【感想・ネタバレ】活版印刷三日月堂 海からの手紙のレビュー

あらすじ

小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。物静かな店主・弓子が活字を拾い、丁寧に刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い……。活字と言葉の温かみに、優しい涙が流れる感動作。
静岡書店大賞を受賞し、話題沸騰の人気シリーズ、待望の第二弾!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きなシリーズ第2弾。
今回も優しさの連鎖が止まらない。
その優しさにふれる度にまたまた泣かされた。

パソコンで文章を打ち込んでいると、文字はパターン化されているので文章も簡単に作れる。
活版印刷を知れば知るほど、"文字"の無限の可能性と奥深さを思い知る。
壁一面にそびえる活字の棚。
想像を遥かに越えた圧倒的な量には声も出ない。
その莫大な量の活字を積み重ねて出来上がる言葉達。
何から何までが手作業。
作った人の手の温もり、紙の手触り、インクの香り。
印刷物を通してダイレクトに伝わる、その全てが柔らかく優しい。

「印刷物は言葉の仮の姿だと思うんです。『残す』というより、言葉を複製し、多くの人に『届ける』ことが目的。ほんとうに大事なのは言葉ですよね。その紙がなくなっても、書かれていた言葉が人の心に残れば、それでいいと思うんです」
弓子の言葉通り、今回もこの印刷物・本を通して沢山の優しさが私の心に届けられた。
生きることは儚い。
時に辛いこともあるけれど、人と人との縁に希望の明かりを見出だせた。

赤ちゃん用の「ファースト名刺」の話『あわゆきのあと』が一番印象的。
"あわゆき"という春が来ることを願う素敵な名前と家族の想いに何度も泣かされた。
弓子達が作った豆本『貝殻』が見てみたかった。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ二作目。活版印刷を通して人と人が繋がっていく物語。「ちょうちょうの朗読会」「あわゆきのあと」「海からの手紙」「我らの西部劇」の5編。どのお話も良かった。最後のお話の中の「書いた人も、組んだ人ももうここにいないのに、版が残ってる。これを刷れば、言葉が浮かび上がってくる」この一文は本当に感慨深い。データとは違い、手で触れて感じることが出来るからこそ、胸に迫るものがある。余談だが、お父様の残した資料をヒントに「我らの西部劇」の物語が出来たのだろうか。ここにも「繋がり」を感じる。

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2020年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の話が一番グッときた。理解しあえない不器用な親子が少し歩み寄り、魂が版に、そして本によみがえる。本ってやっぱり宝物やなぁ

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2020年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ2作目。
各々のお話を読み終えたあとに、改めて扉絵の写真を見るとその意味が分かる。伝わってくる。「あわゆき」なんかは特に。最後の「西部劇」のお話が好きだったな。好きな世界に没頭し追いかける姿とか、仲間内で盛り上がってる様子が目に浮かぶ。

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2023年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 あまんきみこさんの作品が出てきて、懐かしさが込み上げました。私も子供のころ読んだし、息子達にも読み聞かせしたなぁ…

 登場人物が、いい人ばっかりで、しかも、同じような性格の人が多く、出来すぎ?って感じもするけど…活版印刷に興味を持った人が集まるんだから必然かも知れない。
その中ではちょっと違う、「あわゆき」のお話しは、良かった。
悲しいこと辛いことを経験し、そこはもう通り過ぎて、もう一歩踏み出そうとする過程を描いているのだろう。

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2020年04月07日

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