あらすじ
使命は、厄災の魔女たちを味方につけること。
農園と鍛冶で栄える小国キャンパスフェロー。そこに暮らす人々は貧しくとも心豊かに暮らしていた。だが、その小国に侵略の戦火が迫りつつあった。闘争と魔法の王国アメリアは、女王アメリアの指揮のもと、多くの魔術師を独占し超常の力をもって領土を拡大し続けていたのだ。
このままではキャンパスフェローは滅びてしまう。そこで領主のバド・グレースは起死回生の奇策に出る。それは、大陸全土に散らばる凶悪な魔女たちを集め、王国アメリアに対抗するというものだった――。
時を同じくして、キャンパスフェローの隣国である騎士の国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。レーヴェの王を誘惑し、王妃の座に就こうとしていた魔女が婚礼の日にその正体を暴かれ、参列者たちを虐殺したのだという。
領主のバドは “鏡の魔女”の身柄を譲り受けるべく、従者たちを引き連れてレーヴェへと旅立つ。その一行の中に、ロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、ありとあらゆる殺しの技術を叩き込まれ、キャンパスフェローの暗殺者として育てられた少年だった……。
まだ誰も見たことのない、壮大かつ凶悪なダークファンタジーがその幕を開ける。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
魔法の力を独占し、領土を拡大しようとする強国とそれに争おうとする弱小国家の情景描写がよく出来ている。世界観がミッシリとしているので、まさに本格的なダークファンタジー。
しかも容赦なく人が死んでいく。色々と死んでいく。それぐらいに使われている魔法は残酷で、ダークファンタジーの良さが出ている。
世界観の描写もよく、それぞれ国の特徴的な部分も詳細に書かれているので想像がしやすい。どんな人たちが生きて、どんな生活をしているのかよく分かる。しかもキャラクターが生き生きとしている様子が本当に手に取るようにして分かる。
そんな明るい面とは対照的に、後半になるにつれてやべえ一面を覗かせる物語。策略が入り乱れ、裏切りに裏切りが重ねられて、これほど胸糞悪くなる悪役を作ることが出来るのが感服。素直に凄いと思う。さらに最後は主人公側の勝利では必ず終わらせないってところが、もうね。やっぱりダークファンタジーの醍醐味ではないでしょうか。
文句なんてないです。
とても、とても面白かったです。
反撃を期待する
ヴィランズ好きだったので作者買いしました。やはり登場人物が魅力的ですね、ストーリーは結構キツい展開なので好みはあるかも知れません。私は続きが早く読みたいです。余談ですがいくつかのシーンでGOTを思い出しました。
Posted by ブクログ
著者初読。KU。最近は1巻では世界観の説明で本格的には2巻以降から・・・といったものを読む機会が多かったため、展開の速さに驚きつつページを捲る手が止まらなかった。そして主要人物と思われていた登場人物たちがバタバタと死んでいく。そうか、これがダークファンタジーというやつだ!と納得。魔女様は意外にも普通(?)に話が通じる人といった印象で、表紙ほどの禍々しさは感じなかった。むしろ魔女ではない人たちの方がよっぽど狡猾で傲慢でちょっと好きにはなれないタイプが多かった。今後ざまぁ展開があるのかな?続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
大国間の政治的な動きを背景に、様々なキャラクターがそれぞれの思惑で動き生まれるドラマに見ていて引き込まれました。特に魔女という存在が物語の鍵になっていて最強の存在である魔女がどのように物語に入っていくのか気になり先へ先へと読み進める事が出来ました。
特に後半の展開は目が話せない物になっていて引き込まれました。次巻への引きも気になる一巻だったと思います
Posted by ブクログ
小国キャンパスフェロー、大国アメリアに飲まれそうになるのを阻止するため、領主バドは世界中から畏怖の対象になっている魔女を自国の味方にしようという前代未聞の作戦を建てる。そしてバドの傍らには黒犬と呼ばれる暗殺者ロロが控えていた。
キャンパスフェローとレーヴェ、どちらも大国からの侵略に対抗しようとする小国だ。序盤はお互いに手を取り合って大国への次の一手を指そう。中盤から互いの目的が噛み合わず、相手方が何を隠しているのかの腹の探り合い。そして終盤で目的達成のためのバトル。
平坦な道を歩み始め、それが徐々に激しい下り坂になり、最後には坂道を転がり落ちるキャンパスフェロー。敵はハメる側で準備万端、戦力も十二分にあり、絶望的状況な上、味方を減らすのに躊躇いがない。作者の容赦ない書き方はご都合主義を排除していて個人的には好きだ。ただ、苦手な人は苦手かもしれないな~とは思う作品だ。
大河ドラマの
1stエピソード、でいいんでしょうか。日本語に破綻はないし、ストーリーも入り組んではいるが面白いので2nd読みたいです。
良い登場人物がどんどん死んでしまったのはなんか残念ですが...
Posted by ブクログ
目を引く美しい表紙と高評価につられて購入した本作。
素晴らしいダークファンタジーでした。
世界観に没頭できるものを、求めていた。
ファンタジーで育った私は、大人になってからも剣と魔法を夢見てライトノベルに手を出してきました。しかしどれも物足りなく、騎士も魔法も竜も主人公の引き立て役でしかなかった。
この作品は、きちんと世界に息づく人たちを描いている。
もちろん楽しいことばかりではない。そこには裏切り、謀略、そして死があった。
強いだけじゃない主人公も魔女も、これからどうこの世界を生き抜いていくのか。
ぜひ続きを読みたいと思う作品だった。
Posted by ブクログ
題名と表紙のインパクトに釣られて購入、内容は人間同士が織り成す陰謀と策略の連続。
ただただ利用されるだけの魔女という存在が、いい感じに物語の刺激になってて面白かった。
設定は良い
舞台背景や設定は非常に魅力的。
登場人物も味方陣営も一巻からどんどん死んで行くのもダークファンタジーと銘打っているだけはある。
ただ、死んでは行くのだが如何せん各キャラの掘り下げや活躍等がほぼ書かれていないので、死んだところで、あぁ!?ここで死んじゃうのか!!と言った惜しさには全く繋がっていないのが勿体ない。せめてこの巻である程度活躍や主人公と絡ませてから退場させれば……
また、主題にもある魔女だが、今巻では捻りも何も無く当初の予想通りの人物が魔女。
まぁ魔女が誰か分からず、正体を推測しながら探して行く…的なミステリー物ではないから贅沢は言えないですが、何とも拍子抜け感。
主人公。
優しい暗殺者(見習い)で、一族の価値観を否定し
「この力は大切な人を守る為に使いたい」
まぁこれはこれで、暗殺者家系のくせにクリーンな主人公、ありだとは思います。
しかし途中であった『殺人が怖い』的描写、これがある事によって、↑の信念がただの殺人忌避からくる言い訳にしか聞こえない。終盤の魔術師戦で、状況的に限りなく主の危機なのにやはり殺せず。唯の口先立派なヘタレの爆誕。
かと思えば結局本巻最後で主は殺され、その後内面の葛藤等も特に無く裏切り者をサックリ。
何より、暗殺者なんてばれずにいてナンボなのに相手国へ行って顔合わせの瞬間に身バレ。護送襲撃時も不意打ちで気絶でもさせて実行犯隠蔽とするのかと思えば普通に顔バレ。相手国の思惑と展開優先ご都合主義で逗留中の味方は拘束されてないが、本来ならその時点で全員捕縛されるレベルの失態。殺せないのに、不意打ち完遂出来る実力も無いとか……最早この主人公に価値はあるのかな??
あぁ、冒頭に設定は魅力的とは書いたが
時代背景に余りにも合わない味方陣営の行動にも難あり。安全とは言えない同盟国に跡継ぎ含め上層部ほぼ総出で行くのも謎なら、その国で主人公が襲撃事件を起こして顔まで見られているのに平然と城に留まっているのも謎。展開ありきで登場人物を動かしている為と思われるが、結果ただの頭お花畑な面々に成り下がっており、これも退場しても惜しいと思わせない一因に。
アオリにある「予測不可能な~」
確かに。悪い方へ斜め上の展開過ぎて予測不可能でした。
ポテンシャルは良いのに何とも残念な作品。