【感想・ネタバレ】双亡亭壊すべし 4のレビュー

あらすじ

双亡亭が見せる恐怖に打ち克ち、
肖像画から生還した凧葉と紅。
絵の奥に潜みながら人間の心身を欲し、
侵入者を人ならざる者へと変える
“奴ら”は一体何者なのか…?
その正体を知る青一は、
緑朗と歴代総理大臣達を前に、
自身の壮絶な過去をゆっくりと語り始める…!!

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2020年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 双亡亭のあちら側から現れる奴らの正体にメスを入れる4巻である。
 これまでのホラーテイストの物語からSFのニュアンスを強める感と言っていいだろう。
 合間に科学者組同士の(乗っ取られた側とそうでない側の)対決を挟みながら、青一が地球ではない場所で45年もの間戦い続けた経緯が語られている。

 侵略者と、侵略者から青一達飛行機の搭乗員を救った星の抗争をメインに描いたこの巻ではあるが、抵抗しない「おじいちゃん」に怒りを教える青一の姿には胸打たれるものがある。
 虐げんとする者どもに対し反抗せよと語る内容もまた、子供たちに向けて反骨を教えるニュアンスを感じるのだ。
 だが、同時にその反抗が45年もの間続く凄絶な抗争となったことも描いている。ここに、読者となる少年少女たちに対し思索を余儀なくさせる物語的現実があるのは味わい深い。

 物語的には合間の巻と言えるだろう。
 ただ、個人的にここで語っている内容に対しては星五つで評価したいと思う。この物語が描く勇気の形が、ここでは簡単ならざる形で描かれていると思うのだ。

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2019年05月08日

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