【感想・ネタバレ】続・哲学の冒険のレビュー

あらすじ

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著者の高校時代は、豊かな消費社会が築かれるとともに、群衆として生きるという人間性喪失への不安感が漂う時代でもあった。そこで生きることの意味を問う高校生の思索の軌跡をたどることで、1960年代後半における哲学史-精神史を再構成した思想的自伝。1999年から2001年にかけて『エコノミスト』に連載した読書ノート「月曜の手紙」をあわせて収録。

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Posted by ブクログ

現代社会が失ったものについて、見つめ、考え続けるこの著者の言葉に触れていると、自分の内側の渇きが少しずつ癒やされていくのが感じられる。
この哲学者は、実に中学生の頃から、現代における生きづらさをめぐって思索を続け、その核心に労働の意味が変質してしまったこと、自然と人間との関わりが失われたこと、そして共同性に裏打ちされた人間の生きる次元が失われたことがある、というテーマをさまざまに変奏しながら語り続けている。自分自身の実感から離れることなく、しかも、きわめて平易な言葉で。
まことに稀有な哲学者である。

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2025年10月23日

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