あらすじ
一日頑張ったあなたをいたわる、とっておきの「夜食」をどうぞ。想い人を待ち続ける駅で。終電を逃し、たどり着いた秘密の場所で。禁断のラーメンを食べに行く道中で。傷心旅行で訪れたいわくつきのペンションで。古い友人たちと定期的につどうファミレスで。「正しい食べもの」をつくり続けてきたキッチンで。おいしいものが大好きな作家陣が、「夜食」にまつわる人間ドラマを描く、心とおなかを温かく満たす6篇を収録!
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Posted by ブクログ
旅のお共として。夜中のご飯というテーマでのアンソロジー。初読みの作家さんも多かった。友井羊のが一番良かったな。しかし、元彼に未練たらたらな女子が出てくる話が2つもあったぞ。若いからってそんな恋愛するかね。全然好きになれない。男も女も。大沼紀子「夜の言い分。」は年が近いからか身に染みた。こういう夜食会が私もしたいわ。
Posted by ブクログ
一番最後の話が韓国ラーメンへの思いが強すぎて、インパクト大でした。でも自分にも「これが食べたくて仕方がない!」って思う時あるよな、あるあると頷いてしまいました。
Posted by ブクログ
美味しいご飯が出てくるアンソロジー。タイトルと表紙に惹かれて手に取った。
あくまで私の個人的感想なので好きな人には許して欲しいのだけど、1話目のスクランブルエッグの話はかなりビミョーだった。
でも2話目の「ひめくり小鍋」がなかなか良くて、季節柄お鍋いいなー、しかも1人用のやつ!
主人公の行動や、合言葉が必要とか、まあツッコミどころはあるのだけど。
3話目の、背脂ラーメンの話がいちばん面白かった。途中まで、この人、殺人を犯したのでは?とドキドキしながら読んでいたら、違ってかなりホッとした。でも、自分のほんの小さな悪意が、ある人を事故死に追いやったのでは、と苦悩していた。その男性の友人もまた、同じような理由で(この人の場合は悪意でもない、事故死した人の自業自得)、自分の行動のせいではと悩んでいて、2人で深夜に「麺固め味濃いめ脂は銀世界」という、なんかすごそうなラーメンを食べて、「罪悪感を分け合おう」と提案してきたのだ。
法律的にはなんの罪にも問われなくても、本人は一生引きづりそうな‥でも遺族から見たら、モヤモヤしそうな‥難しいけど‥落とし所としては、ベターだったかな、と思う。
ペンションの話は、オーナー夫妻のダンナさんが良い。クマと間違われるほどの体格なのに、奥さんには頭が上がらない。
一方的に振ってきた元カレを引きづる主人公と、デリカシーのないタクシー運転手に最初はイラつくものの、オーナー夫妻の人柄の良さに緩和されて、悪くない読後感だった。
深夜にファミレスに集う、アラフィフ女性の夜食会の話。年代が近いせいで、彼女たちのおしゃべりに自分も参加しているような錯覚を覚えた。なんか楽しい!そして、語り手の女性の違和感に気づき、読み進めていってああ、やっぱりとなる。
せつないけど、楽しい物語。深夜のファミレス、いいなー。
最後は、近藤史恵さん。さすが!という感じで面白かった。背徳感のあるラーメンを食べるために、ダンナに一服盛る料理研究家の女性。普通に考えれば、かなりあり得ない行動だけど、彼女の生育歴を見ると同情できる面もある。そして、
ダンナさんの懐の大きさが見えるラストはお見事!
ちなみに、この本で私がいちばん惹かれた料理は、2話目の小鍋。うち、家族多いので、1人用鍋に憧れがある笑