【感想・ネタバレ】超怖い物件のレビュー

あらすじ

古民家を買った男は、なぜ家の中にある氷室のことが気になってならないのか(宇佐美まこと「氷室」)。自殺した妹の部屋が、しばらく後に訪ねていくと、元通りに復元されている(神永学「妹の部屋」)。家の中に真ん中にある座敷牢は、誰を閉じ込めるためのものだったのか(黒木あるじ「牢屋」)。その家は、何か変だ(平山夢明「ろろるいの家」)。

当代随一の作家たちが紡ぐ、「超怖い」物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

寝る前に読むんじゃなかったと後悔しながらこの感想を書いています。
物件怪談アンソロジーということで、色んな怖さを楽しめる贅沢な1冊でした。
勿論怪異の存在はあるのですが、所謂ヒトコワでしたり伝染系に近いお話もあって驚きました。
個人的に終の棲家、ろろるいの家はちょっと怖すぎて数回本を閉じそうになりましたね。続きを読みたいけど、これ以上読んではいけないような、好奇心と恐怖心の狭間ってここかぁと思いながらも結局全部楽しく読んでしまいました。
郷内心瞳先生のトガハラミはあまりにも文体が艶やかで感動しました。果物を食べる様子をあんなにもセクシーに書くことができるなんて…。郷内心瞳先生は今回はじめましてだったので、また別の作品も読んでみたいと思いました。

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「物件」に関する怪談小説のアンソロジー。おすすめ作品
神永学『妹の部屋』死んだはずの妹の部屋がいつしか復元されている。おかしいのは自分か、家族か。ミステリ要素のあるホラー。
澤村伊智『笛を吹く家』一番おすすめの作品。ラストにどんでん返しがあるホラーミステリー。
郷内心瞳『トガハラミ』人間に取り憑いて人を喰らう物の怪、トガハラミの話。ラストシーンの伏線回収が美しい。語り手は美佐子に憑いたトガハラミで、「姉」はトガハラミが見せていた幻覚ではないか。
芦花公園『終の棲家』最後の一文にゾッとする。怪異は話を聞いた者に取り憑き、伝染する。
平山夢明『ろろるいの家』実話怪談風の作品。短編集の中で一番怖かった。最後のページで恐怖が一気に襲ってくる。

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2022年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物件を起点にするホラーは、幽霊ものと同じく特定の場所(人物)が要因なため、読んでいる限りは真実「対岸の火事」で楽しめる…からこそ、絡め手も被るよね、などと。
アンソロジーだけに合う合わないを感じるが、比較的前者が多くてよきかな。

『旧居の記憶』福澤徹三
『笛を吹く家』澤村伊智
『終の棲家』芦花公園

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

テーマに惹かれたのと、澤村作品目当てと、ホラー作家を発掘したくて手に取った。

イマイチなものもあったが、いくつか好きな話が読めたのでトータルでは良かった。
芦花公園先生の「終の棲家」がとても良かった。この人の作品は他にも読んでみようと思った。

①氷室
家のつくりはワクワクしたが、主人公の罪は余計だった気がする。地域活性化おばちゃん大暴走のサスペンス仕立てで最後に元住人に殺されるの方が良かった。途中からカラクリが見えてしまったし、おじいちゃんが普通に話し始めた時点でちょっと冷めちゃった(笑)

②倒福
軽い読み物としてはギリギリ許せるけど、詮の文字を小さくしてほしかった。読むのに邪魔過ぎた。倒福の意味を調べたけど、この手紙にこのタイトルをつけた意味はよく分からなかった。

③旧家の記憶
自著の宣伝とおじちゃんの思い出話。これはテーマに沿わないし、バラバラとまとまりがない上に、時々下ネタを挟まずにはいられないらしく不快。我慢して読んだが全然面白くなかった。私がスナックの従業員でお金貰ってるなら聞いてやってもいいというレベルの内容。

④やなぎっ記
自動餃子焼きマンに和んでたのに最後怖かった。この女性の襲撃は本当にあったのか教えてほしいです。怪談系っておかしな人も寄ってくるよな〜と思いつつ、順不同で読んでいたので恐ろしい話の後だと人の日々の営みを感じていくらか癒された。創作だとしてもよく出来てる。こういう顔文字使いまくるヤバ過ぎるおばさんは実在する。

⑤たかむらの家
匂いが漂ってきそうな良さがあった。雰囲気があったし、花の腐った匂いというのが良かった。ただ最後の殺人は絶対バレると思う。そしてこの妹は牢屋に入っても生き霊飛ばしてきそうなので、捕まる前に兄に殺されるのではと思う。でも死んでも会いに来そう。家を処分して引っ越したらワンチャン助かるかも。

⑥妹の部屋
元々の家族が異常過ぎて、殺された妹にも同情が湧かない。彼氏も揃っておかしくなるのはちょっと都合が良過ぎるし、最後の方の描写は中高生が書いているように稚拙なヒトコワに感じた。異常な家族で終わらせた方が味わいがあったかも。

⑦笛を吹く家
シンプルに笛吹家が怖かったので、霊的ホラーなままにしてほしかった感がある。オチで冷めちゃったが、家の描写は流石だった。だからこそちゃんとホラーとして、もっと読みたかった。

⑧牢家
なぞなぞみたいで面白かったが、大量行方不明事件の時はごっそり食べ切って、前2つの事件では食べ残しがあったのは何故なんだろう。

⑨トガハラミ
一番描写がグロかったので二度目はもう読みたくない。話は面白かった。性をこじらせると殺人衝動になりやすい、みたいな話は聞いた事があるけど、主人公はなんだか気の毒だったな。相手の男の子ももっと可哀想。セックスは第三者目線で見るもんではないよなぁ。トガハラミの場合は、性的本能が食欲に結びついちゃう感じだったな。
毎夜仏壇の果物をくすねて外に出てる娘に母親が気付かないはずないと思うので、姉()の元に通ってたのは夢の中だったかもしれないな。

⑩終の棲家
怖かったし面白かった。女医さんが統合失調症のおばあちゃんの話を冷静に分析しながら、少し面白がって聞いていたらそれは死の呪いだった…というのがいいし、もっていき方も鮮やか。ゾッとする描写が多くて頭に残った。なにより読みやすかった。

⑪ろろるいの家
海外の悪魔ものに近い印象を受けた。あまりに絶望的でこれはちょっとしんどい。インパクトはあるが。子供や犬を平気で殺すところが容赦なかった。改行もせずに書き切っているところに自信を感じるが、そこまで魅力は感じなかった。もう少しこう…希望がほしい。最後の儀式のくだりで何故そうなったのか答えが欲しかった。家庭教師は話さえしなければ逃れられたのか。なにもかも幻覚にして、一瞬助かりそうな気配を見せておいて「どう足掻いても逃げられないよ」と落とす展開は一周回ってB級ホラー映画でよくあるので、好きじゃないな。
そもそも主人公がこの女性から電話を受けて、詳しくは他の者に連絡させる…と始まって、昔大学生の頃話を伺った回想が入って、最後また電話で終わるのがよく分からなかった。結局詳細を電話で聞いたという事でいいのか?最後の方は話してたよな。

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2024年11月21日

Posted by ブクログ

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家についての怖い話短編集。わりと家より人間メインみたいな話も多かったけど面白かったです。
個人的には「笛を吹く家」、「トガハラミ」、「ろろるいの家」が個人的に性癖に刺さります。
ろろるいの家とトガハラミは結構ファンタジー味が強いかも

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み応えのあるホラーオムニバス
好きだった話抜粋

「氷室」
途中でオチは読めたけど更なるオチがついてるとは…読んでくとひんやり感が伝わってくる

「旧居の記憶」
昔住んでたとこ変なこと多くて〜心霊現象多かったンスよ〜で済んでいいのか分からない作者の体験記
かつてのノスタルジックな情景を思い描きながら読んでくとオチに突き落とされる

「やなぎっ記」
怖くて((((('Д')))))泣いちゃう(ToT)/~~~

「笛を吹く家」
3歳の息子と散歩した時に思いついた創作って始まるのが怖い

「終の住処」
この作者結構な確率で読者巻き込む

「ろろるいの家」
文章の密度が凄い。他の作品と比べると凄いみつしりしている。"ろろるい"の意味が分かった時の「ああ…」な終わった感。この短編が1番好きかも


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2023年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こわかった!
ほぼほぼ全部怖くて、また新たなホラー小説の楽しみを知られたな!という感じ!他のお話も読んでみたい作家さんも増えて、よかった。

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2022年10月18日

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