あらすじ
闘いは終わった。ディノ・ゴルツィネは炎の中に消え、その身にみあわぬ野望を抱いたフォックス大佐も滅んだ。あの悪魔の発明、忌むべきバナナフィッシュは、データ、サンプルとも失われ、もはや陰謀も実行に移されるすべはなくなった。月龍(ユエルン)はシンの補佐のもと、事件の間に荒れてしまったチャイニーズタウンの再建にいそしむことになり、白(ブランカ)はカリブへと去った。すべては時のかなたへと過ぎ去り、生き残ったものたちには平穏な日々がもたらされようとしていた。英二の退院、そして、帰国の日が近づいてくる。しかし、彼との別れを決意したアッシュは!?
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「人間は運命をかえることができる 豹にない知恵をもって… そしてきみは豹じゃあない そうだろ?」
「バナナフィッシュ」という謎の言葉を巡るマフィアとストリートキッズの抗争が、国家の陰謀にまで発展していくという少女マンガらしからぬ骨太ストーリーと、アッシュと英二の絆がこの作品の魅力です。
高いIQと身体能力、美貌を兼ね備えたアッシュ。容赦なく人を殺す冷徹さと年相応の無邪気さ…十代で二つの顔を持たざるを得なかったアッシュの生い立ちはかなりハードですが、彼の心を救うのは銃を持ったことさえない日本人の英二でした。
第8巻にヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』の豹の話が出てきます。“死”について考えたことがあるか、と問うアッシュに、英二は冒頭の台詞で答えます。ストリートキッズのボスであるアッシュに臆せず対等に向き合う英二だから言える、友への言葉。
血腥い世界で見返りを求めない友情がいかに難しく、そして奇跡のようなことか。この作品を読み返す度に涙し、マンハッタンに思いを馳せています。
感情タグBEST3
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五つ星では済まない…いくつ付けても足りない。アニメを一気に消化してから購入して読みました。
ショーターとアッシュの出会い、
アッシュ死後のシンと英二の2人を見られます。
バナナフィッシュに感動した人は絶対読むべきです…ただただ涙が止まりません。
アニメから入り、原作を一気に読みました。
アッシュと英二の、言葉では言い表せない深い関係にとても胸を打たれましたし、この二人の幸せを願わずにはいられませんでした。
そのため、正直最後の結末は本当に辛くてしばらく自分の中で消化しきれませんでした。
けれど読んで全く後悔はないし、この作品と出会うことができて本当に良かったと思っています。
番外編の『光の庭』で少し救われた気持ちにもなりました。
私にとってかけがえのない作品です。
Posted by ブクログ
永遠の名作!中学の頃に読んで泣いた。絵柄が一巻と全然違うなあ…(笑)
最初はBLチックなのかと思ってたけど、英二とアッシュの関係はそんなものじゃ括れない。
美しく強いアッシュは欲され、羨ましがられるけれど、周りが思っている程幸せじゃない。
寧ろ彼は搾取されるばかりで誰も何も与えてはくれなくて、荒んだアッシュにとって、何を求める訳でもなく寄りそう英二は新鮮で待ち望んでいた存在なんだろうなあ。
ラストは衝撃的だったけど、ああでなければ終われなかったとも思う。
アナザーストーリーの光の庭を読んで本当の完結。
漫画なんて娯楽だと言わせてくれない一作だと思う。
匿名
複雑な心境
最期にアッシュが幸せであったのであれば良いかなと思いつつ、
英二や他の人たちのことを考えると生きていて欲しかったと思う気持ちもあり、何とも言い難いが尊い作品。
Posted by ブクログ
クッソ良かった。今、目の前で描かれている状態よりも、もう少し幸せなところに落ち着いて欲しくて、ずっとまだ終わらないでくれと思いながら読んでいた。
バナナ・フィッシュという物語は、冒頭で終わってしまうけれど、ANGEL EYESや光の庭を含めて、補完されたというか、完璧なものになった気がする。特に光の庭は本当に素晴らしかった。
現パロ染みた(=渇望してやまなかった)平和な生活があって、でも静かな喪失感が中心に据えられていて。込められたものが多すぎて、まだ少し、咀嚼し切れない。
匿名
漫画やアニメを全話観た人たち全員に『光の庭』読んでほしいです。アッシュの写真と向き合いながら静かに涙を流している英二を見てると、こっちも目が潤みます。
感動…
アッシュの死に方は予想外だが、唐突なものではなく、来たるべくして来たというのがとてもよかった。
アッシュの最期の因果を持つ二人が共に生きている様を描く光の庭は、切なくも優しい話だった。