【感想・ネタバレ】クジラの子らは砂上に歌う 23のレビュー

あらすじ

決死の覚悟でサナタスをハシタの谷へと誘導する民たち。しかし、スキアをその身に取り込んだリョダリの力はあまりにも強大で…。かくしてついに引き起こされた沙洗浄、迫る終末の時を前に彼らは…!? 爆発的人気を誇る少年少女決死の砂漠戦記、ついにフィナーレ!!

...続きを読む

果てない砂の海を漂流する漂泊船「泥クジラ」。チャクロはその泥クジラの「記録係」であった。
泥クジラの住人の多くが、情念動(サイミア)と呼ばれる不思議な力を使い、そして彼らは短命であるという。
若い仲間の死に何度も傷つきながら、それでも彼らは穏やかで平和に暮らしていた。
しかし、ある日廃墟船に偵察に赴いたチャクロは、衰弱した少女・リコスに出会い、それにより状況は一変する。
泥クジラ以外の世界、そこに住まう人間を見たことがない住人たち。そんな彼らにとって残酷な真実を知るリコス。
外の世界はどうなっているのか、住人の祖先たちはなぜ泥クジラで生活していたのか、そもそも泥クジラとは一体なんなのか…。
すべての謎が明かされ、自分たちが短命である理由を知った住人たちは、新天地を目指し泥クジラの舵を取るのだった。

このお話はタイトル通り、「クジラの子」、すなわち泥クジラで生きる子どもたちを描いています。
「泥クジラ」という聞きなれない場所に住んでいることで、どこか遠いところの話に聞こえますが、彼らは楽しいも悲しいも感じる、感情を持った普通の人間でした。
というのも、外の世界には感情を持たない人間がいたからです。リコスもまたその1人でした。
そんな彼女ですが、チャクロやその仲間と過ごすうちに、自分の感情を取り戻していきます。
そしてクジラの子たちを助けたい、彼らと生きたい、そう願うようになるのです。
しかしそれは決して簡単な道ではなく、何度もクジラの子たちは絶望し、立ち尽くすのでした。

残酷な真実ばかりの世界で、悲しみがあふれる世界で、それでも人間は感情を持つのが正しいのでしょうか。
チャクロは言います。「痛みや苦しみすべてが俺たちの生きてきた記録だ」と。そしてだからこそ忘れることはできないと。
仕事や人間関係で嫌なことがあったとき、悲しくて泣きたいと思ったとき、何度でも読み返したくなる1冊です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終巻。沙洗浄は防いだし、みんな幸せになった。
広げた物語を折りたたむのは大変なことだから、兎にも角にも良かったなと思う。
でも、こんな都合良くいってしまっていいの?と釈然としない気持ちもないこともないです…。

0
2023年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あれよあれよという間に、すべてが終結した。
全体を通して印象が薄い。

自分の中では、スオウはずっと女性であった…

0
2024年04月15日

Posted by ブクログ

──あの砂と風と陽の光を
  どこかの世界の いつかの時代の誰かが
  私の記録に出会い そして
  泥クジラや私たちの物語を
  知ってくれたら
  覚えていてくれたら───そう「あなた」が


という骨太ファンタジー、足掛け10年ものすごく綺麗に完結。
描ききった!って感じです。設定盛り盛りでちょっと付いて行くの大変だった時期もありましたが、終わってみれば全部大切だったな・・・という気持ち。
ファンタジーは設定盛り盛りになりがちなものですが、そこでお腹いっぱいになっちゃうのは多分歳のせいだと思います。
「マギ」「オリエント」の大高忍が好きな人ならお勧めしたい。

0
2023年04月05日

「少女マンガ」ランキング