【感想・ネタバレ】前科者 1のレビュー

「おかえりなさい」
そう言って、あなたの帰りを待っていてくれる人はどれくらいいますか?
これは一度、罪を犯してしまった・道を踏み外してしまった「前科者」に
社会更生の橋渡しをする保護司のお話。
一度の過ちだけでも社会から煙たがられ、立場の弱くなってしまう現代社会構造。
0からのスタートではなく、マイナスから0にするために
彼ら保護司は奮闘する。一切の報酬なく、ボランティアで。

一銭にもならない仕事でも、怖いもの知らずだと言われても、
「きれいごとが言える間は、きれいなその部分で人と接したい」
という彼女に圧倒されます。

保護司制度の存続が危ぶまれている今、保護司に求められている姿とはなにか?
社会の在るべき姿を考えさせられる一作です。

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更生を支えるひと

犯罪を犯した人が更生できるように生活を支援したりする「保護司」の仕事をしている女性と、彼女が関わる人たちの人生を描いた作品の第一巻。
主人公の阿川佳代(あがわかよ)はコンビニや新聞配りのバイトを掛け持ちしながら保護司の仕事をしている。
国家公務員である保護司だが報酬はなく、民間人の奉仕精神だけで行うボランティアである。
佳代は大学卒業後就職した所がブラック企業で就職して5年目で体を壊して入院してしまった。
大学時代の奨学金は返し終えたが、入院・治療費はまだ返し終えていないので掛け持ちをしている彼女がなぜか無給で保護司の仕事をしている。
そんな佳代の元に今回来たのは恋人の女性をレイプされた怒りからその加害者である兄を殺害した男・石川の保護だった。
石川を迎えて彼が社会復帰できるように一生懸命接する佳代だが世間の冷たい目や、犯罪を犯した人間ならサンドバッグにしてもいいという悪意が石川を苛む。
結局うそを彼に吹き込みバカにしていた男を刺してしまい刑務所に逆戻りしてしまったが、恋人が辛抱強く彼に向き合うと固く決意したのだった。

世の中こういう仕事もあるんだという驚きと、社会からの目で居場所がないと感じて犯罪を犯さざるを得ない人がいるなかでこの仕事を奉仕の精神でやっている人がいるからこそ更生できるんだと思うと胸が熱くなった。

#切ない #感動する #エモい

0
2021年06月05日

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人間の業とか

主人公の境遇、今時の若い人には普通に近いかも知れません。保護司の連作集で、この1巻で1つの大きなエピソードになっています。
殺人事件の動機って概ね怨恨・金銭・愛憎のもつれでしょう。この巻に出てくる殺人犯も同様で、仮釈放にはなったものの、周囲の無理解(明らかに意図的なものもある)や嫌がらせで残念な結果に終わります。
主人公周りのオッサン店長とかも、おそらく意図的にクズっぽい人間にしているのは脚本家等もされている原作者の意図通りなのでしょう。
愛憎のもつれの中心人物となる愛子さんにも色々ありそうです。TVドラマや映画、Amazonプライムで配信されているのも納得の良作で、やはりシナリオが良いのでしょうね。

#ドロドロ #ダーク

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2023年09月28日

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ちょっときれいごと

ちょっときれいごとすぎるような・・・
結局兄そっくりの子供がいるっていう事実には変わりないんだし、事情があったとはいえ、父親だと思ってた人が実父を殺した叔父だったてわかったら子供の衝撃は・・・

2
2021年12月04日

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