【感想・ネタバレ】乙女の本棚6 瓶詰地獄のレビュー

あらすじ

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乙女の本棚シリーズ最新作は夢野久作×「刀剣乱舞」イラストレーターのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です。
浜辺に流れ着いた3通の手紙。そこには、遭難した兄妹の無人島での生活が綴られていた。

『刀剣乱舞』のキャラクターデザインなどで知られ、数多くのイラスト・マンガを手がけるイラストレーター・ホノジロトヲジが夢野久作を描く、珠玉のコラボレーション・シリーズです。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いつだって、二人きり、二人だけが暮らす世界というものは、歪むというのか、美しいというのか、とても特殊な環境にならざるを得ない。二人が男女なら尚更……その環境内において、相手に対して覚える嬉しさや盛り上がってくる気持ちと、背徳感のような、後ろめたさのような、虚しい気持ちと。そして気持ちがいっぱいになったら縋るのは、神様という
とても究極的な世界観だと思いました。(ちょうど今、愛することについて学んでいて、その中で神話からの引用がとても多いので、そういう事を思いつくのだと思います。)個人的にはとても好きです。

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2024年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美しい絵を添えて描かれる悲劇の一端。
純粋に敬虔であったからこそ罪の大きさをより一層、彼は感じたに違いない。
手紙形式で展開される物語のため、その手紙を書く間にどんな葛藤があったのか、想像力が掻き立てられる作品だった。

全て密閉された状態で海洋研究所に送られたのに気づいて、関係者には読まれなかったのか…なおさら悲しいと思ってしまった。

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2021年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過不足の無かったはずの楽園が、時を経て性徴という魔力を前にじわじわと崩壊していく様の、うつくしさと残酷さ。
そして、神の目から逃れるように、救いを投げ出すように目印を倒し聖書を焼いたのに、瓶の中に残されていた手紙に綴られていたのはひたすらに懺悔だった。
そういう歪さに、ただただ感服させられたというか、謎の高揚めいたものを覚えてしまいました。昔の作家はすごい……。

第二の手紙を読み終えた時に、「間に合わなかった」(或いは抗えなかった)ことを示す第一の手紙の意味を知り、締めくくりの第三の手紙で得も言われぬ気持ちにさせられる構成の巧みさも良いです。
挿絵がまた大変に美しいので、文章だけの本が苦手な人でも読みやすいです。

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2020年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何だか切なくて、可哀想な話だと思った。
せっかく海難事故から逃れて、兄妹2人、南国の楽園のような島にたどり着いて生きながらえたのに、聖書という書物があったからゆえに、ある意味その地で生きるには不要な知識を植え付けられてしまい、悩み苦しむことになってしまったのだ。

聖書を読んでいなければ、一般的な世界でタブーと言われることは起こってしまったかもしれないが、2人とも、そこまで深刻に思い悩むこともなく、楽しい人生を送れたのではないか。二度と元の社会へ戻れないのであれば、今いる土地で幸せに生きられる道を模索することの方が、ずっと良いのではないか、と考えさせられた。

色々な解釈ができると思うのだが、私は、第二の瓶の内容を書いた時点では、2人は肉体的魅力に翻弄されつつも、プラトニックラブの範疇でいられていると解釈した。兄妹とはいえ、男女の肉体美に囚われて、性的に惹かれてしまうことは、そんなにいけないことなのだろうか。聖書を熟知していない私は、この2人は信心深くて偉いなぁと少し不思議に思いつつも感心してしまった。

この本のように、知らなければもっと身軽に、気軽にできることって、世の中にはたくさんあるのだと思う。その人のより良い生き方にとって、足枷となる考え方が、何食わぬ顔でそこら中にゴロゴロ転がっているような気がして、自らを縛りつけている人間の思想とか常識とかが、少し恐ろしくなった。

罪の意識を持って、自戒することは、時と場合によって必要なのかもしれないけれど、いつか死ぬと分かっているこの命を全うする中では、いつまでも自分は罰せられるべき人間と思っていないで、いつか自分を赦してあげるときがきてもいいのではないか。そのほうが楽に生きられるし、前向きに生きて何かいいものを生み出せた方が、生まれてきた甲斐はあるのではないかと、私は思ってしまう。
だから、ここまで思い悩んで苦しんでいる2人を見て、いたたまれない気持ちになった。もう、仕方がないんだから、楽しく生きれる考え方で生きていいんだよ、と言ってあげたい。

夢野久作の作品は、初めて読んだと思うが、初見で読んだだけでは理解できないところも多く、考えさせられてとても面白かった。文章もキレイだし、他の作品も読んでみたい。イラストも悩ましい様子が表現されていて、世界に入り込むことができた。

やっぱり、乙女の本棚シリーズ、最高!
シリーズ制覇できるように頑張ろうと思う。

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2025年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の手紙で二人の関係性がわかって、冒頭の手紙の犯した罪の意味がわかり、こちらまで苦しくなるようだった。幸せが不幸せに転じる楽園。守りたいのに加害してしまいたくなる葛藤。助けが来た絶望。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オッサンだけど読んでみた乙女の本棚シリーズの一冊。ちょっと古い映画ですが「青い珊瑚礁」の兄妹版か。絵がキレイだ。

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2018年10月04日

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