あらすじ
あるところで泥棒が捕まった。それは単なる泥棒だったのだが.問題は「屋台」を引いて盗む先を物色していたことだった。ほかにも屋台泥棒はいるらしい。屋台全部が容疑者ということもあって奉行所も手をこまねいていた。事件が大事になると「屋台自体を禁止」となりかねないからである。そんなとき.月也のもとに深川の屋台を束ねる「永代の甚吉」という親分が尋ねてくる。屋台泥棒のことは屋台の人々としても解決したいということだった。奉行・筒井政憲は.沙耶に屋台を引かせて犯人をさぐることを考える。そして沙耶が選んだのは「握り寿司」の屋台であった。男装の沙耶が月也とともに屋台を引く。牡丹とおりん。おたま.音吉が手伝うということになった。泥棒は盗賊とちがって単独犯である。しかし単独犯でも複数いればもはや集団といっしょであった。しかもちょっと屋台を休んでいる間に盗んでいるようなのである。現場を押さえるためにも屋台を引くしかなかった……。
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Posted by ブクログ
甘ちゃん旦那十二作目。
泥棒がいるんだか、いないんだか、
捕まえたいのか、捕まえたくないのか、
屋台の泥棒を調べろと漠然としたお役目をいいつけられたのは、
岡っ引きの親分にも「ぼんくらの旦那」と言われてしまう月也。
そういえば、「華屋与兵衛」というのが、
ただのファミリーレストランの名前ではなく、
江戸時代の実在の人物で、
江戸前の握り寿司の考案者とされているのは、
結構、最近知った。
その握りずしではないが、今回は「夫婦寿司」として屋台を出すことに、
ただし、夫は沙耶で、妻は牡丹。
寿司に合うまずいお茶を売ろうと、茶問屋がからんでくる。
なんだか誰が悪いんだか悪くないんだが、
みたいなぼんやりしたお話だった。
Posted by ブクログ
このシリーズは何しろ軽く気安く、微笑んで読めるから、料理の箸休めのように、合間に読むにはもってこいの作品。
夫婦愛も微笑ましいが、それを囲んだ友人たちも、いい人ばかり。
実際は江戸時代には、このシリーズほど女性は生きにくいのかもしれないが、この本の中では、気持ちの良い空気感が独特の雰囲気を作っている。
作品が回を重ねるうちに、ますます江戸文化を詳しく取り入れていて、江戸レシピの数も増え、そんな意味でも面白い作品です。
Posted by ブクログ
のんびりな月也と妻沙耶の夫婦同心が、屋台泥棒の検挙に乗り出す今巻
難しいトリックなどは無いけれど、沙耶の奉行所筒井&伊藤への推理が冴えてました(笑)
月也さんがもう少し活躍してくれたら嬉しいな〜
この緩さが良い
人が良くて、のんびり、おっとり、手柄とは、縁がないけれど、妻の手料理を食べているだけで、幸せを感じてくれる夫。妻も、それに満足している。そういう夫婦も良いかも。