あらすじ
伍尭國(ごぎょうこく)の妃と薬膳師、一人二役の生活にも慣れてきた董胡。
王宮で自らの侍女たちや、時折宮に訪れる皇帝・黎司に薬膳料理を振る舞い、皆の笑顔に喜びを感じていた。
ある日、董胡は、黎司と敵対する玄武公・亀氏(きし)一族の皇太后からお茶会に招かれる。
玄武公らはずっと董胡を見くびっていたが、ついに黎司の董胡への寵愛ぶりに目をつけたようだ。
皇太后から怪しい茶を出されるが、董胡は機転を利かせ、何とかその場を乗り切る。
しかし後日、玄武公より新たな侍女頭として王琳(おうりん)という女性が派遣されてきた。
玄武公の間者らしき彼女に、董胡たちは警戒を強めるが――。
真っすぐで伸びやかな一人二役ヒロイン・董胡が王宮にはびこる悪習に斬り込む!
重版がとまらないアジアンファンタジー、待望の第3弾!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
玄武の次男は、そんなに悪いヤツじゃなかった!
新たに任命された侍女頭、王琳。
玄武公の息がかかった者だと考えるのは至極当然のことで、だからこそ正体がわかって安堵しました。
怒気で冷気を放つって震え上がってる茶民や壇々はかしましいけどいい子たち。
董胡の出自が、垣間見えた巻。
朱雀の姫も、なんだかんだと味方になってくれてそうで、少しだけ息がしやすくなりました。
Posted by ブクログ
董胡の攻防に加え、皇帝黎司と玄武公との勢力争いも手に汗握る面白さで一気読み
華流宮廷ドラマのような展開にワクワクします
次々と直面する窮地を、機転と度胸と理性で乗り切る董胡から目が離せません!
Posted by ブクログ
皇帝の薬膳妃、シリーズ3作目。
一人二役(以上?)のヒロインが活躍します。
国は伍尭國(ごぎょうこく)。
ヒロイン・董胡(とうこ)は孤児で医師の養子として育ち、男装で医学を学んでいた。
ところが突然、玄武公の行方不明の娘・鼓濤(ことう)だと言われ、妃として宮中へ送り込まれてしまう。
いつかは逃げ出すつもりで、若き皇帝とは距離を置こうとしていたが‥
妃の薬膳師・董胡として料理を作って皇帝に出したところ、気に入られ、皇帝というのが実は、かねて憧れていた謎の青年・黎司(レイシ)だと気づく。
妃の鼓濤としては、顔を隠したまま御簾ごしに会話する状態という綱渡り。
普段は、自分で手直しした料理を侍女たちと仲良く食べる楽しい生活になっています。
玄武公亀氏は、黎司の政敵。
いずれ次の皇帝に愛娘の華蘭(董胡の異母妹)を嫁がせるつもりで、董胡のことは気にかけていなかったが、意外に寵愛されていると噂を聞き、一族出身の皇太后が董胡を招く。
危ないところだったが、董胡は機転を利かせて乗り切る。
その後、侍女頭として王琳(おうりん)という女性が送り込まれてくる。
玄武公の間者と思われる王琳に、董胡たちは緊張するが。
王琳は、宮中の妃としては当然の習わしを重んじて取り仕切り、董胡たちの気ままな生活が出来なくなってしまう。
王琳が何者かを調べた董胡は、未亡人だという思わぬ過去の事情を知り‥
玄武公の次男・雄武は、医学を学ぶ麒麟寮では、董胡と成績を争うライバルで、取り巻きを率いていじめにかかったこともある。
行方不明になった董胡が実は女で、しかも異母妹、さらには帝の妃となったと後から知らされた。
その過程で、父や華蘭の恐ろしさを目の当たりにすることともなる。悪い人間じゃなかったのね~。
黎司の異母弟・翔司(皇太后の子)も、ある意味似た立場なので、ちょっとややこしい(笑)
皇帝ではある黎司の立場は、盤石には程遠い。
悪い噂を広められ、生母はすでに亡く、後ろ盾もないのです。
玄武公とその一族との葛藤で、休む間もない。
まだちょっと頼りないけど~ここへ来て、ある英断を…!
秘密が多いのを隠すだけでも大変な董胡は、家族のこともよく知らず、これまでの政治にも疎く、難しい状況をどう泳ぎ切るか?
設定と癖強い脇役には危険がいっぱいですが~
医療にも薬膳にも真剣で、黎司にも一途。
トラブルにはまりがちだが、まっすぐで気立てがいいヒロインに、少しずつ味方が増えていく。
希望の見える物語、楽しみです☆