【感想・ネタバレ】さいはての島へ ゲド戦記3のレビュー

あらすじ

ロークの長としてアースシーを治める大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れをじっと待っているようだと。一体何者のしわざか。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅立つが、なかなか正体はわからない。ゲドは覚悟を決める。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

68歳の老人が読んだ所感
冒険活劇としてはおもしろかったが、「生と死」の問題としての深読みはできなかった。
「日本人が、結局死んでも生きても同じこと、いつ死んでもかまわないとか、金をもうけようが勉強しようが何しようが意味がないから死にたいというような、本当に無におそわれて死にたいと言っているような人間の話は、なかなか西洋人には分かりにくい」と河合隼雄さんが言っていた。
つまり、死の概念が、キリスト教圏と仏教圏とは違うという話で、わらわれは欧米人より死というものを身近に感じているような気がする。深さが違うのかもしれない。われわれはファンタジーを元来もっている国に生まれたともいえないだろうか。

アメリカでは、ファンタジー本は現実逃避の手段で堕落していると映ると、そこが問題なんだとル・グインは他の著作で言っている。しかし、ル・グインにはファンタジー作家というバイアスがかかっているとおもう。
世の中はファンタジーを楽しむ「心に余裕のある層」と「心に余裕の無い層」とが同時にパラレルに同居している思う。それは時間的なズレと空間的ズレで平衡を保たれているのだ。
なんか私の言い回しが「ゲド戦記」になってきた!

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2024年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新キャラ登場です。今回はゲドとアレンの物語。2巻からかなり時が経っていて、3巻ではゲドは大賢人になっている!びっくり。世界から魔法や言葉や光が失われていって、ゲドとアレンがそれを取り戻す話。取り戻すというか、開いた闇へのドアを閉じたという感じです。アレンが旅の始まりの初々しい若者から中盤の反抗期、後半の逞しさの移り変わりが見てとれて面白い。昔のゲド程ではないけど、やはり若者ならではの傲慢さというか、そういった要素をアレンから感じた。最後には、アレンはアースシー全てを束ねる王になることが分かる。ゲドは力を使い果たしてしまったようだが、この後ゲド戦記はどう話が進んでいくんだろう?1〜3巻までは、ゲドの生い立ち、功績、そして「闇との闘い」が描かれていたが果たして。心の闇はどんな崇高で立派な人間でも、一度は持ったことがあるが、それといかに打ち勝っていくかというのは、人類全てのテーマだと思うし、だから何年経ってもゲド戦記は古い物語にならない。と思った。

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2021年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「影との闘い」の次に好きな作品。

生への欲望に飲み込まれた人間・魔法使いが力を失い、世界の均衡を失っていく。死を否定することは生をも否定すること。過去を否定することは未来をも否定すること…。当たり前のことだけど、納得。

ゲドが強くてかっこいい。ゲドへの信頼と猜疑心に揺れながら成長していくアレンも素晴らしい。ゲドが力を失って、カレシンに連れられて故郷に向かうラストは悲しいなあ。

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2013年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語は、アレンとゲドが『アースシーで起きている異変』を突き止めるためにあちこちを旅することで進んでいく。

あちこちの島を巡り、アレンとゲドの敬愛と尊敬が徐々に深まっていき、世界の謎が徐々に解き明かされていく。というのはワクワクするのだろうなと思いながら読んだ。

私、こういう物語にワクワクできない……と自分にがっかりしてしまっている。男たちの男たちによる男たちの物語。
この場合は、せめて世界観だけでも楽しめたら……と思うけど、好みの世界なだけにあれこれ読み過ぎて、新鮮味もなく、この辺りの作品と同じだなという類似点でまとめてしまっている私がいる。
読みすぎ注意。歳をとるってせつない。

なんていうか、どう読んでいいのかわからない。困る作品。
ごちそうさまでした。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまでで1番難解
よくこれを下敷きに映画を作ったなと感心してしまう

大賢人になっているゲドと若きアレンの掛け合いは禅問答のようになることもしばしば
ゲドの人となりが前2巻で分かっているから、ゲドの振舞いに理解が及ぶけど、その前提がなければアレン共々不安の坩堝

映画は前提無しのテルーありのオリジナル要素ありありで、あれは難しいわ

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2022年03月07日

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