中原英臣のレビュー一覧
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■遺伝性の強い4つの性格(クロニンジャー)
①新規性探求(好奇心に基づいて探求する)
②損害回避(危険を避けようとする)
③報酬依存(社会や周囲に適合しようとする)
④持続性(熱心に続け固執しようとする)
・①はドーパミン、②はセロトニン、③はノルアドレナリンなどの脳内物質が大きな役割を果たしている
■ドーパミンは「心のアクセル」。ドーパミンが放出されると新しいことや珍しいことに興味を持って突き進んでいく。このドーパミンが放出されたとき、次に結び付くのがドーパミン受容体で、その受容体にいくつかのDNAタイプがありそれらが性格に関係している。
ドーパミン第4受容体関連遺伝子の中にあるアミノ酸配 -
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人間の性格を決めるのは、脳内伝達物質であり、それに関連するDNAを調べれば、科学的に性格が診断できる。
性格診断と言えば、血液型による性格診断がもてはやされているが、血液型性格診断を信じているのは日本人くらいのものであり、その他大勢の外国人は、このようなDNA性格診断の活用が進み、カウンセリングや職業適性、進路選択などのアドバイスも、科学的な分析をベースに行われるようになってきている。
具体的には、人間のやる気に関係するドーパミン、不安傾向に関係するセロトニンを分析し、性格を診断する。ドーパミン受容体のタイプとセロトニン・トランスポーターのタイプによって
①楽観・新奇性型:ドーパミン繰り返し2 -
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親が子を助けるようとすることも、自己犠牲的愛情ではなく、遺伝子に組み込まれていたため。
私たちヒトの身体も単なるDNAの乗り物にすぎない。
とすると、ヒトである私たちの言動、思考、判断も自分のものではなく、この身体を乗り物にしているDNAによるものなのか。
この本の感想を書いていることもそうであるならば、驚きである。
進化論はダーウィンの「種の起源」で終わっていない。その後新しい発見が起きている。これに気付かないのはもったいない。
ゲノム解析の恩恵は私たちの生活を思いもよらぬ方向へ進化させるのか、これから発表される説が楽しみになる。
追記
この感想を書き上げた直後にTwitterで見つ -
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著者は慈恵医大卒の医師で、本書は45の自覚症状が危険かどうかを自己チェックできるようにまとめています。
内容は、「医師がどのような思考で病気の目星をつけているのか」を入口にして論を展開していました。
例えば腹痛なら、痛む場所、いつから、熱はあるかなどを聞き、それらの上から病気を絞り込んでいきます。
記載されている症状は、食欲不振、睡眠困難、体温の異常から、筋肉痛、めまい、しびれなどで、日常生活で見かけるようなほとんどの症状が網羅されていました。
病院に行くべきかどうかを判断できるように工夫され、文章も読みやすく「動線の良い」本だと思いました。 -
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進化論に関するこれまでの議論とそれぞれの現時点の見解をまとめており、頭の整理をするのに役立つ。著者が提唱するウィルス進化説を紹介している最終章は、進化が断続的であることなどの謎を解明できそうで興味深い。
・ヒトのDNAではジャンクが70%を占めており、ジャンクの半分がウイルスの名残であるレトロトランスポゾン。
・脊椎動物に広く存在するが、昆虫や植物には全く存在せず、バクテリアの遺伝子に似ている225の遺伝子が見つかっている。脊椎動物が昆虫や植物から枝分かれした後に、いくつもの遺伝子がバクテリアから脊椎動物に水平移動したと考えられる。
・B型肝炎ウイルスの遺伝子型は、西日本から中部地方、中国北 -
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遺伝子学から振り返るダーウィン進化論。全ては最終章にある自説のウイルス進化論に引っ張るための誘導に見えなくもないが、『進化論が変わる』としたタイトルは言い得て妙であり、ダーウィン進化論が如何に補足・修正・検証されてきたのか、進化論の歩みが追える良書。特に5章の進化論の五つの論点「生物は進化に対して受動的か能動的か」「進化は競争の結果か協調の賜物か」「進化は偶発的な出来事か必然的な出来事か」「進化は連続的な出来事か必然的な出来事か」「進化の主体は何か」に関しては、答えが出ていないものが殆どなのだが、自分が進化論に対して感じていたモヤモヤが言語化されていて、一段理解が深まった気がする。
キリンの首 -
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感染症学を専門とする医学博士が、昨年国内外の注目を集めた、エボラ出血熱、デング熱などの各種の感染症について解説している。
書名から想像されるような、エボラ出血熱の感染の現場のルポルタージュのような記述はなく、各種の感染症について、原因(細菌、ウイルスなど)、症状と致死率、感染源と感染ルート(動物や昆虫、人間、病院、食べ物など)、予防(ワクチンなど)と治療薬(抗生物質、抗ウイルス剤など)について細かく説明されており、「感染症小辞典」というような内容となっている。
取り上げられている感染症は、エボラ出血熱、デング熱、西ナイル熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTF)をはじめ、マールブルグ熱などの新し -
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健康診断の正常値、天気予報の的中率、テレビの視聴率、消費期限、失業率、有効求人倍率、平均寿命などの数値を取り上げ、検討していく。
タイトルからして「嘘を見破る」と、糾弾調を感じるのだが、何かはじめに結論ありきな感じ。
リサーチ・リテラシーを身に付けたくて読んでいる立場からすれば、説明が不親切なところがあって、惜しまれる。
例えば、1章のスタチン剤(心筋梗塞を防ぐ薬)の効果を検証するくだり。
プラセボ投与グループと比べ、スタチン剤投与グループは31%発症率が低かったというデータをまず紹介し、しかし発症率の実際の数字を比較すると2.4ポイントの差しかない、と説明されていく。
「31%」という結果 -
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「新・進化論が変わる ゲノム時代にダーウィン進化論は生き残るか」中原英臣/佐川 峻
ブルーバックス・生物学。
棚-ubjap
進化論、概説。ダーウィン以前の進化論から、様々な議論を紹介し、ひとつの提案として著者2人の「ウイルス進化論」を提示します。
…実はレビューを書く前にネットで検索してしまって、「ウイルス進化論」がトンデモに近いような扱いをされていることを知ってしまったので、レビューを素直に公平に書けなくなってしまった、。
進化論の基本をベーシックに説明しつつ、今西錦司の「棲み分け」の理論、木村資生の中立進化説なども取り上げます。
ダーウィンの進化論で述べられる、「生存に適した突然変異 -
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「ヒトゲノムのすべて」3
著者 中原英臣
出版 PHP文庫
p196より引用
“それは、もうそろそろ目先のビジネスだけでなく、
もっと夢のあるテーマに取り組んではどうかということです。”
医師である著者による、
DNA解析に関する事柄について書かれた一冊。
ヒトゲノムに関する基礎知識から遺伝子組み換えの問題点まで、
食べ物などの身近な事からわかりやすく書かれています。
上記の引用は、
科学する楽しさについて書かれた項の一文。
あらゆる事をビジネスチャンスとしてとらえ、
経済効果ばかり重視されている状態はいかがなものかと思います。
経済が回らなければ世間が困るのはわかりますが、
実