あらすじ
人類の新たな未来とは? 銀河の覇権を握るのはファウンデーションか、ガイアか? その答えがついに明らかに...…壮大な宇宙叙事詩
〔銀河帝国興亡史5〕銀河系の未来への鍵を握るといわれる人類発祥の惑星・・それこそ、あらゆる記録がことごとく抹消されてしまった星、地球だった。議員トレヴィズは、その地球探索の旅を盟友ペロラット、そしてガイア人の女性ブリスとともに開始する。やがて見つけた地球の姿とは……? 巨匠の人気シリーズ
アイザック・アシモフの数ある作品の中で『映像化不可能』と言われている作品です。そう言われるだけあって読み応えあります。
アシモフの作品には、有名な「ロボット三原則」のようにシリーズ毎に一貫したテーマがありますが、この「銀河帝国興亡史」では「心理歴史学」です。
「銀河帝国はどのような滅亡の道を辿るのか?」、「ファウンデーションはどうやってその危機を乗り越えるのか?」、「そして、ハリ・セルダンの予言とは何なのか?」
そう思いながら物語を読み進めていくと、あっという間に三部作を読み終えてしまいます。
他のアシモフ作品につながるテーマが要所に盛り込まれている、アシモフファン必読の三部作です。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
人類の歴史を辿る旅。オーロラ、ソラリア、そして地球。辿り着いた場所に現れた、人でもロボットでもない存在。
そして、全ては、本当に全ては彼の掌の上で転がっていた。
Posted by ブクログ
第一銀河帝国末期から第二銀河帝国の興りまでを追いかける(追いかけていた)ファウンデーションシリーズの、事実上の最後のお話(;これ以降はファウンデーション設立までの話になる)。
前作同様ゴラン・トレヴィスが主人公で、ペロラット、ブリスと共に旅をする。
徐々に地球へ近づいていく様(前作のヤリフ計画の手法を用いて地球の位置を推定するところは「おおっ!」となった)や、ファウンデーション(とその縁辺)文明とは異なる惑星の描写は非常にワクワクとさせられ、アシモフの文章の上手さ(+翻訳の上手さ)もあって、最後まで楽しく読むことはできた。
・・だが、何かが足りない感じがするのだ。
足りないと感じるのは、
本作ではファウンデーションの陰が非常に薄いことなのか、心理歴史学が形骸化しているからなのか、銀河帝国興亡史なのに歴史が動いていないから(これまでは次作以降に教科書に載るような歴史上の事件を実体験している感触があった)か、あるいは解説にあるとおり人類の未来についてアシモフ自身が揺れているのを感じるため(これまでは未来から過去を見ているような安定感を感じていた)か、確としたことはわからないが、
とにかく、何かが足りないと感じる。
また、トレヴィスや一行が(地球側の)誰かにコントロールされている感じが随所でするのと、トレヴィスとブリスが絶えず諍い(口論)を繰り返すこともアシモフの迷いを表しているようで気になった。
次回作を読みたいのは間違いないし、それでも面白かったと思うが、ファウンデーションシリーズの後2作が、この先の未来ではなく、過去の話で良かったと思う。
これ以上は(この段階でもすでに)上手く書けないとアシモフが思ったのか、過去の話で考える時間を稼ごうとしたのかは分からないが、この形で収まって良かったのではないか。