きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。
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Posted by ブクログ
主上が本当に謙虚な方で、きちんと全ての臣下を
労おうとされるところが素晴らしいだけに
裏で権力者の意のままにされそうで不安になる。
針をなくしたのは良くないが、小さい子をあんなに殴らなくても。時代なのだろうか。
道真が見つからなかった時の為に針を用意していて、
自分もずるい大人の側だったと気がつくのが示唆的。
お祭りでいつになくはしゃいでいる白梅がとても可愛い。
御上は当然良かれと思ってのことだし、民としても喜ばしいことだけれど
警備する方は本当に大変だ。というかこれだけの人がいて広範囲では
完全に未然に防ぐのは不可能だと思う。
毒入りの可能性に気づいていたのに酒を飲み、かつ息子には飲ませない大納言の機転と勇気に感服する。
父親に毒が盛られたとわかった中庸が助けを求めるのが
道真というのが、もう運命に巻き込まれていたのだなと思ってしまう。
知識しかないと言いつつ道真はしっかり行動力もあって
一家のお人好しな気質も相まって結局中枢に食い込まざるを得ないのだろう。
匿名
壮絶!
今回は、毒を盛られた伴善男を助ける話が壮絶だった。
道真はもちろん薬師でもなく、毒の対処法は書物で読んだ知識のみ。
政に関わりたくない道真だが、だんだんその才が知られてきた感じ。
タマちゃんと毛生え石の話も良かった。
Posted by ブクログ
再読。神泉苑での御霊会メイン巻でした。改変はされてましたが丁度このあたりが、宝塚歌劇団「応天の門」でも中心エピソードでした。
基経の策略と引っ掻き回す豊城、射られても「そなた(基経)の余興かと思うたぞ」という食えない良房おじ。
道真は藤原・反藤原どちらの勢力につくかと、善男が助からなかったら命の危険も…なとんでもない事態に巻き込まれてしまいました。この時代は加持祈祷でなんでも治そうとしてるのはやっぱり怖いなぁ。
伴善男の胆力。おかしいと気付いてうまく息子がお酒呑まないようにしてたのさすが。帝の前だぞ…って普通はなりそうです。
あと、基経は怖いんだけど、常行も内裏ではまともな感覚かと思いきややっぱり藤原かぁとなります。
長谷雄はなんだかんだ良いやつ。ラストからの昭姫さんの関係者っぽい人にはちょっと邪な女好きさが出てたけど、祭りのときも白梅ちゃんエスコートしてて面倒見が良いです。昭姫さん、唐では後宮で働いてたのかなぁ。
コラムも今回も面白かったです。御霊会の次のページが雷に逃げ惑う人々、この祟り起こしてるの菅原道真じゃないか。。
芋粥も芋の粥だと思っていました。山芋的ないもを煮て甘味加えたやつか…おやつの方なのね。確かにこれなら高級そうで食べ過ぎられるとちょっと、ってなる。
匿名
五巻目
平安京にて権力を掌中に治めつつあった藤原基経は帝にあることを進言した。
不作や天災、物の怪騒動に民の不満などは帝の御世にあだなす御霊によるものなので魂鎮めの祭りを執り行うべきだということだった。
内裏内で祭りを行うなど前代未聞だが基経のことを信じている帝はそれを受け入れたので前代未聞の祭りの前にして皆騒然としながらも準備に取り掛かるのだった。
魂鎮めの祭り当日。
長谷雄と白梅はお祭りにうきうきしながら出かけて行ったが道真は騒がしい祭りになど興味はなく屋敷にこもっているのだった。
そして検非違使の業平も異例の祭りに神経を行き届かせながら警備に当たっていた。
そんななか藤原義房を狙った矢が彼のすぐ近くに刺さるが……。
藤原氏とそれに対抗する他の勢力の争いが激化してきた。