【感想・ネタバレ】クジラの子らは砂上に歌う 21のレビュー

あらすじ

世界を包もうとする厄災“沙洗浄(カタクリュスモス)”は、君が望んだことだとチャクロに告げた皇帝陛下。過去の“記録”から紐解かれる記録者とスキアの関係に、その真意が隠されているようだが!? 皇帝陛下は、チャクロと泥クジラの民たち、そしてキヴォトスの地に何を求めているのか…今まさに真の目的が明らかになる!!

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果てない砂の海を漂流する漂泊船「泥クジラ」。チャクロはその泥クジラの「記録係」であった。
泥クジラの住人の多くが、情念動(サイミア)と呼ばれる不思議な力を使い、そして彼らは短命であるという。
若い仲間の死に何度も傷つきながら、それでも彼らは穏やかで平和に暮らしていた。
しかし、ある日廃墟船に偵察に赴いたチャクロは、衰弱した少女・リコスに出会い、それにより状況は一変する。
泥クジラ以外の世界、そこに住まう人間を見たことがない住人たち。そんな彼らにとって残酷な真実を知るリコス。
外の世界はどうなっているのか、住人の祖先たちはなぜ泥クジラで生活していたのか、そもそも泥クジラとは一体なんなのか…。
すべての謎が明かされ、自分たちが短命である理由を知った住人たちは、新天地を目指し泥クジラの舵を取るのだった。

このお話はタイトル通り、「クジラの子」、すなわち泥クジラで生きる子どもたちを描いています。
「泥クジラ」という聞きなれない場所に住んでいることで、どこか遠いところの話に聞こえますが、彼らは楽しいも悲しいも感じる、感情を持った普通の人間でした。
というのも、外の世界には感情を持たない人間がいたからです。リコスもまたその1人でした。
そんな彼女ですが、チャクロやその仲間と過ごすうちに、自分の感情を取り戻していきます。
そしてクジラの子たちを助けたい、彼らと生きたい、そう願うようになるのです。
しかしそれは決して簡単な道ではなく、何度もクジラの子たちは絶望し、立ち尽くすのでした。

残酷な真実ばかりの世界で、悲しみがあふれる世界で、それでも人間は感情を持つのが正しいのでしょうか。
チャクロは言います。「痛みや苦しみすべてが俺たちの生きてきた記録だ」と。そしてだからこそ忘れることはできないと。
仕事や人間関係で嫌なことがあったとき、悲しくて泣きたいと思ったとき、何度でも読み返したくなる1冊です。

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購入済み

もー終わりに近づいる...ちょっと寂しい感じもしますが...
あの人たちよかったとも思いながら...どーやったらとか...
また、気になることが次々!

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いよいよ佳境。
短い生を重ねながら、同じ過ちを何度も繰り返す人類。
長命の魂形に愚かで進歩がないと呆れられてしまうのも致し方ない…。
魂形と人類の共生が行き着く先はやはりディストピアでしかないのか??

0
2022年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チャクロに似た皇帝の正体はまさかの展開。
どうなるの?と心配になる。

オルカの雄姿をもう一度見てみたい。

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2024年04月11日

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