アンドレジッドのレビュー一覧

  • 地の糧(新潮文庫)

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    地の糧
    著:アンドレ・ジッド
    訳:今 日出海
    出版社:新潮社
    新潮文庫 シ 2 5

    見城徹氏の本を読み返していると、「地の糧」のおすすめがあったので、手にとりました。2023年に再版があったことも、調べていくうちに知りました。難解な書であるかとおもい、ちょっとたじろきました。

    あとがきに、欲望解放の書とあります。主人公の心境が変わっていく姿、そして、旅。旅に出るたびに、主人公は変わっていく。

    頭で覚えたものを忘れる旅、ナタナエルには、あらゆる書を焼いてしまえといっている。過去の自分から離別ととらえました

    糧よ、私はお前を待ち望んでいる、と3度叫んでいる。
    飢えは、半端なところで、たたず

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    2025年10月20日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    すごく寂しく辛い愛と信仰の葛藤を描いた作品
    ・いのちに至る門は狭く、その道は細く、これを見出す者少なし
    ・その門は、2人で並んで入るには狭すぎますの
    寂しく辛い戦いの後に、彼女は狭き門に入れたのだろうか

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    2025年03月19日
  • 地の糧(新潮文庫)

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    再読。前回は感想を書いていませんでした。うっかり。

    ナタナエルに語りかける場面から始まる。
    彼の体験談(旅の話)やそこから辿り着いた思想をナタナエルに伝える。
    旅に行ったことが瑞々しく鮮明に表現されている。様々な種類の果実が出てきた。食べると酔う熟れた葡萄とか。甘いジャム食べたり。美味しそう。明日の朝は葡萄のジャムをパンに塗ろう。
    彼は知覚過敏なのでしょうか、果実が冷たくて歯が痛いと言っていました笑笑(p94)違ったらごめんなさい笑
    ただ、地名の名前が書かれていても私は分からないので、その都度検索をして、追体験出来るように工夫しなければならなかった。また、知らない漢字も多く難しかった。勉強に

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    2024年02月13日
  • 地の糧(新潮文庫)

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    小説、という括りになっているけど、哲学書ですね!
    かなり抽象的で難解な表現が多いけど、それだけに想像や思考を掻き立てる
    そして、自分にしかないメッセージを受け取れる
    「書を捨てよ、街を出よう」
    答えは常に自分の内側にありますね!

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    2023年04月17日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    祖母の家にあったので読んでみました。
    フランス文学だけあって難しかったですが
    アリサの
    「死ぬってものはかえって近づけてくれるものだと思う。生きているうちに離れていたものを近づけてくれるもの」
    その文章に惚れました。
    この文章から彼女は心底ジェロームを愛してたのだなと感じました。
    彼女は母親の不倫などで徳を積むことばかりを考え妹の幸せすら願った。けれど本心はジェロームへの恋のために徳を積もうとしてたかもしれない。
    最後の日記には彼に当ててる文章が多く神ではなくジェロームを求めてることがわかり胸が痛くなりました。
    彼女は狭き門ですら彼と行こうとも考えてもいました。
    亡くなった彼女は離れていたもの

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    2023年03月29日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    昔に書かれた作品で、読みにくいかなと思っていたがそんなことはなかった。
    それと、名著ということもあるのか、内容は共感できる文章が多かった。
    書くと長くなるので全てを載せないが、特に共感できたのはこれだ。
    「 おそらくそれは、その幸福がいかにも実際的なものであり、たやすく手にはいり、しかも《注文どおり》にできているために、それが魂をしめつけ、窒息させるように思われる」
     自分自身、こんなことで喜んでいいのかと生きていて感じることがあり、アリサと同じく、最高の歓喜を求めていたのだ。それを見つけるのは、正に、"狭き門"だけど。
     でも、そんなものばっかり求めていると、アリサ同様身

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    2022年03月13日
  • 狭き門

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    中学生の時に読んで以来の再読。私の恋愛観を決定づけた本。母親のことや前半の妹のエピソードなど家庭環境のことは全く覚えてなかった。延々恋愛と宗教とジェロームを理想化して悩む話だと思ってた。背景がなければそういう考えには至らないわけで、中学生の時の読書力の弱さだったのか。加えて宗教面の理解はできてなかったと思う。それでもこのアリサのジェロームを思うが故に追求しようとする純粋な愛の形ー狭き門をくぐることーが私に与えている影響は未だに大きいと思う。それが故に恋愛に失敗してきてもいるけど。

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    2017年02月02日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    アリサの美しさ、挙動、そのすべてが繊細なガラス細工のように描かれている。本当に、主に導かれるかのように、天上に召されてしまった。幸福に手を伸ばすこともできたろうに、そうしなかったアリサ。ジェロームを思うと、ジュリエットを思うと、まぁなんとも言えない複雑な思いになるのだけれど、きっとアリサは母の不義を自らの原罪のように感じてしまったのではあるまいか。私はキリスト教徒ではないのではっきりとしたことはわからないがやはりりっぱだったと思わずにはいられない。そして今まで興味を持てなかったヨーロッパ庭園の美しさの片鱗を垣間見ることができた。華やかな表面だけを見ていたが、そこには華やかさと喜びとともに、やっ

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    2016年06月25日
  • 狭き門

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    “力を尽くして狭き門より入れ”
    愛とは何か、を深く考察させられた作品でした。
    ただ、肉体は決して交わらないが、互いを常に思い合うプラトニックな愛で、狭き門へと入ることを試みたアリサとジェロームは一体真実の愛、そして幸福を手に入れられたのでしょうか。
    実際に読んで考えてみて、答えは否だと思います。
    一方、好きではない人と結婚致しましたが、子を作り、実世界を真剣に生きているアリサの妹ジュリエットは非常に魅力的で幸福に暮らしています。
    この作品の主題に対極的に書かれていると考える、D・H・ローレンスのチャタレイ夫人の恋人では、むしろ肉体的な愛を称揚されておりますが、それは事実、生物として生きている人

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    2015年09月09日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    純粋な少年と破滅欲求のある少女の恋愛小説
    という印象の作品です。

    幸福になることを病的なまでに恐れている少女が魅力的でした。
    著者ジッドの自伝的作品でもあるとのことです。

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    2015年02月15日
  • 狭き門

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    ジッドの生育歴や人柄とよく重ねられて作品が語られるが、ちっともそんなものとは関係なく、彼一人が考え、向き合ったものが言葉として語りだされている。
    作品の発表にとても年月を要するのも十分納得できる。真実を書くということは、生半可な覚悟ではできない。言葉では真理を捉えきることができないから。
    これほど、キリストの言葉をその教義を超えてそのまま受け取れているひとのように感じる。彼は決してキリストの教えを捨てていない。真理は捨てることなどできない。
    愛とは、すべての人を自分と同じように愛せなければ、それはほんとうの愛ではない。相手を堕落させるものなら、それは愛ではない。そこへの門は誰に対しても開かれて

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    2014年08月01日
  • 狭き門

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    アリサもジェロームも信仰心のレベルが高すぎて、ついてはいけない話だったけど、不思議と読み進められて没頭できた。

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    2025年11月09日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    これは爪痕が深く残る作品。

    早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。遺された日記には、彼を思う気持ちと“狭き門”を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた…。

    ジェロームを拒み続けるアリサの頑なさが理解できず、終始苛立たされたものの、読者に刻まれた爪痕こそ、この作品の訴求力の証でしょうか。

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    2025年10月12日
  • 地の糧(新潮文庫)

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    物事や景色の捉え方、感じ方の言語化がとても豊か。
    全体として理解が追いつかないところが多いが、印象に残るフレーズが多い1冊だった。

    その一部より
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    欲望の対象の常に偽りがちな所有よりも、いかなる欲望にせよ、欲望自体の方が私を豊かにしてくれた。

    そして素晴らしく美しい。そのくせなぜこんなに美しいのか、君に説明ができない。

    わが身に毒虫を飼う喜び。
    人生は我々にとっては
    野生的で味の変わりやすいものだった

    そして死の上にようやく花が開きかけたように幸福がここにあるのを私は愛惜する。

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    2024年01月04日
  • 狭き門

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    青春のすべてを、愛を、犠牲にしてまで仰ぐべき信仰がわたしには理解できないし、アリサの禁欲的すぎる短い生涯を切なく思う。これを純愛と呼ぶべきなのかもわからない。ただただ、切なさと悲哀が残るストーリー。
    それでいてこんなにも惹きこまれるのは作者の筆圧のせいなのかな。
    なんども読み返してなんども切なくなり得る作品。

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    2021年10月29日
  • 狭き門

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    読みはじめたばかり。ジッドの他の作品の書籍が見つけられずにこれを読んでいる。
    味わって読みたい、早く読み終わってしまいたくない本というものがあるけど、これもその1つ。

    ジッドはサガンから知った。

    ある人が、この狭き門は若きウェルテルの悩みのような若い人の興味を引くというようなことを書いていて、確かにそうなのかもしれないと思う。しかし、ところどころというより根底に流れる人への寛容さというようなものや、徳とでも言うものが、人生をある程度経験した今だから感じられると思う。

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    2019年10月22日
  • 未完の告白

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    先に『女の学校』『ロベール』を読んでおけばよかつた。
    ひとつの家族のそれぞれから描いた一連の作品の中でも、娘からの書簡といふ形式である。
    社会的には女性のどうこうといふもののやうであるが、それ以上にひとを愛するといふ彼が生涯通じて求め続けたひとつの形であつたに違ひない。
    ひとが愛しあふと結婚して家庭をもつ。それが彼には不思議で仕方なかつたのだ。さうでなくてもひとを愛し生きてゆける。
    誰かを愛することと、結婚して一緒に暮らすといふことは別のことなのだ。彼の描く文脈の中でボードレールを眺めると、『旅へのいざなひ』や『戀人の死』に描かれるたゆみない愛への渇望が呼び起される。
    与へ続けることでしか満た

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    2018年04月16日
  • 狭き門

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    「これ神は我らの為に勝りたるものを備へ給ひし故に、彼らも我らと偕ならざれば、全うせらるる事なきなり。」
                             (ヘブル書11:40)
    この聖句は、比類ない「青春の書」、ジッドの『狭き門』において、アリサが従弟ジェロームに残して去った、最後の言葉である。この書を読まれた読者諸氏は多かろうが、ここでの恋愛経過は19世紀的どころか、現実に存在し得ない類のものである。悲劇的な結末を迎えるが、これは実に読者を陶酔させ、恍惚境へと誘い入れる。

    女主人公アリサがここでは聖女のごとく、あまりにも美しく描かれている。この小説の主人公であり物語の語り手でもあるジェロー

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    2016年04月27日
  • 狭き門

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     初読のジッドの本。
     物語は、「狭き門」を単身くぐり抜けようともがく女性の苦悶が描かれていて、読んで、息苦しい印象を持った。
     女性がこういう悲運に陥るというのは、めずらしいように思われた。また、物語を通して作者の影がうっすらとも見えないところに、その技術の高さがうかがわれた。
     全体の雰囲気が薄暗く、話が淡々と進むので、万人にはおすすめ出来ない作品でしょうが、読まずに済ますにはもったいないくらいの痛切なメッセージが、この中に込められているかと思います。ノーベル文学賞を受けた作家の作品なので、読んでおいて損はないでしょう。
     ぜひご一読を!

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    2016年04月04日
  • 狭き門

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    神への愛と人への愛、果たして人は二つの愛を持って天国の狭き門をくぐることはできるのか?
    敬虔過ぎる二つの信仰心が織りなす恋の物語、ガラスのような繊細さが素敵です。
    キリスト教信仰は馴染みの薄い文化でしたが、大人の入り口で戸惑う女の子の生真面目な純潔と恋への憧れに置き換えて読んでましたvv

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    2015年02月27日