あらすじ
カベ(1) なぜ会う前に断られるのか? カベ(2) 会社案内が無視される訳 カベ(3) なぜ「決まった取引先がある」と断られるか カベ(4) 二回目以降訪問できないのはなぜか カベ(5) 質問しても答えてもらえない カベ(6) 顧客のホンネを聞き出せない カベ(7) 顧客の優先順位が絞り込めない カベ(8) なぜ資料が捨てられてしまうか? カベ(9) なぜ主導権を顧客に握られてしまう カベ(10) なぜプレゼンが顧客に刺さらないのか? カベ(11) 商談が延期・中止になるのはなぜか? カベ(12) なぜ価格競争に巻きこまれるのか? →すべてを解くカギは「感情移入」にあり!
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Posted by ブクログ
自分は十分、感情移入ができていると思っていたが、大きな間違いで、目からウロコの情報が満載だった。特に初期段階の営業アプローチに関しては、悩んでいた部分でもあったので、非常に役にたった。社内の営業に読ませたい一冊。
Posted by ブクログ
第1章
営業と「感情移入」
ぎっくり腰で気づいた「セールスの本質」
「感情移入力」とは何か
トップセールスが必ず身に付けているスキル
感情移入のポイント(1)顧客の立場を想像する
感情移入のポイント(2)とにかく顧客接点を増やす
感情移入のポイント(3)「なぜですか」と聞ける勇気
ヒアリング力不足の三大ネック
案件を見るな、顧客を見よ!
第2章
なぜ売れる営業と売れない営業は会話をしないのか?
「売れる営業」と「売れない営業」の格差は14倍
79.4%はトップセールスになりたくない!
なぜ自分が売れるのかわからない
売れたきっかけ「四つの要因」
ノウハウが共有されない本当の理由(1)「我々の業界は特殊だ」
ノウハウが共有されない本当の理由(2)「価値観の違い」
ノウハウが共有されない本当の理由(3)「マネジメント不足」
「センスがないからダメだ」のウソ
第3章
トップセールスに共通点はあるのか?
330人調査に見る「求められる担当者」
相談相手として認知される
「条件」と「状況」は違う
「興味がない」世代
SFA、CRMを導入した現場の実態は……
第4章
顧客の「ノー」を誘発する12の「壁」
釣りと営業の共通点
障壁(1)事前準備 なぜ会う前に断られるのか?
NGトーク「一度ご挨拶をさせください」
メリットを「一言化」する
障壁(2)初回アプローチ 会社案内が無視される訳
NGトーク「当社の歴史は……」
障壁(3)なぜ「決まった取引先がある」と断られるか
NGトーク「今の取引先のダメなところは?」
顧客の不満に耳を傾けてみる
障壁(4)継続アプローチ 二回目以降訪問できないのはなぜか
NGトーク「購入の予定はありませんか?」
第5章
ヒアリングの落とし穴
障壁(5)質問しても答えてもらえない
NGトーク「どこの製品をお使いですか?」
顧客に入り込むカットイン
障壁(6)顧客のホンネを聞き出せない
NGトーク「うちの商品は……」
障壁(7)顧客の優先順位が絞り込めない
NGトーク「前回こうおっしゃってました」
「決定権者」を確認する法
第6章
プレゼン資料はなぜ捨てられてしまうのか
障壁(8)なぜ資料が捨てられてしまうか?
NGトーク「絶対に損はさせません」
障壁(9)主導権を顧客に握られてしまう
NGトーク「それは、後ほど説明します」
障壁(10)なぜ顧客に刺さらないのか?
NGトーク「この商品の特徴は……」
障壁(11)スケジュール 商談が延期・中止になるのはなぜか?
NGトーク「今月契約できますよね」
障壁(12)クロージング なぜ価格競争に巻きこまれるのか?
NGトーク「この金額で精一杯です!」
第7章
感情移入力を身に付けるには
感情移入力を身に付ける六つの力(1)
知識力 全体図、関連性、相違点を押さえよ
感情移入力を身に付ける六つの力(2)
観察力 顧客の「何」を見るべきか
感情移入力を身に付ける六つの力(3)
質問力 相手のホンネを引き出す
感情移入力を身に付ける六つの力(4)
想像力 「ニーズマップ」のつくり方
感情移入力を身に付ける六つの力(5)
共感力 尊重、同意、一緒に考える
感情移入力を身に付ける六つの力(6)
記憶力 武器としてのメモの使い方
マネジャーとして何をすべきか
第8章
「顧客のパートナー」になるためには
なぜ引っ越しても「馴染みの床屋」に通うのか?
「顧客より顧客を知る」ことは可能か?
困ったときの相談相手になれるか
ガツガツした担当者は嫌われる
「顧客のパートナー」になるための条件
リピート顧客を増やす
紹介をもらえる人、もらえない人
「ツーステップ・ターゲティング」
カベ(1)なぜ会う前に断られるのか?
カベ(2)会社案内が無視される訳
カベ(3)なぜ「決まった取引先がある」と断られるか
カベ(4)二回目以降訪問できないのはなぜか
カベ(5)質問しても答えてもらえない
カベ(6)顧客のホンネを聞き出せない
カベ(7)顧客の優先順位が絞り込めない
カベ(8)なぜ資料が捨てられてしまうか?
カベ(9)なぜ主導権を顧客に握られてしまう
カベ(10)なぜプレゼンが顧客に刺さらないのか?
カベ(11)商談が延期・中止になるのはなぜか?
カベ(12)なぜ価格競争に巻きこまれるのか?
Posted by ブクログ
営業スキル向上のためのマニュアル本は数多く実際に役に立たないものがほとんどである。本書もタイトルからして胡散臭さ全開だが書かれていることはシンプルで重要なことであった。 一言でいうと顧客への関心をたかめようということ。
言い古された助言だが読んでみるとなかなか自分でできていないことが多いように感じた。
顧客と対話する意欲が湧いてくる良書だと感じた。
Posted by ブクログ
”感情移入”というタイトルがついているので、通り一辺倒の根性論かと思いきや、そうではなくお客さんに対して具体的なメリットを直接的且つ自然に伝える事が大事だと理解できます。
Posted by ブクログ
◆売れない営業は顧客の言う事を鵜呑みにしている。その裏の背景を感じることが必要。
◆顧客とパートナーとして対等にビジネスを続けるためには、信頼と同時に尊敬を勝ち取る事も重要
◆「なぜですか?」と聞ける勇気
◆こんな営業マンが好き。
①商品知識が豊富
②信頼出来る
③レスポンスが早い
Posted by ブクログ
センスという単語は非常に便利で、センス良く処理をして、みたいなことを言われることも多いが、しかしよくよく考えてみると、このセンスというやつは何を指しているのかはっきりとしない。本書によると営業の世界もそうであるらしく、営業成績が低いのはセンスがないから、という解釈がされるらしい。ではどうすればセンスを向上させられるのか?センスの中身が分からなければ、それは果たし様がない。
著者は、トップセールスパーソン千人にヒアリングをして、センスの中身を調査したらしい。それぞれの人は千差万別、セールスの仕方もバラバラだったらしいのだが、たった一つ、相手の立場に立って仕事をする、という所だけは共通していたらしい。そこから導かれた真理が、営業は感情移入ということらしい。
本書は非常に勉強になることが書かれているのだが、一冊の本にするために文章が水増しされているように感じるところがあり、どこか冗長に思えてしまう。営業資料の様にすっきりと書いて欲しかったのだが、それは色々と難しかったのだろう。
しかし、タイトルと目次は非常に明確で、実はここだけを読めば、ある程度内容が理解できてしまう。そういう意味では非常に整理された素晴らしい本だと思う。なので、いくつか目次から抜粋して本書の内容をまとめてみたい。
① 顧客の立場を想像する →自分の言いたいことではなく相手の聞きたいこと
② とにかく顧客接点を増やす →提案条件ではなく顧客状況を察知する
③ 「なぜですか」と聞ける勇気 →相手の真意を探って対応
① 我々の業界は特殊だという思い込み
② 時間や効率、顧客に対する価値観の違い
③ 失敗の原因を探るマネジメント不足
① 事前準備不足 →顧客がメリットを感じられる一言を考える
② 初回アプローチの失敗 →顧客が聞きたいことを考える
③ 決まった取引先がある →今の取引先のデメリットを聞き出すチャンス
④ 二回目以降訪問できない →売り込みではなく相手に情報提供をする
⑤ 質問に答えてもらえない →1メリット1クエスチョン
⑥ 顧客の本音が分からない →本音を察する地道なヒアリング
⑦ 顧客の優先順位が分からない →ブレる前提で幅広いアプローチ
⑧ 資料が捨てられてしまう →相手がメリットを理解できる資料構成
⑨ 主導権を握られる →相手の立場に立って言われる前に動く
⑩ 顧客に刺さらない →利益向上・労力削減・時間短縮・リスク回避の順でメリットを説明
⑪ 商談が延期になる →事前に察するための営業、延期になっても継続アプローチ
⑫ クロージングの価格競争 →顧客がなぜそう言っているのかを把握
① 知識力:全体図、関連性、相違点を押さえる
② 観察力:観察が提案や話題になる
③ 質問力:本音を引き出すクローズド・オープンクエスチョンの使い分け
④ 想像力:顧客が望んでいることを可視化する資料作成
⑤ 共感力:相手を尊重し、同意していることを相手に伝える
⑥ 記憶力:覚えていることを武器にする
Posted by ブクログ
今回の一冊は、営業は感情移入
横田 雅俊著を紹介します。
本書は、営業、セールスの本質は感情移入だと書かれています。
その感情移入とは具体的に何を行うことなのかが示されており、感情移入のポイント、顧客を訪問する際の事前準備やアポイントにおけるヒントやヒアリングの注意するところなど、営業を行う上での一連の流れでどうするべきかが書かれています。
営業マン1000人にヒアリングしただけあって、説得力はあります。
新人の営業マンも、営業経験豊富な方も振り返るという観点で読んでみると良いかも知れませんね。
人間力を付けたいと思ってる方も参考になる一冊です。
自分より顧客の利益を優先し顧客やその周りの人間関係含め、興味を示し、理解し、信頼され尊敬される人になるために感情移入力を身につけていかねばなりませんね。
Posted by ブクログ
この1年で、身に付いたことが文章としてまとめられてる本。
ちょっと割高感あるが、1,2時間で読める軽い内容で、営業初心者には割とこのくらいの内容の方がいいかも。
Posted by ブクログ
p21 感情移入について・・・
他の人の状況・立場・感情・動機を感じ取り、理解すること
自分を相手の立場に置き、感情を分かち合う能力
p40 「案件」ではなく「顧客」に目を向ける必要があります。
p47 では、顧客は営業担当者に何を求めているのでしょうか?
・・・「相談できる人」「プロフェッショナルとしてアドバイスしてくれる人」「有益な情報を持ってきてくれる人」が必要なのです。
p110 トップセールスは、アプローチの目的は情報収集だと考えています。
p115
営業アプローチの中で最も重要なのは「ヒアリング」です。
質問しても答えてもらえない原因は「相手が答えるメリットを感じていない」ことにあります。
p116 人が情報を与える動機は「何かいいことがありそうだ」「得をしそうだ」「メリットがある」という利益を得たいという欲求です。
p122 ヒアリング力とは「顧客のホンネを引き出す力」です。
・・・背後にある「欲求」を理解することが重要なのです。
p181 相手を尊重し、同意し、一緒に考える共感力は感情移入を身につけるうえで重要なポイントです。
p197 では、実際にどの程度顧客のことを知れば十分なのか?
その答えは「顧客より顧客のことを知る」ことです。
p205 感謝以上のレベルを実現してはじめて顧客のパートナーと言えます。
Posted by ブクログ
◇トップセールスの性格は明るい人も、暗い人もいます。人と話すのが好きな人も嫌いな人もいるのです。話をしていてユーモアがあって面白い人もいますし、面白くない人もいます。
◇Q.顧客に対して心がけていること、知るために行なっていること、顧客との関係を強化するために必要なこと。
A.顧客の表情の変化から何を考えているのかを予想して話す。常にお客様の頭の中に何があるのかを理解しようとしている。
最終的に1000人のトップセールスにヒアリングを行い、ひとつの結論に達します。トップセールスに共通する成功要因、それが顧客に感情移入をする意識と能力なのです。
◇顧客の考え方や、価値観を理解した上でアプローチをすることで影響成績は飛躍的に上昇し、私はトップせルースの仲間入りを果たしました。自己本位ではなく、相手が求める歩法とタイミングで接することが成果を上げる一番の近道だったのです。用意には理解できない相手を理解しようとする「感情移入」がブレイクスルーを可能にしたのです。
◇「顧客を理解する」という行為には2つのポイントがある。ひとつは顧客の置かれた「状況」に対する理解。もう一つは顧客の持つ「感情」に対する理解。
◇トップセールスと下位セールスのアプローチの違いを見ているとプロセスはそれほど大きく異なりません。決定的に違うのはアクションのタイミングです。顧客が何を考え、どう動こうとしているのかを理解してアプローチしている人は、先手を打つことができます。ところが顧客の考えや動きをわかっていない人は、すべてが後手に回ってしまい、「顧客に言われてから行動する」対処理型のアプローチしかできなくなってしまいます。
◇業界三位、四位の会社でも売れている営業担当者は必ずいるのです。
◇顧客た立場ゆえに言いたくても言えないことを聞き出すときには、注意深くあるべきです。無神経にストレートに質問をしたり、強気で探りを言えると顧客から嫌われてしまいます。ですから、顧客を気まずくさせる状況をつくるべきではありません。顧客に「この営業担当者は私の立場をわかってくれている」「言わなくてもわかってくれる」と感じさせてば良いのです。
◇売れない営業担当者は表面的なレベルでしか顧客の感情を掴んでいません。しかも、一度聞いた前向きなコメントが未来永劫続くかのような「錯覚」に陥っています。感情は変化するものですから、「前向きな気持ち」はすぐに変わってしまいます。提案を行った翌日に競合他社が訪問して、有利な提案をしたとすれば、自分たちに対する顧客の評価は簡単に変わってしまいます。感情の変化をリアルタイムで把握しなければアプローチの仕方を間違えてしまうのです。
◇顧客のパートナーととして対等にビジネスを続けるためには、信頼と同時に尊敬を勝ち取ることも重要なのです。決して威圧感を与えるべきではありませんが、「いつもきちんとこちらを見ていて、ちょとした変化も見逃さない人だ」という畏敬の念を持たれれば、「この影響担当者とは対等な関係でビジネスをしよう」という気持ちになってもらえます。
◇残念なことに「担当者と仲良くなればなんとかなる」と思い込んでいるベテラン営業担当者をいまだに見かけます。もちろん嫌われるのは論外ですが、もはや好き嫌いだけで発注してもらえる時代ではないことを肝に命じるべきです。
◇感情の変化に全く気が付かない「鈍感」な営業担当者は、うまく丸め込まれ、相見積の当て馬に使われた挙句、あっさり切り捨てられてしまう。売れない営業担当者の典型は顧客の反応に全く注意を払わず、ただ定められた営業プロセスに沿ってヒアリングし、提案し、見積もりを出すだけの、いわば自己完結型営業です。こういう人は「提案を出した後、どうなった?」と尋ねられても「まだ返答待ちです」「反応はありません」という答えしか出来ません。自己完結型営業が売れない理由は明白です。顧客の変化を感じ取って、変化に対応することができないからです。トップセールスは自分がアクションを起こした後、顧客の感情がどう変化したかを知ろうとします。感情移入して次の一手を的確に打ち、成約に向けてたたみかけていくためです。
◇ヒアリング、アポイント、プレゼンテーション、クロージングといった営業活動のすべてのプロセスにおいて、いくら手法を開発し仕組みを構築しても、営業担当者の感情移入力がかけている限り機能しないのです。感情移入力は営業活動のすべての土台になるものです。腐った土台の上に家を建てようとしても、いつか必ず倒壊してしまいます。それと同じことがいま、営業の世界で起こっていわけです。
◇顧客に目を向けるアプローチは、景気の善し悪しに左右されません。案件の多さ、少なさに影響されないのです。感情移入は顧客を知り、顧客を理解するというアプローチですから、「案件がないから顧客を訪問できない」という自体は起こりません。
もちろん顧客と合うためには何らかのメリットを与える武器が必要ですが、このアプローチなら具体的な商談がなくても基本的に定期的に接点を持ち、情報提供をすることができます。
継続アプローチの際、顧客の変化を把握するための情報を収集し、感情移入に結び付けるのです。顧客が潜在的に望んできるニーズを把握できれば、案件への早期参入を実現させることができます。
また、案件だけを追っている営業担当者は、案件がないと足を運ばないため、顧客が離反しても気が付きません。関係構築ができていないため、紹介をもらうこともできません。一方、顧客に目を向けてアプローチしている営業担当者は、顧客にぴったり張り付いて情報を掴んでいるので、価値ある提案をして信頼を獲得することができます。リピート受注や紹介ももらいやすく、価格競争の泥沼に陥ることもありません。
◇では、顧客は営業担当者に何を求めているのでしょうか?顧客はパートナーを求めているのです。出入り業者ではなく、「相談できる人」「プロフェッショナルとしてアドバイスしてくれる人」「有益な情報を持ってきてくれる人」が必要なのです。顧客のメリットを第一に考え、常に相談に乗ってくれる人から買いたいと考えるのは当然のことです。頼まれたことに真面目に、素早く対応するだけでは、パートナーとしてのポジションを獲得することはできません。
◇好まれる営業マン
商品知識が豊富→信頼できる→レスポンスが早い→役立つ情報提供→専門知識→良き提案→良き相談相手→適切なアドバイス→説明がわかりやすい→清潔
◇相談したい相手=顧客の利益を優先する人
◇安心感を与えるアクションの源泉は「顧客情報」です。顧客を知り、誰よりも理解しているからこそ、距離感を保ちながらも信頼を得ることができるのです。良い提案は情報から生まれます。
◇顧客のパートナーは、契約後に顧客を「ほったらかし」にしません。
◇SFAやCRMが急速に広がり、「プロセスを可視化して組織営業をすれば優秀な人材はいらなくなる」という意見が多数を占めました。「誰でも売れる仕組みをつくればいい」そうした主張に対して、私たちは「そんなことはない!」と一貫して叫び続けてきました。自分の感覚で好き勝手に売っていた営業担当者が、レベルアップをせずに、行くべきところからやるべきところまで全て指示されると、かえって売れなくなってしまうのです。やはり、トップセールスの資質や手法を共有し、営業の底上げを行うことが重要なのです。さらに、感情移入という資質は全ての営業担当者にとって必要不可欠なのです。
◇たくさん釣れる人は魚の生態や習性を詳しく知っていて、そうした根拠に基づいて釣果を上げているのだろうと考えていました。しかし、実際には自然は刻々と条件が変化するため、一般的な生態や習性などの知識だけでは釣れないというのです。「その場の状況に対応し、魚の気持ちになって考えながら釣る。」それが彼の結論だったのです。この考え方はまさに営業に通じるのです。
◇既存の取引先がある顧客にどのようにアプローチすれば良いのでしょうか?「すべての点で取引先に満足している顧客はない」という点に目を向けることができます。「その会社と取引するようになった経緯」や「なぜその会社を使い続けているのか」といった取引動機を把握する必要があります。さらに、顧客が抱いている何らかの不満や要望を聞き出すことが出来れば、突破口が見えてくるかもしれません。顧客の不満度を知れば、継続的にアプローチすべきか否かの判断も可能です。重要なのは最初のアプローチで断られても簡単に諦めないことです。売れない人は「この会社は無理だ」とすぐ諦めてしまうため攻略できないのです。
トップセールスは最初に断られることを前提に、その後どう攻略していくかと考えます。感情移入を働かせ、どうすれば顧客に入り込むことができるのかを考え続けるのです。この違いが、「決まった取引先がある。」という顧客の拒絶を乗り越えられるかどうかの分岐点なのです。
もちろん、聞き方には十分注意すべきです。例えば取引するようになった経緯は直接的に質問することができます。しかし、「どこかご不満があるんじゃないですか?」「いまの取引先のダメなところを教えて下さい」と質問すれば、相手の気分を害してしまうのでしょう。自分が使っているものをけなされると人は腹が立つものです。
◇継続アプローチできない理由上位3つ。訪問理由がない、訪問ネタがない、断られたばかりで行きにくい。⇒会話の準備をすればよい、毎回相手をうならせるような情報を持っていく必要はない。
◇顧客が商品やサービスを購入する時期は、営業担当者が決められるものではありません。顧客自身が決めるのです。したがって、営業担当者は顧客が必要とするときが来るまで継続的に接触を続けていくことが重要です。そのためにはアプローチの目的を「売り込み」ではなく「情報収集」にすべきなのです。
◇営業アプローチの中で最も重要なのは「ヒアリング」です。ヒアリングの質が提案の質に直結するからです。質問すべきことを聞かずに商談を進めると、大きなトラブルにつながったり、勘違いが発生したりします。契約が延期になったり、突然競合に負けてしまったりするのはヒアリングが不足しているからです。そのような意味でヒアリングは営業プロセスの中で特に強化すべきポイントであると言えます。
◇顧客のパーソナルスペースに入り込み、深いヒアリングを実現させるためにはカットインが不可欠です。カットインは「ワンメリット」「ワンクエスチョン」のセットで考えます。「ワンメリット」とは、相手にメリットを感じさせる訪問や質問の目的を一つの短いセンテンスにまとめること。「ワンクエスチョン」はワンメリットに関係した、相手の共感を呼ぶ質問をすることを指します。「答える意義」を提示し、答える価値とメリットがあることを伝えられれば違和感はなくなるはずです。
◇会うたびに顧客の優先順位は変わる。
◇プレゼンテーションは「対話」の機会と捉える。
顧客が知りたいことを、知りたい順番で、知りたい方法で簡潔に。
目的は相手を動かすこと。感情移入で「刺さる」提案を。
◇途中で話を遮って顧客が質問しだしたときは危険信号。こちらの話にしびれを切らせている。的を外している。魅力的でない。
◇顧客が知りたいことを突き詰めていくと、購入するメリットと費用に集約される。
◇言われて行動したことは、顧客から見れば「当然のこと」です。「言われてから動く営業担当者」は「言わないと動かない営業担当者」と同じです。言われる前にこちらから動くことによって顧客は価値を感じ「ありがとう」と感謝の気持ちを抱くようになるのです。競合他社と競った時、「言われてから動く営業担当者」は、どうしても価格や条件だけの争いになってしまいます。