【感想・ネタバレ】加藤周一著作集 10のレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

マチネ・ポエティクのひとりとして『1946 文学的考察』で文壇に登場して以来、文学、芸術を中心にして政治、社会、思想など多方面にわたる評論・創作活動に従事し、戦後日本を代表する知性ともいうべき加藤周一(1919~ )の、旧制高校時代から1979年までの主な活動を集成する。本著作集は、収録著作を精選し、あらたに「追記」「あとがき」による註を加えた、著者自身の編集になる。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

『ウズベック・クロアチア・ケララ紀行』(1959年年、岩波新書)のほか、『世界漫遊記』(1977年、講談社)に収録された文章をまとめています。

『ウズベック・クロアチア・ケララ紀行』は、著者が共産主義の国や地域をじっさいにたずねて、そこで見聞した社会のありかたを語った本です。ただし、ソヴィエト連邦を構成する共和国、ティトー以来ソ連から距離を置いて独自路線をあゆんできたユーゴスラヴィアの一国、そして世界ではじめて選挙によって共産主義の地域社会を実現した南インドのケララ州と、それぞれ異なる背景をもっています。

そうした事情の異なる国と地域をめぐることで、共産主義のじっさいのすがたを見ることが著者のねらいだったのだろうと思われます。ただし、著者は旅先でしばしば社会学的な関心にもとづく問題を提起し、それぞれの国と地域に暮らす人びとに質問を投げかけていますが、あくまで旅人としての印象記の範囲を出ることはなく、実証的な分析がなされているわけではありません。しかし、それだけにかえって、努めて冷徹なまなざしで事実をつかみとろうとする著者の姿勢が強く現われ出ているようにも感じます。

そのほかにとりあげられている国は、フランス、イタリア、オーストリア、ドイツ、メキシコ、インド、イギリスなどです。ヨーロッパの思想や文学、芸術に造詣の深い著者らしい洞察が随所に見られます。

0
2026年01月29日

「雑学・エンタメ」ランキング