あらすじ
松浦静山の下屋敷に飯炊き女として潜入した織江は、ついに静山の密貿易と野心の証拠をつかんだ。だが、これを提出すれば静山ばかりか、夫の彦馬にも破滅が訪れてしまう。くノ一としての義理と、妻としての人情。その板ばさみに悩む織江を、お庭番の頭領・川村真一郎がじわじわと追いつめていく。窮地に陥った織江に、くノ一の先輩でもある母が忠告した言葉。それは驚くべきものだった。人気作家の絶好調シリーズ第4弾!
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Posted by ブクログ
前巻が緩やかに話が進んでいたのと対照的に
この巻は驚きの急展開が待ち受けていた、といったところか。
鳥居耀蔵と雙星雁二郎の登場によって
隠密絡みの不穏な面とコメディタッチの部分のコントラストが
よりくっきりとしてきたような気がする。
鳥居耀蔵は頭が切れると見せかけて意外とおバカなところが面白い。
呆れながらもその鳥居に付き合ってしまう川村真一郎の態度に
織江への恋慕の情によって冷静さを欠いている、ということが
さり気なく示されていて巧いな、と思ったのは深読みしすぎか???
雙星雁二郎は彦馬以上の、しかもタイプが違う変わり者だなと。
傍迷惑な奴か否か。
そんな迷惑野郎(爆)の雁二郎だが、意外と勘が冴えている、というか
洞察力がハンパないという才能を(作者に)与えられていて
そのおかげである意味キーパーソンになっているのもまた面白い。
耀蔵という頭の切れるバカが出てきたおかげで、
話が妙な具合に転がっていく。
今回も例に洩れず続きが気になって仕方がない終わり方なのであった。