アンドレジッドのレビュー一覧

  • 地の糧(新潮文庫)
    再読。前回は感想を書いていませんでした。うっかり。

    ナタナエルに語りかける場面から始まる。
    彼の体験談(旅の話)やそこから辿り着いた思想をナタナエルに伝える。
    旅に行ったことが瑞々しく鮮明に表現されている。様々な種類の果実が出てきた。食べると酔う熟れた葡萄とか。甘いジャム食べたり。美味しそう。明日...続きを読む
  • 地の糧(新潮文庫)
    小説、という括りになっているけど、哲学書ですね!
    かなり抽象的で難解な表現が多いけど、それだけに想像や思考を掻き立てる
    そして、自分にしかないメッセージを受け取れる
    「書を捨てよ、街を出よう」
    答えは常に自分の内側にありますね!
  • 狭き門
    祖母の家にあったので読んでみました。
    フランス文学だけあって難しかったですが
    アリサの
    「死ぬってものはかえって近づけてくれるものだと思う。生きているうちに離れていたものを近づけてくれるもの」
    その文章に惚れました。
    この文章から彼女は心底ジェロームを愛してたのだなと感じました。
    彼女は母親の不倫な...続きを読む
  • 狭き門
    昔に書かれた作品で、読みにくいかなと思っていたがそんなことはなかった。
    それと、名著ということもあるのか、内容は共感できる文章が多かった。
    書くと長くなるので全てを載せないが、特に共感できたのはこれだ。
    「 おそらくそれは、その幸福がいかにも実際的なものであり、たやすく手にはいり、しかも《注文どおり...続きを読む
  • 狭き門
    中学生の時に読んで以来の再読。私の恋愛観を決定づけた本。母親のことや前半の妹のエピソードなど家庭環境のことは全く覚えてなかった。延々恋愛と宗教とジェロームを理想化して悩む話だと思ってた。背景がなければそういう考えには至らないわけで、中学生の時の読書力の弱さだったのか。加えて宗教面の理解はできてなかっ...続きを読む
  • 狭き門
    アリサの美しさ、挙動、そのすべてが繊細なガラス細工のように描かれている。本当に、主に導かれるかのように、天上に召されてしまった。幸福に手を伸ばすこともできたろうに、そうしなかったアリサ。ジェロームを思うと、ジュリエットを思うと、まぁなんとも言えない複雑な思いになるのだけれど、きっとアリサは母の不義を...続きを読む
  • 狭き門
    “力を尽くして狭き門より入れ”
    愛とは何か、を深く考察させられた作品でした。
    ただ、肉体は決して交わらないが、互いを常に思い合うプラトニックな愛で、狭き門へと入ることを試みたアリサとジェロームは一体真実の愛、そして幸福を手に入れられたのでしょうか。
    実際に読んで考えてみて、答えは否だと思います。
    ...続きを読む
  • 狭き門
    純粋な少年と破滅欲求のある少女の恋愛小説
    という印象の作品です。

    幸福になることを病的なまでに恐れている少女が魅力的でした。
    著者ジッドの自伝的作品でもあるとのことです。
  • 狭き門
    ジッドの生育歴や人柄とよく重ねられて作品が語られるが、ちっともそんなものとは関係なく、彼一人が考え、向き合ったものが言葉として語りだされている。
    作品の発表にとても年月を要するのも十分納得できる。真実を書くということは、生半可な覚悟ではできない。言葉では真理を捉えきることができないから。
    これほど、...続きを読む
  • 地の糧(新潮文庫)
    物事や景色の捉え方、感じ方の言語化がとても豊か。
    全体として理解が追いつかないところが多いが、印象に残るフレーズが多い1冊だった。

    その一部より
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    欲望の対象の常に偽りがちな所有よりも、いかなる欲望にせよ、欲望自体の方が私を豊かにしてくれた。

    そして素晴らしく美しい。そのくせなぜこんなに美...続きを読む
  • 狭き門
    青春のすべてを、愛を、犠牲にしてまで仰ぐべき信仰がわたしには理解できないし、アリサの禁欲的すぎる短い生涯を切なく思う。これを純愛と呼ぶべきなのかもわからない。ただただ、切なさと悲哀が残るストーリー。
    それでいてこんなにも惹きこまれるのは作者の筆圧のせいなのかな。
    なんども読み返してなんども切なくなり...続きを読む
  • 狭き門
    狭き門より入れ


    信仰と愛はよく似ているが、過ぎた信仰は破滅を導く。のかな。
    信仰を理由に愛を拒むアリサの行為は、なんだか試し行為のような気がして。
    本当のところでジェロームを信じることが怖かったのかななんて。それが幼年期の母親の不倫というトラウマティックエピソードに基づくものだとしても。

    愛と...続きを読む
  • 狭き門
    読みはじめたばかり。ジッドの他の作品の書籍が見つけられずにこれを読んでいる。
    味わって読みたい、早く読み終わってしまいたくない本というものがあるけど、これもその1つ。

    ジッドはサガンから知った。

    ある人が、この狭き門は若きウェルテルの悩みのような若い人の興味を引くというようなことを書いていて、確...続きを読む
  • 未完の告白
    先に『女の学校』『ロベール』を読んでおけばよかつた。
    ひとつの家族のそれぞれから描いた一連の作品の中でも、娘からの書簡といふ形式である。
    社会的には女性のどうこうといふもののやうであるが、それ以上にひとを愛するといふ彼が生涯通じて求め続けたひとつの形であつたに違ひない。
    ひとが愛しあふと結婚して家庭...続きを読む
  • 狭き門
    「これ神は我らの為に勝りたるものを備へ給ひし故に、彼らも我らと偕ならざれば、全うせらるる事なきなり。」
                             (ヘブル書11:40)
    この聖句は、比類ない「青春の書」、ジッドの『狭き門』において、アリサが従弟ジェロームに残して去った、最後の言葉である。この...続きを読む
  • 狭き門
     初読のジッドの本。
     物語は、「狭き門」を単身くぐり抜けようともがく女性の苦悶が描かれていて、読んで、息苦しい印象を持った。
     女性がこういう悲運に陥るというのは、めずらしいように思われた。また、物語を通して作者の影がうっすらとも見えないところに、その技術の高さがうかがわれた。
     全体の雰囲気が薄...続きを読む
  • 狭き門
    神への愛と人への愛、果たして人は二つの愛を持って天国の狭き門をくぐることはできるのか?
    敬虔過ぎる二つの信仰心が織りなす恋の物語、ガラスのような繊細さが素敵です。
    キリスト教信仰は馴染みの薄い文化でしたが、大人の入り口で戸惑う女の子の生真面目な純潔と恋への憧れに置き換えて読んでましたvv
  • 狭き門
    2015.1.21
    崇高な宗教観から理解を超える箇所が何度もあったが、尊い愛の話。アリサの日記を読みつつ、互いの互いを思う気持ちとそのすれ違いに涙しそうになった。愛とは何か、幸福とは何か、現代のしかも日本に生きる特定の宗教を持たない僕が読んでも考えさせられた。
  • 狭き門
    ジッドが1909年に発表した作品。本書の題名"狭き門"は、新約聖書のマタイ福音書第7章第13節"狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく~"というキリストの言葉に由来してます。キリスト教の背景がないので、完全には読み解けない部分がありますが、ジェロームとアリサの純粋な愛情を感じることは出来ます。それぞれ...続きを読む
  • 狭き門
    《それなのに今、あなたなしに見ているわたしは、何から何まであなたから盗んで見てでもいるかのよう。》

    愛ゆえに完璧であることをのぞみ、
    愛ゆえにそれを達し得ないとは。
    神への道はそれほどまでに狭いのか。

    アリサもジェロームも狂うほどに繊細で、厳格だった。
    アリサとジェロームの宗教観のズレが招いた悲...続きを読む