あらすじ
リディアがオーロラの妖精(フィル・チリース)の刃の魔力によって受けた傷を治すためには、エドガーから離れ、マッキール家の島に3年間暮らさなければならない…。傷を治す秘薬を手に入れようと、エドガーは危険を承知であるじの眠る島に近づく。離ればなれになった二人は互いを求め合い、夢の世界へと導かれるのだが。こんなにあなたのことが好きだったなんて…! 高まる気持ちと残酷な現実のはざまで二人は!? ※あとがきは収録されていません。
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スコットランドのエジンバラ近郊の町に住むリディアは、妖精について何でも知っているという妖精博士(フェアリードクター)の看板を掲げて、妖精がらみのあれこれを解決する仕事をしようとしているが、産業革命によって街灯が輝き、鉄道が走るようになったヴィクトリア朝のイギリスでは妖精はすっかりおとぎ話扱いで、村人から変わり者の娘として遠巻きに見られるばかり。ある日、ロンドンで博物学の教授をしている父からイースターを一緒に過ごそうと誘われてロンドンへ向かうものの、途中でトラブルに巻き込まれて知り合ったエドガーという男性から、自分が妖精国に領地を持つ伯爵家の子孫であることを証明するために力を貸してくれと頼まれ、フェアリードクターの仕事として引き受けることにするが…という形で始まる長編ファンタジー小説です。
妖精が見えることで人間とうまくやれないリディアと貴族らしい見た目と言動にもかかわらず闇を抱えているエドガーが、徐々に明らかになる彼の過去や妖精の絡む事件などを通じて、本当に少しずつ心を通わせていく描写が細やかで、読んでいてグッときます。主人公以外の登場人物も個性豊かで、かなりの長編にもかかわらず、スムーズに読み進めることができますが、先が気になり過ぎて夜更かししてしまうかも。個人的には、鉱物好きにもオススメしたいお話です。
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Posted by ブクログ
「紳士の射止めかた教えます」に収録されてたリディア両親の素敵な馴れ初めから続くスコットランド編(マッキール家編?)もこれでようやくひと段落。
婚約後はすっかりリディアが素直になっててかわいいことこのうえないんですけど、この巻のラストのリディアが本当にかわいくて、読みながらついニヤけちゃうくらい。
本編のここ3冊くらい、加速度つけて突っ走ってたエドガーもやっと立ち止まり、リディアもエドガーのことがどれくらい大切かやっと気がついて信じられるようになって、ふたりの気持ちがほんとにぐっと固い絆で結ばれたなーと。
この先も楽しみ^^
Posted by ブクログ
あとがきにもあったように、取りあえずは一つ落着
ただ相手を思って、辛いことを決意して行動する二人がすごいと思う
彼となら落ちてもいいと思えるリディアもすごいけど
彼女が一緒に落ちてしまうかもしれないと思ってもリディアと一緒にいることにしたエドガーも
こうして書くとエドガーが悪い感じがするけど、実際はお互いがお互いを求めたが故で、エドガーのこの選択もすごく辛いものだと思う
相手の幸せを思って身を引くのも、相手と居られるなら一緒に落ちてもいいって思えるって本当にすごい
これから何があっても、二人一緒なら、一緒に居られるだけで安らぎを与え合って、幸せを感じていけるんじゃないかな?
ニコが三度目に手を取った人間はレイブンだっていうシーンの挿絵が好き
相手が遠くへ行っても、亡くなっても、その人との思い出はいつまでも残って、ニコの言うように寄り添っているんだよね
ニコとレイブンの距離がどんどん近づいていて嬉しい