あらすじ
相変わらず、薬膳師と妃の二重生活を送る董胡。周囲にばれないかとひやひやの毎日だ。
年明けて元日、友人である朱雀の后・朱璃と一緒に輿の中でくつろいでいたところ、ライバルである青龍の宮から使いが。聞けば青龍の第一后・翠蓮姫が病気を患っているのだという。
董胡は正体がばれることを恐れつつ、医師としての強い思いから診療のため青龍の宮へ赴いた。
そこで見たのは、喉に何かが詰まり息ができないと訴えながら、苦しそうに発作を起こす姫の姿。
董胡は医薬院での経験をもとに、まずは発作を抑えることに成功するが、原因はまったくわからない。
しかも、普段翠蓮姫が処方されて飲んでいるという薬は、董胡からすればあり得ないほどひどい処方だった。
侍女や侍医は、皆口々に「黒蝋妃の呪い」のせいだと恐れる。青龍の美姫ほど、この呪いにかかり、病みがちになるのだという。
しかし姫の身体からは、はっきりと臓腑の弱りを示す色が放たれていた。董胡は姫の病気の原因を探ろうと行動を起こすが――。
一方、皇帝・黎司は、新年を寿ぐ祈祷のさなか、「先読み」の神託を受ける。
道鏡にうつったのは、玄武公の長男・尊武によってどこかへ連れ去られる董胡の姿だった。
言いようのない不安を覚える黎司だったが――。
皇帝・黎司を追い落とそうとする玄武一族の動きも不穏になり、伍尭國に嵐が吹き始める!?
本当に大事なものを、この目でしっかりと見つけたい。
華麗にして壮大な王宮ファンタジー、波瀾の第4弾!
イラスト/名司生
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ぎゃー!
ラスボスは玄武公なんかじゃなかった!
玄武一の姫としての妃と、薬膳師としての二重生活を続ける董胡。
すべては皇帝である黎司を支えるためです。
でも、自分の出自が忌むべきものかもしれず……
最年少で難関医師免許を取得し、麒麟寮を首席で卒寮した董胡だからもちろん優秀だし、富や名声のためでなく人助けをするために医師になったのだから、
目の前に困っている人がいたら助けずにはいられない性分で、
わかってはいるのだけど、ハラハラしっぱなしの王琳にひどく共感しています。
宿敵ともいえる玄武の尊武に正体がばれて、弱みを握られてしまいました。
どうするのがベストなのか、董胡といっしょに悩んでしまいます。
濤麗を慕っていた朱雀の妃に董胡の正体を見抜かれる。
朱雀の妃は董胡に好意的。
請われて病に苦しむ青龍の妃の元へ。
蝋梅の呪いの真実を見抜き助けるも、保身の青龍の主治医にあわや殺されそうになりヒヤヒヤ。
玄武の嫡男尊武王宮に。
父よりも自分につくことができるかとぐいぐい迫るレイシだったが、それに模範性のように答える尊武。
そして尊武が鼓濤のところへやってきてその不気味さ底知れなさを見せつけたところで次巻へ。
Posted by ブクログ
今巻は特に黎司の食レポが楽しくて、食に興味の少ない私も董胡の料理食べてみたい!と思ったりもした(笑)
黎司vs尊武は拮抗し、董胡vs尊武の初戦は尊武の圧勝
これは経験値の差が如実に出た感じで自然
次々と四后を味方に付けていく董胡、その理由と下地が歴史的土着的に作中で作られているのでそれほど違和感はない
そこが良いなと思える作品
中華後宮モノに、ほんの少し不可思議な力も加わっていて面白いシリーズです
Posted by ブクログ
皇帝の薬膳妃シリーズ、4作目。
医師を目指していた少女が、皇帝の妃として後宮に送り込まれてしまい‥?
一人二役をごまかしながら、知識と腕を生かして活躍します。
主人公・董胡(とうこ)は、田舎で養父に医術を学んでいました。
食べ物を受け付けない美青年の「レイシ」に出会ったことから、いつか専属薬膳師になることを目指し、医官の資格を取ろうと男装して麒麟寮で学び、合格します。
ところが突然、玄武公の行方知れずだった娘の鼓濤(ことう)だと言われ、皇帝に入内することになってしまったのです。
国は伍尭國(ごぎょうこく)。
青龍、白虎、朱雀、玄武の四つの都から、それぞれ領主の一の姫が妃となり、その中からいずれは皇后が選ばれる。
即位したばかりの若き皇帝・黎司は悪い評判を立てられていて、長くは続かないと目されていた。
それは、玄武公の企みだったのですが。
姫として育っていない董胡は、妃としては顔を見せるのを避け通しながら、薬膳師として料理をふるまい、皇帝の信頼を得ていきます。
董胡は、皇帝があのレイシであると途中で気づきましたが、妃の鼓濤でもあると告げられず‥
黎司は、董胡をあの時の少年と思ったまま。
薬膳師の腕を買われ、朱雀の都に密偵として派遣されたり。
玄武公と皇太后に呼び出され、怪しいお茶を飲まされそうになったり。
麒麟寮で一緒だった玄武公の次男・雄武に、こっそり救われたり。
というのは、これまでのお話。
玄武公の長男・尊武が遊学から帰国。
父親とは意見が違うと言い、黎司に忠誠を誓う。
そのまま信じはしない黎司だったが。
朱雀の妃・朱璃には、董胡と鼓濤と濤麗(仮に侍女頭として扮装した)が同一人物だとバレてしまう。
黎司の生母は朱雀の出身ということもあり、さっぱりした性格の朱璃は、黎司とはかなりフランクな関係なのだが。さすがに、これはおいそれとは言えない。
表沙汰になれば死罪というような問題と、乙女心が関連しているからね~。
青龍の妃の侍女に、妃の病気を診てほしいと懇請される董胡。
この国では、医術をつかさどる玄武が医療をほぼ独占しているため、他の国の医療は遅れている。
董胡は、兄弟子だった楊庵に協力を求めます。
発作を起こして苦しむ15歳の妃・翠蓮を目の前にして、助けようと奮闘。
ところが‥?
朱雀、青龍の妃に縁が出来たわけですね。さて?
かなり紹介したけど、ややこしい話だから、クライマックス含めネタバレになってない部分はたくさんありますよ。
白虎の前に、難題続出~
黎司とまた、離れてしまうの?
深刻になりかねない背景ありつつ、ユーモアと、美味しい食べ物(詳しく描かれます!)と、気のいい人たちの仲の良さ。
楽しみなシリーズです☆
Posted by ブクログ
菫湖の元に青龍の宮から、医師として助けを求められる。
青龍では、医師不足が生じており、宮付き医師の診断処方も怪しい。
菫湖が懸命に看病を始めるが、逆に命の危険に晒されてしまう。
王琳が少し皆に馴染むようになり、菫湖の本当の姿も知ったところでの、
それらを吹き飛ばすような大ピンチ。
尊武にも弱みを握られ、やばい。どうなる…