あらすじ
北アルプス・滝谷に氷が張り、アイスクライミングのシーズンが到来した。まるで人間が登るのを拒むようにそびえ立つ氷の壁。そこへ挑んでいた二人パーティーのうち、後方を登っていた男に氷塊が直撃し、重傷を負ってしまう事故が発生した。ちょうど滝谷へ向かっていた三歩とザックが救助準備に入る一方、氷塊を落としてしまったパートナーは、そばにいるだけで何もできない自分を責めて…
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山岳小説や山岳ノンフィクションを愛する私。でも、実際の山登り経験はほぼゼロ(高尾山ビアマウントは、登山じゃないですよね…)。そんな私がこのマンガを読んだきっかけは、職場のN君に勧められたから。著者の石塚さんは実際に登山をされているようで、すべての描写が素晴らしく、山好きな人が描いている作品なのがヒシヒシと伝わってきて、あっというまに『岳』の世界にはまってしまいました!『岳』のお話は、すべての人が助かるわけではないし、人の生死を取り扱う重い話だと思います。ですが、主人公・三歩の限りない優しさと温かさのおかげで、素晴らしい人間ドラマになっていると思います。
出会えてよかったなー、そんな作品です。
15巻のあとがきで触れられている山岳救助隊の話も一緒に読むと、『岳』の世界観だけでなく、山というもの、登山というスポーツの理解が深まって更に楽しいので、ぜひお試しください!!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ボランティアで山岳救助を請け負う島崎三歩を主人公に、山の美しさ、過酷さをあわせて人間ドラマを描く作品。
2巻でも様々な人達が山のよさと厳しさを知っていきます。遺体での発見もあるけど、そういうリアルさが作品をより立ったものにしていて、いい作品になっていると思います。
Posted by ブクログ
生徒を探して半狂乱になっている先生に、
「先生、ここを探す意味はないよ。
この濁流に 落ちてたら 死んでるって」
と諭す三歩が良い。
生きていると信じているからこそここにはいないし
だからこそ落ち着いて探さなければならない。
救助ヘリに遭難者の母親が同乗すると
何度捜索しても見つからなかったのに一発で見つかる事がある。
不思議だけれど、本当にそういうことはあるのだろうな。
上から人が落ちてくるのは、いろんな意味で恐怖だ。
思わず手を伸ばしたくなるのは人情だろうし
それが知り合いであれば尚更だ。
でも、手を伸ばしたところで絶対助けられる状況ではない。
「きっと今同じ事があってもああする。
だからオレは大丈夫」
という三歩の言葉が強いし、それが全てだと思う。
息子さんがずっと見つからない山へ来てみる
というエピソードも辛いものがあるが、
親父さん来たよと三歩さんが呼びかけてくれるのが
少しでも救いになってくれたら良いと思う。