【感想・ネタバレ】クジラの子らは砂上に歌う 6のレビュー

あらすじ

泥クジラのヌース・ファレナが吸っているのは感情ではなく、もっと残酷なモノだった。たった一つだけの楽園を覆う“呪い”に気づいた時、泥クジラの民たちはそれぞれの思惑で動き出す……。

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果てない砂の海を漂流する漂泊船「泥クジラ」。チャクロはその泥クジラの「記録係」であった。
泥クジラの住人の多くが、情念動(サイミア)と呼ばれる不思議な力を使い、そして彼らは短命であるという。
若い仲間の死に何度も傷つきながら、それでも彼らは穏やかで平和に暮らしていた。
しかし、ある日廃墟船に偵察に赴いたチャクロは、衰弱した少女・リコスに出会い、それにより状況は一変する。
泥クジラ以外の世界、そこに住まう人間を見たことがない住人たち。そんな彼らにとって残酷な真実を知るリコス。
外の世界はどうなっているのか、住人の祖先たちはなぜ泥クジラで生活していたのか、そもそも泥クジラとは一体なんなのか…。
すべての謎が明かされ、自分たちが短命である理由を知った住人たちは、新天地を目指し泥クジラの舵を取るのだった。

このお話はタイトル通り、「クジラの子」、すなわち泥クジラで生きる子どもたちを描いています。
「泥クジラ」という聞きなれない場所に住んでいることで、どこか遠いところの話に聞こえますが、彼らは楽しいも悲しいも感じる、感情を持った普通の人間でした。
というのも、外の世界には感情を持たない人間がいたからです。リコスもまたその1人でした。
そんな彼女ですが、チャクロやその仲間と過ごすうちに、自分の感情を取り戻していきます。
そしてクジラの子たちを助けたい、彼らと生きたい、そう願うようになるのです。
しかしそれは決して簡単な道ではなく、何度もクジラの子たちは絶望し、立ち尽くすのでした。

残酷な真実ばかりの世界で、悲しみがあふれる世界で、それでも人間は感情を持つのが正しいのでしょうか。
チャクロは言います。「痛みや苦しみすべてが俺たちの生きてきた記録だ」と。そしてだからこそ忘れることはできないと。
仕事や人間関係で嫌なことがあったとき、悲しくて泣きたいと思ったとき、何度でも読み返したくなる1冊です。

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購入済み

すごく引き込まれる!どーなっていくのか、しっかり見たいと思わせてくれます。
また、次の嵐の前の静けさ感がありますが、どんどん読んで行こうと思います!

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

1巻から一気読み。世界観の勝利だなぁと思う。砂上を走る船、独立した世界に暮らす人々、独特な風習、力ある儚いものと、力ないたくましいものの対立、そこから明らかになる真実と否応なく戦いに巻き込まれ、真の自由を目指す物語。
緩急のつけ方、不穏な謎の見せ方も上手い。
けど、もっとゆったりこの世界観を味わいたい気もする。

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2016年04月11日

Posted by ブクログ

ファンタジーを武器にしているなあと思わせる「時の塔」の叙情。もう1人の主人公オウニの変化も胸に刺さる(この後にまた苦難もありそうなこと含めて)。

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2016年02月21日

Posted by ブクログ

新天地への希望が泥クジラの民を癒す。戦の傷痕を。ファレナの呪いを。
穏やかなアモンロギアへの旅路。しかし旅の途中で出会う前史文明の遺物が、行く末を暗示しているようです。
ファレナがエネルギー源である人間をあっさりと手放すでしょうか?帝国と争うアモンロギアが強力な武器であるサイミアを使わずにいられるでしょうか?
嵐の前の静けさですね。

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2016年01月04日

Posted by ブクログ

ロハリトとは少しずつ分かりあえるようになってきている。
「時の塔」のような話は、理解が追いつきにくいから、一話完結で助かった。

「オウニ=魔王」でないことを願う。

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2023年05月09日

Posted by ブクログ

泥クジラの印たちが短命な理由がヌース・ファレナが印の命を吸い取っている分かる。それを知ったスオウたち若い無印は長老会と話し合い、ロハリトの国アモンロギアへ向かう、全てへ印のために。
印の短命の理由が分かるが、なんとも残酷な事実だ。無印たちが罪悪感を抱くのも分かる。そしてスオウの努力は無駄だったのかと…自分だったら長老会に当たり散らしていそうだ。スオウの心はつねに印のために何が出来るかにあり、献身的で心が苦しくなるほどだ。
時の塔の話は重い事実の後の小休止だったが、短い話の中でも世界観が作り込まれていて綺麗で悲しい話だった。
アモンロギアへ行ったらどうなるのかな?と思っていたら、シコクとシカンが出しゃばってきてスマートに目的地にはいかない雰囲気になって来た。そこはアモンロギア編に素直に行こうよと思わなくもない。この2人リアル中二病だが、快楽主義者のエマが無駄に手を貸してひっかき回そうとするからこじれそうだ。みんながみんな穏やかで優しくちゃ面白くないが、大した理由もなく話の腰を折られると気持ちが冷める。

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2023年02月25日

Posted by ブクログ

いまいちキャラにお気に入りが登場しなかったのだけど、もしかすると眼帯の隊長さんはけっこう好きかもしれない。エマが100%チャクロの味方って訳じゃないのはいい感じ。

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2016年11月05日

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