【感想・ネタバレ】BLACK BLOOD BROTHERS2-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動-のレビュー

あらすじ

漆黒の夜に刻まれた、赤い――赤い姿。調停員・葛城ミミコは、彼から目を離せなかった。だって、笑っていたから。『銀刀』を片手に、同族の血に染まり。牙をむき、吸血紀そのものの姿で。「これはデモンストレーションなんです」ジローは、酷く優しげに微笑んだのだ。間違ってる、と叫ぶことは簡単だった。けれど。 ミミコにはわかった。もう何を言っても、彼には届かない。人間と吸血鬼が共存する世界で唯一の場所・特区。だが吸血鬼の兄弟・望月ジローとコタロウの上陸で、平穏は破られた。香港聖戦の英雄・ジローを巡り動き出す、策謀の数々。人間と生きることを望むジローは、ある決断を下すのだが!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 面白かったというより楽しかった! 個人的にはD・クラッカーズの方が色々好みだったけど、何はともあれカーサさんが好きです(わかりやすい) 裏切りの理由はもっと陰湿で悲しみに満ちたものかと思ってたんだけど、当人にとっては至って前向きな別離だったのがまたどうしようもなさ、相容れなさを感じさせる。
 読み終えて、これはカンパニー側の主人公がミミコたち三人で、九龍側の主人公がカーサだったんだなあとしみじみ。社会的弱者は戦わないと生存できない。ある意味ミミコを生んだのは九龍血族とも言えるわけで、それが九龍の生まれて生きた意義だったのだと思うのは、戦い抜いた彼らへの侮辱になってしまうのかな。
 個人的に残念なのは九龍側の日常番外編がなかったこと。ザザ関連とか掘り出したらいくらでも出てきそうなんだけどなあ。特にあの環境であそこまでワインをまっすぐに育てた育児奮闘記録が是非知りたかった。まともに子育てできそうなのがダールとマーベリックしかいない罠。それともハンスとの出会いを見るにザザって意外と子ども好きなんだろうか。
 味方にはアットホーム、でも敵には冷酷無慈悲、個人的に大好きでも容赦なしな敵役は大好きなのでカーサとザザは大変美味しかったです。ワイン関係もっと見たかったなあ。
 敵側しか書いてないけどミミコたちも好きだよ! でも龍王陛下と黒姫殿下がもっと好きなのは否定できない。龍王陛下次は女性説は、女性陣の方が圧倒的に精神的ヒエラルキーなあだち作品では寧ろ大幅パワーアップと見なして良いと思うので是非応援したいところ。
 ただ、番外編を抜かして一気に本編を読んだのはやっぱり失敗だったなあ。一度話が進んでからは一気に年月が経過したし、サブキャラの補完も多かったし、やっぱりあざの作品は番外編も含めて本編か。特にジローとアリスの関係は最後の番外編を読んでようやく納得できた。本編だけだと「そんなご都合主義な!」と思っちゃった。
 個人的に吸血鬼モノなんだからもっと吸血行為関連のドロドロを見たかったけど、まあそういう話じゃないしね。セイとかほとんど仙人だったのがちょっと残念だけど。

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2011年01月10日

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