舞台背景や設定は非常に魅力的。
登場人物も味方陣営も一巻からどんどん死んで行くのもダークファンタジーと銘打っているだけはある。
ただ、死んでは行くのだが如何せん各キャラの掘り下げや活躍等がほぼ書かれていないので、死んだところで、あぁ!?ここで死んじゃうのか!!と言った惜しさには全く繋がっていないのが
...続きを読む勿体ない。せめてこの巻である程度活躍や主人公と絡ませてから退場させれば……
また、主題にもある魔女だが、今巻では捻りも何も無く当初の予想通りの人物が魔女。
まぁ魔女が誰か分からず、招待を推測しながら探して行く…的なミステリー物ではないから贅沢は言えないですが、何とも拍子抜け感。
最後に主人公。
優しい暗殺者(見習い)で、一族の価値観を否定し
「この力は大切な人を守る為に使いたい」
まぁこれはこれで、暗殺者家系のくせにクリーンな主人公、ありだとは思います。
しかし途中であった『殺人が怖い』的描写、これがある事によって、↑の信念がただの殺人忌避からくる言い訳にしか聞こえない。終盤の魔術師戦で、状況的に限りなく主の危機なのにやはり殺せず。唯の口先立派なヘタレの爆誕。
かと思えば結局本巻最後で主は殺され、その後内面の葛藤等も特に無く裏切り者をサックリ。
全体的に話の展開スピードが速過ぎ、
加えて心理描写や対人関係の描写が薄い為、
結果登場人物の誰にも感情移入出来ず、内容を淡々と追うだけとなり読後感が非常に淡白になってしまっている。