あらすじ
恒貞親王と知り合った道真は、放免され京に戻ってきた彼の元舎人・伴健岑と邂逅させようとするが――。歴史に振り回された人たちの悲哀を綴る第16巻。
...続きを読む
きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「こんな鬼の真似事などしていては、そのうち自分が鬼になってしまう」
恒貞親王と伴健岑との邂逅の結末。2人とも「一目会いたい」という思いで道真の策に賭けてて切ない。悟ったような…という業平殿の言葉がぴったりでした。
恒貞親王のお話も、その次の小菊さんの事件も、道真が「自分には力が足りない、これからどこを目指すか」を見定め始めるエピソードとして良かったです。
高子さまの、小菊さんの褒め方も良い…!こんな主人、そりゃ慕われます。
道真にあって忠臣さまに無いもの…?わからん、と思ってたらラスト!善男…!!(たぶん応天門の変までいると思うけど)
Posted by ブクログ
伴健岑の史実を絡めつつの物語展開が非常に面白い。
道実が自分で費用を用立てても関わろうとした一件。
わからないがしなくてはならない気がした
自分の中の理に従っただけ
という言葉が響く。
より強い力で脅すなら同じ穴の狢というのもわからなくはないが
腕力に限らず力が強い方が勝つのは仕方ないことだし
だからこそ悪に負けないように自分が強い力を持つ
または強い力を持つものを味方につけるのは間違っていないのではないだろうか。
小菊ちゃんがかわいくてとても良かった。