アンドレジッドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
《それなのに今、あなたなしに見ているわたしは、何から何まであなたから盗んで見てでもいるかのよう。》
愛ゆえに完璧であることをのぞみ、
愛ゆえにそれを達し得ないとは。
神への道はそれほどまでに狭いのか。
アリサもジェロームも狂うほどに繊細で、厳格だった。
アリサとジェロームの宗教観のズレが招いた悲劇かな。
簡単に手に入ってしまう幸福や成長の無い安定した生活に対する嫌悪感
はとても理解できるし、ジェロームが神に近づくことがジェロームにとっての徳行であり、それこそがアリサの幸福である、という考え方はとても美しいと思うけれど、、、
やっぱりアリサの宗教観は不幸だと思う。 -
Posted by ブクログ
ジッドは1947年78歳でノーベル文学賞を受賞したフランスの作家。同フランス人作家のカミュは1957年44歳で受賞している。因みにフランス人のノーベル文学賞受賞者は15人に上る。日本人は川端康成(1968年)と大江健三郎(1994年)の2名だけなのが悲しいかな、村上春樹はどうした...。
『狭き門』は、ネトフリの貴族の宴で有名なブリジャートン家風にはじまる。幼い二人の恋愛模様を描きつつ、少年から青年時代になると彼女はめんどくさい女に変貌する。彼を遠ざける理由がまた神がかっていてややこしい、最後には精神的におかしくなるのだが~ジットの自伝的小説というのだがら驚きだ。 -
Posted by ブクログ
解説にある通り「欲望を肯定し情熱的に生きることを賛美する」「青春の書」であるとは感じた。そういう先入観があったからなのかもしれないが、書物に埋没すること勿れ、自分の足で歩き・目で見・耳で聞いて人生を体感せよという魂の声高な叫びが、そう感じさせてくれた。
1927年版の序でも指摘されているように、自戒的な響きもあるように思った。しかし、そんな自分の言葉も捨てるように促す姿は決して説教臭さを感じさせなかった。何よりも大切なのは自らと向き合い、"置きかえのきかぬものを、身をもって創造"することなのだ。
……という具合に、書物の言葉を引用し、無言で頷くのも程々にした方が良い。
難解に感じる部分も多くあったが、気になるフレーズも見つけられた(読書途中で記録が一度消えてしまったため、全ては残せていない)。豊かな比喩表現と情景描写、内面の光も闇も解放するような文章には力があった。
特に、自然と人間を見つめる視点は現代にも通じるような警告を感じた。
"人間の叡智には、自然の河川がもつような清冽さがない"とあるが、これは人間の驕りを批判していると共に自然の中では弱いことも感じさせる一節だ。淡々と人間の非力さを嘆いているようにも、もう諦めているようにも感じる。
また、「保有」を"形態の渦巻"と表現している箇所もあり、何かを所有することに対する懐疑的な見方も窺える。この書を知るきっかけとなった「チノカテ」(ヨルシカ)の歌詞でも示唆されているように、やはり所有の悪性について記されていた。開かなければ停滞するということではないのだろうか。書物も知識も土地も家庭も……所有することによってそれらに執着し、それらに自らを埋めてしまう危うさがあると思う。広く周囲を感じ、考えていきたい。