【感想・ネタバレ】ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階のレビュー

あらすじ

「成功から生まれる傲慢」「規律なき拡大路線」「リスクと問題の否認」「一発逆転策の追及」「屈服と凡庸な企業への転落か消滅」――。
企業は、いつかは衰退する。それは偉大であった企業も例外ではない。本書は、『ビジョナリー・カンパニー』『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』で膨大な調査データから「時代を超える生存の法則」と「良好な企業から偉大な企業への飛躍の法則」を導き出した在野の経営学者、ジェームズ・C・コリンズが、一転して「衰退の法則」に着目、「衰退の5段階」としてまとめた。

取り上げられたのは、前記2冊で言及された60社の大企業のなかから、「衰退の五段階」を歩んだヒューレット・パッカード(HP)、メルク、モトローラ、ラバーメイド、スコット・ペーパー、ゼニスなどの11社。

この11社を現時点で衰退していない同業の比較対象企業と比較し、どこが岐路となったのかを分析した。衰退企業11社を選んだのが2008年の金融危機以前であったため、『ビジョナリー・カンパニー2』で飛躍企業として取り上げられ、経済危機で国有化されたファニーメイ(連邦抵当金庫)は入っていないが、付録に「ファニーメイと2008年の金融危機」として言及されている。

卓越したリーダーによって衰退パターンを逃れたケースもある。ルイス・ガースナーによって再建されたIBMや、ニューコア、ノードストロームのケースが付録として収録されている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ビジョナリー・カンパニー1と2で取り上げられたエクセレントカンパニーのうち、
衰退した企業を取り上げて法則を導きだした本。
偉大な企業には法則があり、衰退する企業にも法則がある、というお話。
昔よんだ時はつまらなかったけど、今は面白く読めるという不思議。

◯衰退の5段階_人材採用と教育
企業や事業成長とともに育った人は、「意図的な人材育成」の必要性が理解できない。
結果的に、人が足りないというよりも、変革してくれる人材がいないという問題にぶちあたる。
これが組織衰退のメカニズムである。
売上はすべてを癒す。それは間違っていない。しかし売上を上げたり、事業を急拡大させているなかで変革してくれる人材の採用・教育を忘れてはいけない。

○衰退の五段階とは
第一段階:成功から生まれる傲慢
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転策の追求
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅

○第一段階:成功から生まれる傲慢
・主要な弾み車の無視
・本業への熱意と回転が不足すると危険
┗ 指導者が外部にある脅威や冒険、機会に関心を奪われ、主要な弾み車を無視するようになる
・指導者の学習意欲の低下

○第二段階:規律なき拡大路線
・組織の利害より個人の利害を優先
・主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率の低下

○第三段階:リスクと問題の否認
・指導者は悪いデータを小さくみせ、良いデータを強調し、曖昧なデーター都合よく解釈する
・組織再編への固執は意味がない。問題解決のための組織再編は解決にならない。
┗ 組織再編やリストラを行うと、生産的なことをしていると思うがそれは大いなる錯覚。悪い兆候に対して組織再編を戦略や戦術に使っているようでは、否認の段階にはいってる可能性が高い。組織再編の戦略は、幹部が外的な条件ではなく、社内政治に注意を払うようになる

○第四段階:リスクと問題の否認
・「ゲームを変える」買収、新戦略への一貫性のない飛躍、興奮を呼ぶ技術革新など、劇的で大きな動きによって素早く突破口を開こうとする傾向
・救世主のような指導者への期待
・新しい計画、新しい文化、新しい戦略という新しい体制を象徴する言葉として、「革命」や「抜本的」変化といった言葉が使われはじめたら危険
・業績より売り込みの優先をするようになったら終わり。業績はすべてに優先され、売り込みは二の次で良いはず

○金言
・偉大な企業は壊滅的な破局にぶつかったときですら、回復して以前より強くなる能力をもっている
・偉大な企業は決して屈服しない、戦術を変え続ける
・偉大な企業を築くというアイディアを決して放棄しないことこそ、偉大な企業を築く
・自分の企業文化を特徴づける原則を大切にする
・損失を受け入れ、痛みに耐え、一時的に自由を失う意思をもたなければならない。だが、いずれかならず勝利するとの確信は決して放棄してはならない
・リーダー1人が会社を成長させたり立ち直らせる事はできる訳ではないが、リーダー1人によって会社を潰す事が出来る
・真に偉大な人物は好奇心と学習意欲を特徴としている
・最優先事項はビジョンではなく、もっと基本的な活動
┗ 主要ポストに適切な人材を配置、収益性の回復、顧客本位など
・企業はイノベーション不足より、リスクを取りすぎて転落するほうが圧倒的に多い
・本業への熱意と回転が不足すると危険

○まとめ
・はずみ車を無視するな
→「どの回転もそれまでの努力によるものであり、努力の積み重ねによって加速度的に回転が速まって行く。1000回転、10000回転、100000回転になり、重量のある弾み車が飛ぶように回って止めようがないほどの勢いになる。」勢いに乗ったら、勢いを保ち続けろ。回転が早くなったらチャンス。捨てるな。100000回転までいける事業は超少ない
・平時からやるべきことをやり、危機においてもブレるな
・リスクは少なくできるのであれば少なくしろ。ハイリスクをとればハイリターンがあるなんて言葉を浅はかに理解するな。潰れるぞ

偉大な企業は確かに大きな賭けを行う。しかし、喫水線以下に大穴を開けかねない賭けは避けている。
データが曖昧、矛盾している状態でハイリスクの賭けの決定を行う場合は3つの問をたてろ。
1.良い結果になったときに何が得られるのか
2.極めて悪い結果になったときにどのような打撃をうけるのか
3.その打撃に耐えられるのか、本当に耐えられるのか

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2020年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

衰退には五段階ある。
①傲慢になる
②規律なき拡大戦略に走る
③リスクと問題の否認
④一発逆転を狙う
⑤屈服と凡庸な企業への転落・消滅

成長時に衰退の種があり、衰退時に成長の種がある。
成長するためには一発逆転はない。
コツコツと積み重ねることが重要。そのために会社の文化が背骨になる。会社の文化を変革させ、成長軌道に乗せるにはどうしたらよいのだろうか?最初に定着させたものから変化させることは難しいのだろうか?

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2018年03月07日

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