【感想・ネタバレ】壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課のレビュー

あらすじ

私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事――。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。<文庫書下ろし>

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なんでこれを題材として選んだんだろう…と思ってしまった。
被害者の心の中。
言葉で現しずらい内容をこのボリュームで。
作品として素晴らしいと思った。

ひき逃げ。
突然迎えた別れに心がついていかない遺族。
被害者家族から加害者へ。
その変化は分からなくはない。
憎しみは憎しみしか生まない。
その立場になったら、その通りだと思う。
作品を読んでいる側からは、村野を視界に入れてと願うばかりだった。
村野が悪いわけではなく、被害者家族が周りからのサポートに気付けたらこんな事には…。と思ってしまった。

次作以降、支援課のメンバーが気になる。

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2024年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【警視庁犯罪被害者支援課シリーズ第1作目】
アナザーフェイス・警視庁追跡捜査係・警視庁失踪課シリーズを読んできて、時々登場する犯罪被害者支援課の村野。少し足を引きずって登場し、被害者の気持ちに寄り添うために、捜査の事情聴取を断ったりする。
警視庁追跡捜査係・警視庁失踪課と並んで犯罪被害者支援課の3つは嫌われ部署。
堂場さんのシリーズは好きで、他のシリーズも読み終わったので、何度も手にしてきたが、通学中の子供の列に車がつっこみ亡くなった子供の親を支援する、という内容を重く感じ、なかなか読めずにいた。

やっと読めた。
まず、他のシリーズの主人公が40歳以上のおじさんたちであり、その主人公たちが一目置く村野のことを勝手におじさんだと思っていたが、35歳と若くてびっくりした。
犯罪被害者を支援していく話となるとただただ重いストーリーかと思いきや、単なる事故が殺人事件に発展していくなかで、常に村野が被害者に寄り添いながら解決していく、という話。
ただ被害者支援といっても、いろんな被害者感情があり、そこに寄り添っていく。ただまだ確立された部署ではなく、マニュアルも参考程度のもので臨機応変に対応していかないといけない。
「犯罪被害者支援基本三か条」があり、1:常に自分のことと考えて被害者に接する、2:過剰な思い入れを排する、3:時には沈黙を選ぶ、はすごくいいなと思った。
実際に存在する部署ではなく、フィクションのようだが、警察は犯罪被害者支援も行っているし、被害者支援センターも存在する。刑事ものの小説はたくさん読んできたが、被害者の支援という目線で小説を読んだことがあまりなかったので新鮮だった。

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2023年10月12日

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