アンドレジッドのレビュー一覧

  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    2015.1.21
    崇高な宗教観から理解を超える箇所が何度もあったが、尊い愛の話。アリサの日記を読みつつ、互いの互いを思う気持ちとそのすれ違いに涙しそうになった。愛とは何か、幸福とは何か、現代のしかも日本に生きる特定の宗教を持たない僕が読んでも考えさせられた。

    0
    2015年01月27日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    ジッドが1909年に発表した作品。本書の題名"狭き門"は、新約聖書のマタイ福音書第7章第13節"狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく~"というキリストの言葉に由来してます。キリスト教の背景がないので、完全には読み解けない部分がありますが、ジェロームとアリサの純粋な愛情を感じることは出来ます。それぞれの心情が手紙や日記などを引用する形で綴られ、無駄な描写が少ないと感じました。必要以上に相手のことを考えてしまい、どうにもならなくなった2人に救いの道はなかったのかな。本来、そのための信仰だと思わなくもない。

    0
    2013年12月19日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    《それなのに今、あなたなしに見ているわたしは、何から何まであなたから盗んで見てでもいるかのよう。》

    愛ゆえに完璧であることをのぞみ、
    愛ゆえにそれを達し得ないとは。
    神への道はそれほどまでに狭いのか。

    アリサもジェロームも狂うほどに繊細で、厳格だった。
    アリサとジェロームの宗教観のズレが招いた悲劇かな。
    簡単に手に入ってしまう幸福や成長の無い安定した生活に対する嫌悪感
    はとても理解できるし、ジェロームが神に近づくことがジェロームにとっての徳行であり、それこそがアリサの幸福である、という考え方はとても美しいと思うけれど、、、
    やっぱりアリサの宗教観は不幸だと思う。

    0
    2014年01月24日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    私は無宗教なのでヒロインのアリサの気持ちは理解できないのだけれど、宗教の違いだけで片付けられるような単純な物語(作者の意に倣い物語とする)ではなかった。想いあってるのに結ばれない。今の時代じゃ有り得ない手紙でのやり取りに胸が痛かった。タイトルの意味がわかると凄くハッとした。一度ではこの物語の深さを理解できないと思うので数年後にもう一度読みたい。次はアリサがジッドの妻の投影であることを踏まえて。2011/594

    0
    2013年10月31日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    10代の頃なら、もっと感銘を受けていたと思うけど、同時に読んでなくって良かった。恋人へ偶像崇拝と天上へ愛に葛藤する話。

    0
    2013年05月25日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    純愛とはその言葉に反して決して純粋なものではない。それは純粋さという虎の威を借りたエゴイズムの裏返しであり、道徳心の裏でほくそ笑む権威への服従だ。だからこそ純愛は人間らしいのであって、それは決して否定できるものではない。ジェロームからのひたむきな求愛を受けるアリサはそれを決して承諾せず、自己犠牲的な姿勢を変えようとしない。その理由を母親の不倫やキリスト教的価値観に求めるのは簡単だが、幸福に対する恐怖心、それこそが本当にアリサを縛り付けていたものなのだろう。そしてその恐怖心には、とても共感できてしまうのだ。

    0
    2013年03月31日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    自分が読んだのはどこの出版か忘れてしまったので申し訳ない。
    私が読んだのは宗教色神様云々というよりも、アリサが愛を崇高なものとしているように取れた。北斗の拳のトキともまた違った愛し方だが、ジェロームも真剣なのに報われなさすぎて胸がいたい。愛の純度が高すぎて、触れる、汚すことができない。アリサはダイアモンドのようだ
    あと、(私が読んだ奴は)巻末の解説がなきゃちょっと分かりにくいかもしれない。
    しかし共感できる所があるので☆4。

    0
    2012年09月09日
  • 未完の告白

    Posted by ブクログ

    あ、、なんだっけこれ、、、ジッドってなんか神々しいなと思って見てました…なにそれ……ジッドって名前と雰囲気が好きだった…。

    0
    2009年10月04日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    ジッドは1947年78歳でノーベル文学賞を受賞したフランスの作家。同フランス人作家のカミュは1957年44歳で受賞している。因みにフランス人のノーベル文学賞受賞者は15人に上る。日本人は川端康成(1968年)と大江健三郎(1994年)の2名だけなのが悲しいかな、村上春樹はどうした...。

    『狭き門』は、ネトフリの貴族の宴で有名なブリジャートン家風にはじまる。幼い二人の恋愛模様を描きつつ、少年から青年時代になると彼女はめんどくさい女に変貌する。彼を遠ざける理由がまた神がかっていてややこしい、最後には精神的におかしくなるのだが~ジットの自伝的小説というのだがら驚きだ。

    0
    2025年10月25日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     解説にある通り「欲望を肯定し情熱的に生きることを賛美する」「青春の書」であるとは感じた。そういう先入観があったからなのかもしれないが、書物に埋没すること勿れ、自分の足で歩き・目で見・耳で聞いて人生を体感せよという魂の声高な叫びが、そう感じさせてくれた。
     1927年版の序でも指摘されているように、自戒的な響きもあるように思った。しかし、そんな自分の言葉も捨てるように促す姿は決して説教臭さを感じさせなかった。何よりも大切なのは自らと向き合い、"置きかえのきかぬものを、身をもって創造"することなのだ。
    ……という具合に、書物の言葉を引用し、無言で頷くのも程々にした方が良い。

    0
    2024年10月04日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私には少し難解だったが表現の豊かさに魅かれて最後までなんとか読破することができた。
    月日が経ってから再度丁寧に読み直したい。

    0
    2024年04月30日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    結局のところ二人はお互いを愛していたのではなく、愛を成就すべく徳を積む行為(神へとお近づきになる道なのか?)に夢中になっていたのに過ぎないのかもしれない。
    また、その過程で、ジェロームもアリサも本来の彼らを見ることなく、互いを神のように偶像崇拝してしまっていたとも思う。

    恋やら愛はもっと世俗的で、シンプルなものなんじゃーん?

    サリンジャーのフラニーとゾーイーにあった、太っちょおばさまはキリストなんだよ、の方が自分にはしっくりくる。人間が神へと近づくのではなくて、すでに人間の中に神は宿っているって思いたい。

    0
    2024年02月12日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    感銘を受けるには乏しい私の人生経験。
    難しかったです!
    しかし言葉のシャワーを浴びているようで新鮮でした。

    0
    2023年12月20日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    なんだこれは。全然分からん。全く分からん。
    ジッド、外国人、訳本、だからなのか?
    あとがきに病気のころ書いたとあったが、それだから?
    しかし、ロングセラーであり、ベストセラー。俺でさえ本の名前を聞いたことがある。歌にもなってる。
    なのに、全然分からん。
    なのに、響く一文が二つあった…。

    0
    2023年09月29日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ヨルシカコラボカバーが出たので購入したうちの1冊。
    今読めてよかったと思う。目で見たものを大切に愛でる気持ちは持ったまま、この本をそっと棚にしまって、この本の思想を捨てて外へ放浪してみたいと思った。

    0
    2023年08月24日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え」
    「もう今は私の本を投げ棄ててくれ。そこから離れて自由になってくれたまえ。」
    最初と最後に繰り返される。
    この本を含めて誰かの思想に囚われることなく、自分の目で世界を見て、自分自身を探求し、生きていきなさいと勧められている気がした。

    中身はあまりよくわからなかったのだけれど、みずみずしい世界が描かれていたような気がして、不思議と読むのは楽しかった。

    0
    2023年07月09日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    難解な箇所が多いが、現代の自己啓発書にもつながる思想が見受けられた。読んだ知識ではなく、素足で感じた知識こそがその人の糧になる。でも読むことがそれの始まりでもある。未来に過去を再現しようとしないこと、不幸の在りどころは覚えていたい。

    0
    2023年07月03日
  • 地の糧(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    瑞々しい文章が外界との浸透圧を下げてくれる。
    本を捨てる捨てない以前に、二項対立的思考から自由になれと言われているよう。

    0
    2023年05月15日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    アリサの日記に辿り着くまでに相当な日数と労力を費やしてしまった…。
    地上的な愛ではなく天上の愛を求め苦悩する姿。
    そのような形容で語られれば理性的にはすんなり頭で理解はできる。

    しかし簡単に手に入れてしまっては、手に入れてしまった後の辛さの方も想像してしまうアリサの『徳』と言うものも、人間としてどうしても譲れない想いを現しているのだと思う。

    現にジットは個人思想を守りたい作家だったわけで、そういった意味では現代の作家に通ずる部分がある。

    0
    2022年05月04日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    凄まじきアリサの生き様。恋の誘惑を断ち切り、と言って犠牲的献身を好んだわけでもない。ジェロームも煮えきらない。複雑な心情を最後まで共感することができなかった。2020.5.8

    0
    2020年05月08日