あらすじ
その絵本を読む者は悪(ヴィラン)に染まる
「赤ずきん」の嘘つきオオカミ、「白雪姫」のいじわる王妃、「青髭」の殺人公爵など、童話やおとぎ話の悪役たちが勝利するという最悪の結末が描かれた絵本【ワーストエンド・シリーズ】。
その中に棲む悪役たち(ヴィランズ)は、絵本を所有した人間に取り憑き、その醜い欲望を剥き出しにする――。
親友の失踪、バスジャック事件、高校生・笠木兼亮の周囲で起こる異変の数々は、これから始まるさらなる事件への前兆だった。そして、蒼い目を持つ少女・帯刀月夜と出会った瞬間から、彼は不可思議な戦いの渦に巻き込まれていくことになる。悪役(ヴィラン)に借り受けた異能力を使い、罪を犯す者と、それを阻止する者たち。互いの能力を駆使し死力を尽くした戦いの幕が上がる。
第5回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞受賞『こうして彼は屋上を燃やすことにした』で鮮烈なデビューを飾ったカミツキレイニー、待望の新作!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これは悪役の物語。話しの序盤、展開、設定が良かった!新鮮で読みやすかった。ヒーローとダークヒーロー、主役と悪役、ハッピーエンドとバッドエンド。これがこの作品の醍醐味であると思います。表と裏、プラスとマイナスのように正反対のものだけれど実はとても近くて少しのきっかけでどっちでもなれることを読んでいてふと思いました。そしてすべての原点にあるのが「絵本」。これからの展開が面白くなりそう。
Posted by ブクログ
悪役(ヴィランズ)に焦点を当てた絵本に纏わる物語。
まず表紙に目がいった。青い双眸に見つめられるその様はまるで本編よろしく、心を見透かされている――いや読まれているかのよう。
誰ものヒーローで在り続けようとした者。そのヒーローに憧れ、友達になろうとした者。ヒーローの大事な唯一の家族――。
そして、それを歪み、壊していく『絵本』。
一つ一つが重要なファクターで、それが絶妙に絡み合い、不協和音を奏でながら、物語を構成・展開していく様はすごいと思った。
何より、文章構成が巧いため、非常に読みやすい。
最後の展開もちょっと奇をてらうものだったと個人的には思います。。これ以上は過剰なネタバレになってしまうので伏せるけど、これはぜひみんなにも読んで欲しい作品です。
一応現代異能バトルものだけど、バトルシーンが主軸ではなくてあくまで『物語』が基盤なので、『絵本』の所有者の葛藤する様を感じて欲しいです。
Posted by ブクログ
全5巻完結。
色んな童話の悪夢がグロテスクに顕在するのが面白かった。少女の口に指を入れて銃を取り出す、とか、JKがスカートの中に手を入れて産んだ卵を取り出す、とか、
あと、お下げ髪でやる気の無さそうな生駒千鳥があんなことになってからがとても良かった。
『不思議の国のアリス』いいところ持っていった。
Posted by ブクログ
童話をモチーフにした学園異能バトル。
シリーズものの1巻らしい感じで、異能の解説やキャラの紹介を上手く挟みつつ、ストーリーも良い意味で分かりやすい展開で良かったと思う。
「本当は怖いグリム童話」的なネタを使うのであれば、もう少し作品の背景とか解釈なんかに踏み込んでほしかったなと。今作は「赤ずきん」がメインでしたけど、少女を襲う狼というモチーフの怖さがイマイチ伝わってこなかったですね。
とりあえず続刊に期待。
Posted by ブクログ
悪役の力を借りれる絵本を利用して盗まれた絵本を探す異能力バトルもの バトルものですが、バトルより独特の雰囲気を楽しむ系
魅力的な悪役の物語が魅力的にならないわけがおはなし 童話モチーフ美味しい
Posted by ブクログ
『こうして彼は屋上を燃やすことにした』のカミツキレイニー最新作。
前作と違って学園異能バトル?
って最初は思ったけどちょっと違う感じですかね。
絵本を使った異能設定といいお話のまとめ方といい、
ああ、なんかこんな感じの作家さんだったなと思う感じ。
所々たどたどしく感じる部分もありましたが、
読み終わってみると面白かったなぁと感じる。
やっぱ作風的に微妙に暗いんですが、
会話など笑っちゃう部分もありつつバランスは良かったかと。
ちょっと脇役を持て余してる感がありますが、
続編が出るようなので徐々にってイメージでしょうか?
とりあえず続編楽しみに待つくらいは面白かったです。