あらすじ
「21世紀はゲノム(遺伝子)情報にもとづく新しい生命科学の時代だ」といわれている。「ゲノム」とは、生物ごとの固有な遺伝情報のワンセットをさす言葉であり、したがって、「ヒトゲノム」とは、人間の全遺伝情報のことである。現在、世界の最先端で行なわれている「ゲノム解読」は、いったい人類に何をもたらすのか? 「ゲノム研究」によって加速される、「遺伝子組み換え技術」の置かれている現状と行方とは? 「遺伝子治療」の進展によって、難病の克服は可能となるのか? それはどのようになされるのか? さまざまな注目が集まる中で、今日もこの分野の新しい研究成果がもたらされている。最先端の世界を知り、未来が持つ可能性に読者をいざなう、コンパクトな入門書。
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Posted by ブクログ
「ヒトゲノムのすべて」3
著者 中原英臣
出版 PHP文庫
p196より引用
“それは、もうそろそろ目先のビジネスだけでなく、
もっと夢のあるテーマに取り組んではどうかということです。”
医師である著者による、
DNA解析に関する事柄について書かれた一冊。
ヒトゲノムに関する基礎知識から遺伝子組み換えの問題点まで、
食べ物などの身近な事からわかりやすく書かれています。
上記の引用は、
科学する楽しさについて書かれた項の一文。
あらゆる事をビジネスチャンスとしてとらえ、
経済効果ばかり重視されている状態はいかがなものかと思います。
経済が回らなければ世間が困るのはわかりますが、
実態の無いものにも商品価値がついて経済が回っている状態が、
あまりにも当たり前になってしまうのは怖い状況なのでは。
ゲノム解析に関しては、
知的所有権ビジネスや生物資源の持ち出しが問題のようです。
難病や食糧問題の解決に役立つことになるはずの、
ゲノム解析という科学技術が新たな諍いを生み出さないように、
関わっている人はなんとか上手いことやってほしいと思います。
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