【感想・ネタバレ】後宮の烏のレビュー

後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月25日

烏妃の役目、冬の王としての務め、独りで朽ちる定めを受け入れていた寿雪が、幽鬼を祓う仕事を請け負ううちに、独りではなくなっていくという流れが良かったです。後悔や未練を残して死んでいった幽鬼が紡ぐ人情に溢れた物語も良かったです。九九や高峻の不器用な優しさが滲みますね。心を知って変わっていく寿雪を追うこと...続きを読むができて良かったです。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月24日

大好きな中華幻想譚
アニメだけでは登場人物の背景や相関関係が理解できず原作を読むことにした。それで、アニメは原作に忠実に作られていることがわかった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月16日

アニメ前に買ったのに積み続けて、アニメが終わってしまったけれどやっと読みました!

後宮ファンタジーのお話で世界観がとても素敵です。そしてとっても面白い…!
個人的には人物名の馴染みがあまりない上に、皆漢字なので「誰…?」となることもしばしば。

少し不穏な空気と後宮ものでよくある少しピリピリした空...続きを読む気感の中、「娘娘( にゃんにゃん )」って出てくるのが可愛くて癒されました。笑

亡くなった後もあるものに執着する幽霊や、寿雪の孤独、高峻の気持ち、九九の寿雪の役立ちたいと思う気持ちに人間らしさを感じてとっても素敵です。

1巻でわりとほとんどの謎は解けたのかな?と思ってしまいましたが、まだまだ奥が深そうなので読むのが楽しみです!

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月06日

書店にてかなり山積みされていたので、読んでみました。
ライトノベルで、かつ最近流行りの中華風王朝ものですが、そこまで恋愛や安易なストーリー展開に頼らないのは良いと思いました。

雲雀公主が侍女のために薬草を積もうとして足を滑らし、池で溺れて…。愛されていた雲雀が公主を慕って、という逸話が好きでした。...続きを読む

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月18日

この本が出た当初は続編は考えて無かったのか、(背表紙に①って書いてないし)烏妃の過去や烏妃の役割など秘密が一巻で次々と明かされるので、スピード感があった。

昔の言い回しや登場人物・宮の呼び名など、難しい言葉が結構飛び交う。
寿雪の性格が表紙のイメージと違って、ある種活発で優しすぎるところがある。
...続きを読む
一番気になったのは宦官の衛青。宦官が仮にも妃にその態度はダメでは?と思ってしまった。裏で烏妃について探るのはいいけど、烏妃にバレるとは…。普通の宦官ならまだしも、皇帝付きとしては役不足な気がしてしまった。頑張れ衛青!

0

「小説」ランキング