【感想・ネタバレ】憑き御寮 よろず建物因縁帳のレビュー

あらすじ

職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが――!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「御寮」は「御料」だと思っていたが、どちらの表記でも同じ意味のようだ。
寮の時から、建物を想像していたが、中盤に「ごりょうにん」の表記が出てきて気づいた。
他にも読みづらい名詞が所々に出てくるが本シリーズではいつものこと。

本作はよろず建物因縁帳シリーズの三作目に当たるが、シリーズが進んでもその面白さが失われていくことはない。
シリーズが進んだことで、主要登場人物の春菜は怪異に対して変な否定をしなくなり(;本文中に認めざるを得ない旨の説明がある)、無意味な抵抗をしないことで物語がスムーズに導入されていくことになった。
一作目に感じ、楽しんだ、建物の中の不気味さの表現は健在で、本作では一作目と同じ”蔵”を舞台としながら、全く異なる恐怖心のあおり方をしてくる。むしろ舞台は、蔵というよりは屋敷というべきか。

一人で夜中に呼んでいると不意に部屋の扉が開きそうな、後ろに人が居そうな、怖さを味わえる。
作者がデザイン事務所を経営しているためか、文化財の展示や企画、工事などが毎回細かく描写され、物語の隅に入り込んでくる。これが良い意味のフレーバーとなって物語と読者の現実世界とをつなげ怖さの元になっていると感じる。
前2作で少し不満であった容量の少なさ(200ページ程度だったか)が今作では解消され(300ページくらいになっている)、しかし、冗長では無く楽しめた。

本作の因縁を祓う(封じる?)シーンは、相手が強力なためか過去作よりも緊迫感が強く、また、私自身が周りの寝静まった夜中に読んでいたこともあって、自分も儀式に参加しているような緊張感の中で一気に読み抜いてしまった。
緊迫した因縁祓いの後は、穏やかな、しみじみとしたエピローグがあり、心を和ませ、穏やかで幸せな気分で読み終わることができた。

0
2024年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2018/3/28
これはおもしろい。
仙龍がかっこよすぎる。
春菜もかわいくて、彼女持ちじゃなくてよかったねぇとニマニマしてしまう。
そしてパグ男にはもっとひどい目に遭えとついつい呪ってしまう。
完全に思う壺やん。
こんだけキャラを愛してしまえばもう後は何やってもOKなんだけどお祓いのほうも先が気になるおもしろさなのよね。
コミック化すればいいと思います。
かっこいい仙龍を絵で見たい。

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2018年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

御寮というのは建物のことではなくて、裕福な家庭の妻や子女を指す古い言葉でした。寮が舞台だとばかり思ってた勘違い!
シリーズ三作目でしたが、面白かったです。じっとりとした不穏な湿り気を帯びながらも、艶やかで美しいイメージが終始散りばめられていました。紅葉に彩られた庭園の風景、秋の月夜、絢爛豪華な着物、婚礼のしつらえ、などなど。描写に艶があり、リアルなので、読んでいて目にも愉しい感じです。
民俗的な事柄を作中にふんだんに取り入れているのも、興味深かった。奉公人の暮らしぶりや、憑き物筋のあたりなど、特に。
主人公と仙龍の関係が少女漫画の王道パターンを彷彿とさせ、若干気恥ずかしくなったりします。

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2018年02月07日

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ネタバレ

このシリーズ面白いなぁ。
怖いんだけど、物悲しくて。
それにしても長坂…完全にやらかしてるじゃん。しかも熱出したのも呪いじゃなかったし。

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2022年11月06日

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ネタバレ

今回はいままでとすこーしだけ違う、浄化ではないのかとどんな展開になるのかと楽しみにしていたけど、春菜が予想通りの動きと展開ででちょっと微妙。
サニワがなんなのかそろそろ明かしてもいいのでは??
マサとりんの確執がこわい。
そしてりんはなぜ、そこまで義妹に執着したのかがよくわからない。
姉妹だったのに、片や贅沢な暮らしでわがままなお嬢生活と自分の生活の差が許せなかった?でもヨノもりんを恐れてたみたいだし、うーん。

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2021年12月22日

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ネタバレ

シリーズ3作目。

なぜ「りん」の印を入れるのかは分からなかったような気がする。
マサはいい人間だったとは言えないけど、だからといってああいう最期は可哀想。

恋愛物語が読みたいわけではないので、主人公の全方位への嫉妬心が鬱陶しい。

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2021年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「鬼の蔵」「首洗い滝」に続くシリーズ第3作。

順番を無視し、本シリーズにハマるきっかけとなった「魍魎桜」の次にのめり込み、恐怖を感じた一冊でした。

まだまだ未熟な私には物語の舞台となる豪商・藤沢本家にまつわる人物の相関関係が理解し難く、おそらくそれ故の☆4つ。

しっかりとした恐怖を味わえた分、自らの読解力不足が悔しくてたまりません。

藤沢本家に纏わる女性の呪い。

そこに隠された複雑な人間関係と哀しき歴史。

そんな呪いを断ち切るべく、今回もいつものコンビ(春菜と仙龍)が自らの命をかけて立ち向かう。

いやぁ、久々に恐怖を感じながらもページを捲る手が止まりませんでした。


説明
内容紹介
職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが――!?



因縁物件専門の払い師・仙龍
VS.
永遠に祓えない『死の花嫁』

恋敵は怨霊!? 恐怖と恋の怪異譚。

職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが――!?
内容(「BOOK」データベースより)
職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった!仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるが―!?
著者について
内藤 了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。ほかの著作に『ゴールデン・ブラッド GOLDEN BLOOD 』(幻冬舎)。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内藤/了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2021年08月31日

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ネタバレ

今回は嫉妬と妬みがメイン感情ですかね。
春菜がちょっとずつ自覚していく感情とリンクしているので、呼んでいて感情移入しやすいかんじがしました。

因果で結ばれた縁、解くのは容易ではないですね。

憑き物筋の解釈は面白いなぁと思いました。
今だから科学的に分かっている事でも、昔は理解不能な事ばかりで神やモノノ怪の領分。
差別や迫害の悲しい歴史ですね。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

狐憑き。

豪商の娘マサと従姉妹のりん。2人は大層な美人だったがお互いがお互いの存在を認めなかった。ライバルと言えば聞こえがいいがそんな生温い関係ではなく、嫉妬、妬み、嫉み、憎み合う。

そんな時、狐に憑かれたと噂が立ちマサは祝言前に祈祷師の詐欺に遭い本当に気が触れてしまった。その怨念が仙龍を襲った

とまぁ〜こんな感じなんですが、やっぱり一冊目は越えられない。

女の争いとかは現代でもありますしね。
女が怖いのなんて分かりきってますから。

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2022年03月25日

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