似ていると話す場面があるけど、なるほど似ているなあと思った。
そんな二人に対して彼女は怒っていた。
誰かのために自分の気持ちを押さえつけることなんてする必要ないって。
それは彼女自身に対する叱咤でもあったのだろう。
だからこそ彼女だけが、ふたりをまた向き合わせることが出来た。つなぎ合わせることが出来たのだ。
読む前はこの亀裂の行き着く先はどこへ落ちていくのだろうかと危惧していたけれど、互いに本当の気持ちをさらけ出すことで再び結びついたのだ。
でもそれは前よりももっと強い絆だろう。いやあ、青春だよ。
朔がヘタれている間、それぞれの女の子がそれぞれのやり方で彼を勇気づけようとする様はなんかみんな意地らしくて温かで、でもちょっと朔にむかついた。
こんなにみんなに心配されているのに、さっさとしっかりしろよと。
それにしても朔のまだ誰も選べないからと言う理由のなんと贅沢なことか。いやもう、さっさと爆発しろ!
それに優空ちゃんの過去話を読んでて、ほんとに朔は誰彼かまわず救っちまうんだなと。
そして互いに欠けた穴を埋められるようなひとになろう、なんてそれはほんとプロポーズだから!
苦しくて哀しくてそれでも大切な大切な彼らの夏が終わった。
でも彼らの明日は続いていく。
その先もまた楽しみ。
人を好きになるということ
前回の5巻の終わりからどのような展開にもっていくのか楽しみにしていた6巻ですが読み終わると想像を遥かに超える内容で心が揺さぶられまくりました。
流石にこの6巻は感想を語るのも野暮な気がします。
読んで下さい!
そして感じてください!
活字を読んで頭で再生された物語が濃密すぎてパンクしそうです。
ひとつだけ言えることは著者も後書きに書いてましたがこの夏の終わりに読むべきということだけです!
最高の夏の終わり
ほんま最高だった。発売日深夜1時から読み、終わって6時になって空が明るいのを見て驚愕してた。
じっくり読んで欲しい、これから読む人にはこの言葉を忘れないで欲しい