あらすじ
北海道を目指し、陸路で旅を進める英国人冒険家のイザベラ・バード。
ついに東北地方へ踏み入った一行は、
日本古来の紙梳きや、火消し、葬式を体験することになるのだった!
激動の東北編スタート!
外国人冒険家と往く、日本。第6巻!
イギリス女性探検家イザベラの大紀行! ~明治日本見聞録~
「明治に」「イギリス人女性が」「蝦夷を目指す」……創作かと思ったらなんと実話を元にした作品!旅は発見や出会いが醍醐味とは言え100年以上前の日本を外国人女性が探検となればカルチャーショックも山盛りです。
様々な作品で舞台になることの多い明治時代ですが、本作の面白いのは都会から離れた奥地の日本が描かれている所。今の日本人でも初めて知る当時の社会風俗が描かれていて、読みながらその時代に思いを馳せてしまいます。
単に「感動した」「綺麗」と賛辞を並べるだけでなく、当時の不衛生な所や文化の違いなども変に美化せず描写されているのが良いですね。旅路は好奇心旺盛な女性探検家イザベラと不愛想な通訳の伊藤が歩みますが、衝突したり分かり合ったり支え合ったりで実に良いコンビです(イザベラの反応もいちいち面白い)
イザベラ著の原作「日本紀行」も是非オススメ、本作と読み比べると楽しさが更に倍増です!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
秋田を目指す新章・東北異聞編スタートとなる6巻である。
浴衣姿のバードさんが麗しい表紙の今巻であるが、シリーズでも随一といっていい濃い内容で描かれた一冊である。
この巻はとにかく濃い。
イトとの別離の可能性を秘めながらの物語のはずが、明治日本に残った江戸の残照を描く内容が実に充実しているのだ。
脚気の治療を研究する西洋医のカヨバシさんとの邂逅から始まり、火事場における人々の振る舞いを見て、その後川に流れている大福帳に関心を持って紙漉きを学びにも行っている。
何より圧巻なのは、後半「六郷①」「六郷②」で描かれたこの頃の葬式の模様だろう。
描写の一つ一つにまでこだわった跡が見える儀式の風景と、人の死を前に人が人を思いやる姿。その両者が丹念に描かれた内容は、本当に圧巻である。
文句なしに星五つ。シリーズの中でも特筆すべき一巻だろう。
もとよりハイレベルな風物の描写が見られる作品だが、特に今回は感じ入った。
ゆっくりペースで構わないので、この質の高いコミカライズを一歩一歩進めていってもらいたいところである。