あらすじ
季節は夏。精一杯の勇気で手に入れたのは、「好きな人と普通に話せる」というささやかな「奇跡」。そんな日々がずっと続くようにと願う田中さんに対し、後輩の阿部さんは「恋の終着駅に“このままずっと”なんてないんです」と告げる。脇役同士の恋物語は、「奇跡の距離」のその先へと向かう――。
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アルバイトの面接で名前の「のぶこ」を「モブ子」と聞き間違えられても、「たしかにそうかも」と自分で思ってしまうくらい、脇役でいるほうが落ち着く田中信子、大学2年生。その面接で決まったスーパーでのレジ打ちのアルバイトも、1年ほど続けてやっと少しずつ慣れてきたところ。そして、アルバイトを始めたばかりの頃に困っているところを助けてくれた入江君のことをひっそりと心の中だけで好きでいる。そんな田中さんが入江君と距離を縮めていく様子を、アルバイト先のスーパーや田中さんが通う大学などでの生活と一緒に、大きな事件が起こったりはしないけれど、コツコツと描いているのが本作です。
お話の合間にちょいちょい書き込まれている「モブ子の習性」が、いろいろな場面を的確に表現していて、非常に納得させられます。また、ちょっと多めのモノローグが、田中さんと入江君という主人公2人が初恋に翻弄されながらもいろいろと考えたり悩んだりしている心の中を読者に見せてくれて、自分の初恋を思い出す人も多いのではないでしょうか。
個人的には、アルバイト仲間がみんないい人なのがすごく癒されます。特に、入江君に「誰かの事を考えてニヤニヤしちゃったら それが恋だよ」と言ってくれる金子先輩がいい人過ぎて、イケメンポジションなのにいい人で終わっちゃうのかなぁ…とちょっと心配になったりもしますが、そんな風に優しくてにぎやかな周りの人たちと一緒に、田中さんと入江君の恋の行方を見守りたくなる作品です。
感情タグBEST3
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匿名
三巻目
主人公の田中信子は地味でおとなしく控えめということもあり今までの人生でずっと脇役の感覚で過ごしてきた。
大学に入り一人暮らしをしている彼女はスーパーでバイトを始めて一年になるが同い年のバイト仲間の入江君と少しずつ接点を持つようになってきた。
そんなある日、バイト先の人と水族館に行った帰りに入江君と次は二人でどこかに行こうという話になり映画館と喫茶店に行くという定番デートをした二人。
その後季節は夏になり、数か月前と違って入江君と自然に会話ができるようになっていた。
今のままの距離感で幸せだと思っている信子だが、安部さんから「本当に恋をしているのならこのままなんてありえない」と言われてしまい……。
成就する前のなんともいいがたい甘酸っぱい空気感もとてもいいけど、安部さんの言う通りだなあと思っていたので進展がうれしい。
進行していく2人の距離
それぞれのバイト仲間たちに背中を押されて2人の距離を縮めていく。ここのバイト仲間達がお節介ではあるけどとてもいいことを言ってとてもいいシーンだと思う。
2回目のデートも2人それぞれの視点で気持ちが分かりやすく、共感できる。かなりいいところで終わったので次巻も楽しみ
