あらすじ
長屋で一番えらいのは猫!? だとすると、長屋で起こる奇怪な事件を解決するのは、いったい……。江戸の根津宮永町にある「鯖猫長屋」は、鯖縞模様の三毛猫が一番いばっている長屋なので、そう呼ばれている。サバという名の、長屋を“仕切る”不思議な美猫(いろおとこ)は、炊きたての白飯しか食べない超わがままもの。そんな長屋に、わけありの美女や怪しげな浪人者が越してくる。次々に起こる不可解な事件に、途方に暮れる長屋の面々。そこに「成田屋」の異名をとるイケメン同心も登場。サバの飼い主である猫専門の売れない画描き・拾楽が、事件を解決しようとするのだが――。解説の時代劇評論家・ペリー荻野氏も、続編とドラマ化を切望! 心がほっこりあたたまる、大江戸謎解き人情ばなし。丹地陽子さんがカバーに描いたサバの凛々しい姿に、一目ぼれすること間違いなしの、猫小説です!
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Posted by ブクログ
久しぶりに読もうと思って、読み出し気づいたら終了。スルスル読めて、面白い。「意外に新たな発見もあって、やっぱり再読って最高!」と思ったりしたり。
サバが猫っぽくない猫みたいな感じで良い。途中で出てきたアジもサバとは違った魅力があって、アジが出ていった時はちょっと悲しかった。
長屋の個性豊かな住人、今回だけで全員しっかりと把握はできなかったけど、これから少しずつ知っていきたい。おはまちゃんが良い子すぎて、これからどうなるんだろうとワクワクしています。
Posted by ブクログ
xのキャンぺーンでプレゼントして頂いた本。
人情長屋物が大好きなのでたまらない。もっと長屋の住人たちのやり取りを見ていたい!
最後、長屋の皆が一致団結して猫先生の助太刀に入った部分は思わず「よっ!!!」と言いたくなるくらいワクワクした。
時代小説ならではの読みにくさに最初は苦戦したけれど、どんどん面白くなっていき、平日の憂鬱を吹き飛ばしてくれた。
たくさんシリーズが出ているようなので続きも読もうっと。嬉しい出会い。
Posted by ブクログ
一匹の猫がヒエラルキーの頂点に立つとある長屋の人情時代小説。謎解き要素もある連作短編でもあります。
面白かった・・・けど、なんか妙に読みづらさを感じた。なぜだろう?話というか会話のテンポやリズムみたいなものだろうか?
あと登場人物が全体的に嫌な感じか駄目な感じが漂っていてあんまり好きになれないな、と。長屋のまとめ役おてるさんあたりが顕著。お節介焼きの善人だと書かれているけど、作中ではやたらとげとげと周りを責めるシーンしかないのでいい人っぽさを感じにくい。語り手である拾楽もひたすら周りを冷めた目で観察してばかりだし。
そんな中、唯一悪い印象があまり描かれてない人物がいて・・・・逆にもうあからさまにこいつが「実は悪者」じゃん。と思ったらその通りだったし。
結構シリーズ続編あるみたいだけど、読むかどうか悩むなあ。最初だから粗削りなだけでここからだんだんと面白くなっていくのかな?
Posted by ブクログ
三十半ば、青白い瓜実顔に目尻の下がった糸目、紅を差したような唇は目と同じに上も下も細い。売れない絵師の拾楽。
今日も彼の手の甲に、ぐいと食い込む小さな牙。
拾楽が世話をする雄の三毛猫サバが、朝飯の催促をする。
なんて事のないような長屋の風景だけど、サバの大将が幅を利かす「鯖猫長屋」に何やら不穏な出来事が。
三角関係から逃げてきた気の強いお嬢さん。
温和な態度とは裏腹に隙のない浪人。
「鯖猫長屋」の秘密とは。
猫に長屋にふしぎ草紙、ほっこりした人情話と思ったら、のっけから義賊の語りに死人の伝言。
微笑ましいサバとのやりとりに、ほっこりする長屋の面々、なのにだんだんと緊張感が増してくる。
拾楽さんはどうするのか、サバの大将の活躍は?
もう少しのんびりしたお話を期待していたので、びっくりしたけど、最後もほっこりと終わって一件落着!