あらすじ
「おれは、おまえの球を捕るためにいるんだ。ずっとそうすると決めたんじゃ」天才スラッガー門脇のいる横手二中との再試合に向け、動きはじめる巧と豪。バッテリーはいまだにぎこちないが、豪との関わりを通じて、巧にも変化が表れつつあって――。横手の幼なじみバッテリーを描いた、短編「THE OTHER BATTERY」収録。
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Posted by ブクログ
怒られてる(叱られてる)理由がちゃんと分かるから、叱られることが、相手が怖かった。巧くんに人の心が芽生えて人間になった。
書き下ろしのThe OTHER BATTERYも良かった。
Posted by ブクログ
他人と関わるのはめんどうくさい。他人の心を推し測るこたなど、ごめんだ。自分の感情の中に無遠慮に踏み込んでくるなんて許さない。吉貞や沢口や東谷を嫌だと思ったことはなかった。
しかし、群れたくはなかった。
なのに、豪は違った。
とあるように巧がすっごい成長している。最後の方にもしんどいけど、知りたいから仲間と一緒にいるという描写もあり心の成長が著しいな、と思った。
Posted by ブクログ
男同士ってちょっとホモっぽいところがあるって思う。門脇に毒舌で本音をぶつけて門脇から離れようとする姿は、見方を変えると邪魔にならないように身を引く純愛のようにも思える。かなりひねくれているけど。自分を納得させる理屈を探しているみたいだ。
そして、巧と豪も。人をからかうようなことというか関わることさえ避けていた巧が軽口を叩く。でも、今度は豪がそれを気に入らなくなる。らしくないことするな、ということだ。豪は巧と野球以外でも、人としてももっと深く付き合いたかったのだろうけど、それを求めないで巧の豪速球を自分のミットで受ける快感だけに身を預けようとする。ゴリゴリの男たちだけど、どこか男女の恋愛みたいな気がしてくる。その点、沢口や東谷、吉貞はまだ幾分、等身大の中学生でホッとする。仲間に彼女ができると冷やかす一方で、ふざける相手がいなくなるようで寂しくなったりして。個人的にはこのシリーズの中でいちばんのめり込んだ。