あらすじ
本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。今回はその昔、小さな出版社から刊行された幻の児童書『空の童話』をめぐって、優秀な兄に追いつこうと頑張ってきた若い漫画家の物語、なぜかおやゆび姫を育てることになった編集者の物語、閉店が決まった老舗の書店の書店員と謎めいたお客様たちの物語、そして老いた医師が語る遠い日の夜桜の物語の四作を収録。大人気シリーズ待望の第4弾。
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。今回はその昔小さな出版社から刊行された幻の児童書『空の童話』をめぐって、優秀な兄に追いつこうと頑張ってきた若い漫画家の物語、なぜかおやゆび姫を育てることになった編集者の物語、閉店が決まった老舗の書店の書店員と謎めいたお客様たちの物語、そして老いた医師が語る遠い日の夜桜の物語の四作を収録。感動の声が続々寄せられる大人気シリーズ、待望の第四弾。
【感想】
Posted by ブクログ
思春期を迎えた娘たちが相変わらず絶賛する「コンビニたそがれ堂」シリーズ。
4作目「空の童話」を迎えてやっと、このシリーズは絵本を手にしなくなった大人のために書かれた、心をふるわせて子ども心を取り戻させてくれる絵本的物語なんだと納得。
2話目の「おやゆび姫」ではコンビニたそがれ堂で「おやゆび姫栽培セット」を買った織子さんが、本当におやゆび姫とくらし始めるお話で、一般常識的には「ありえない話」なんだけど、シリーズ4作目ともなると、「ああ、そういうこともあるかもねと」とすんなりこの不思議ワールドを受け入れてしまえる自分に気づく。
それどころか、親指姫にお洋服を作ってあげたり、ごはんを食べさせてあげたりしている織子さんがうらやましく思えたりもして、温かい目でなりゆきを見守ってしまう。
3話目の「空の童話」では悪の秘密結社に所属する小鳥遊(たかなし)さんに科学が進んだ星からやってきた善き宇宙人スミスさんまで登場するが、そんな突拍子のない設定までもどんとこいと受け入れられてしまう。だって、このシリーズは大人のためのファンタジー小説なんだもの!何でもあり!
老舗の書店の行く末も気になるところだけど、ひとつの滅ぼしきるほどの力を持ついにしえの『生物兵器』も登場して。。。めくるめくファンタジーの世界を堪能できる。
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。
『空の童話』を軸に漫画家、編集者、書店員等本に纏わる人々のエピソードが紡がれていきます。
私自身、子供の頃に児童書に沢山の夢と勇気を貰ったので、作中で登場人物達から語られる児童書への思いには共感するところも多かったです。
どのエピソードも良かったですが、『おやゆび姫』がお気に入り。
幼少期から今に至るまで、常に本は身近にありましたが、改めて本の素晴らしさや愛おしさを感じさせてくれる、優しさに溢れた作品でした。
『空の童話』読んでみたいな。
Posted by ブクログ
コンビニたそがれ堂第四弾。「追いつけない」は兄を慕う弟の気持ちが奇跡を起こした。短い話だったが一番よかった。「おやゆび姫」はおやゆび姫がうちにいてドールハウスの品物を使ってもらえるこんな夢みたいなことがあればいいなとほっこりした。「空の童話」は閉店することになった町の本屋さんの店員と常連の客との間で奇想天外な話が盛り込まれていて結局続けることになった話。現実離れしすぎていたが、言葉の端々にはっとさせられた。「神はそのひとが乗り越えられる試練しか与えない」「ほんとうに大切な願い事は言葉にしなければいけない」
Posted by ブクログ
この作者さんの本を読むと日々淡々と過ごして忘れていた部分を思い出させてくれます。今回は本に関わるひとたちの苦労と問題がメイン。スミスと小鳥遊さんがなかなかいいひとで、他のシリーズのひともちらほら出ていて読んでないのも気になりました。少しずつ風早シリーズ制覇したいです。
Posted by ブクログ
カフェかもめとたそがれ堂を続けて読んで。
ほっこりするなぁ。
4つのストーリーに共通して「空の童話」という本が出てきます。
子どもの頃に読んだ童話が影響するって
その人を形作っていくっていうのがなんかいいなと。
”追いつけない”のお兄ちゃんが本を抱いて泣くシーンは切ないね。
本を汚されても怒らずガマンしているとこが。
”空の童話”の斎藤さん。書店員。
町の本屋さんのことを知っていただけに
なんだか親近感がわくとこもあったなぁとしみじみ。
p176に風早の街の言い伝えが要約されている笑。
他作品を読んでたら、くすっとなる感じ。
Posted by ブクログ
空の童話にまつわる思い出をもった人たちがたそがれ堂に訪れます。ほかの作品とのつながりがいろいろからんでいたりしてほかの村山さんの作品を読み返したくなりました。
Posted by ブクログ
追いつけない
各務原航
売れっ子漫画家。
各務原徹
五歳年上の航の兄。新聞記者を辞めて、フリーのジャーナリストになった。
おやゆび姫
佐伯織子
二十九歳のごくありふれた働く女性。「干物女」なんて呼ばれる、多少潤いのない生き方をしている。
五所川原
織子の隣の部屋の住人。大学病院の獣医。
編集長
白柳者の社長兼編集長。
猫森ひろの
織子の向かいの席のサブカル形に強い若手編集者。
空の童話
斎藤丈司
北国育ち。在心堂書店の書店員。
在心堂書店の店長
毛糸の帽子を頭に載せてるいるおじいさん。
衿子
斎藤の奥さん。自宅で校正の仕事をしている。
翔太
斎藤の息子。
小鳥遊
悪の秘密結社の構成員。世界を恒久の平和に導こうという悲願を持っている組織。
スミス
謎の大男。遠くの宇宙からやってきた、善意の宇宙人。
ペンギン
新兵器。ヒグマほどの大きさに巨大化し、陸上と水面下を高速で動くことができる。くちばしと翼には、コンクリートを粉砕するほどの力がある。
エンディング〜花明かりの夜に
若い女医
千鶴。小児科医。
院長先生